こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は147話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
147話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 魔法の弾丸②
カチカチ。
時間が少しずつ流れた。
2日は決して長い時間とは言えなかったが、待つ人には違う。
一分一秒がまるでとん底のように長く感じられた。
「まだ大きな変化はないだろう?」
「はい、閣下」
マリは固い顔でうなずいた。
薬を投薬してから半日、目に見える変化はない。
マリは少しでも彼の回復の助けになろうと念入りに看病したが、時間が経つほと焦るのは仕方がなかった。
「効果がないわけではないよね?」
オルンはため息をつく。
皆が焦って皇太子の回復を待った。
幸いなことは、悪化し続けていた今までとは違って、状態を維持しているという点だ。
そのように薬を投薬してから1日が過ぎた。
それまでもはっきりと回復する気配がなく、マリの心が真っ黒に燃え上がっている時。
信じられないことが起こった。
「マ・・・、リ?」
「殿下?」
かすかに間こえてきた声にマリは目を見開いた。
聞き間違えたのかな?
しかし、そうではなかった。
皇太子はぼんやりと目を開けて彼女を見つめていた。
「殿下! 」
やっと目を覚ました彼を見ると、マリはどっと涙を流す。
言葉では言い表せない感情がこみ上げてきたのだ。
「ふぅ、う。殿下。全部、よかったです」
皇太子はゆっくりと手を上げて、彼女の頭をなでた。
「なぜ泣くのか・・・、私は大丈夫だけど・・・」
「殿下・・・、殿下・・・」
言いたいことがたくさんあったが、胸が揺れ、何も言い出すことができなかった。
ただ嬉しかった。
彼が目を覚ましたのが、彼の声をまた聞けることが。
これが夢だったらどうしようかと心配になるほど。
「あなたが私のためにこんなに泣くなんて。夢を見ているのかな?」
「ふう。あ、違います、夢では。絶対に・・・」
彼女は首を横に振る。
彼が目覚めた今の状況が夢なら絶対に駄目だった。
皇太子は、まだ病色がはっきりしている顔で、にっこりと笑みを浮かべる。
「とにかく泣くな。あなたは泣くより笑う方が、はるかによく似合う」
その言葉にマリは無理矢理笑う。
号泣して笑ったので顔がめちゃくちゃだったが、皇太子は暖かく笑って彼女の顔を撫でた。
「そう、笑うとずっと綺麗じゃないか。君が泣くと私の心がとても痛いからこれからは泣くな。私は君が笑う姿だけ見たいんだ。」
「・・・殿下」
マリは袖で涙をぬぐいながら言った。
しかし、いくら拭いても涙は果てしなく流れる。
「や、約束してください。お願いです。これからは絶対にこんなに辛くならないと」
「うん」
皇太子はゆっくりとうなずいた。
「これからは、あなたを決してこんなふうに泣かさないと約束する」
その温かい声にマリは再びどっと涙があふれた。
彼の声を聞くことができてとてもほっとしていて、涙を止めることができなかった。
「魔法の弾丸」というニックネームが事実なのか、マリが抽出した薬は本当に驚くべき効果を発揮した。
皇太子が意識を整えて間もなく少しずつ熱が下がり、2日ほど経った時は完全に正常体温に戻ったのだ。
状態の重さを考えたると、奇跡のようなことだった。
「本当にすごいね。マリ、あなたが見つけた薬だって?」
ある程度元気になった皇太子がスープを持って言った。
「偶然に知りました」
夢から能力を得たとは言えないので、マリはそう言い繕う。
「今回もあなたに大きく助けられたんだ。首都を救ってくれただけでなく、私の命も救ってくれた」
「いいえ」
マリは首を横に振りながら謙譲したが、皇太子の感嘆は絶えなかった。
実際、彼の言ったことは一寸の誇張もなかったから。
マリのおかげで大きな被害が生じそうになった伝染病も終わり、彼の命も救うことができた。
もし彼女がいなかったら、物事がとのように進行したか想像するだけでもぞっとする。
「この薬を大量生産するのは難しいのか?」
マリは首を横に振った。
設備がなくて少量抽出することならともかく、直ちに大量生産することは難しかった。
「それでも今回の伝染病のせいで状態が良くない患者には薬を投薬した状態です」
「よくやった。これで死亡者の数がもっと減るだろうね」
皇太子は微笑んだ。
最悪の状況に直面したが、すべてうまく解決されたのだ。
すべてマリのおかげだった。
「ところで、一つ問題があるんだ」
「はい、どのような問題でしょうか?」
「薬が苦すぎる」
「・・・」
マリは皇太子を見る。
急に皇太子らしくない話だけど?
ラエルは続けて口を開いた。
やはり理由もなくそんなことを言ったのではなかった。
「苦くて到底食べられない」
「どれだけ苦くても、必ず飲まなけれはならない薬ですので」
「君が代わりに食べさせてくれれば、よく食べられそうだね」
「・・・はい?」
「私が倒れている時のようにね。そのように食べさせてくれれば何の問題もなく食べられそうだが」
マリの顔は真っ赤になった。
当時、彼女は唇を通して彼に直接薬を飲ませていた。
今、ラエルはそれを話しているのだ。
「そ、それは・・・」
マリは赤くなった顔で何とも答えずにどもった。
当時はあまりにも状況が緊迫していて特別な考えがなかったが、考えてみれば自身が彼にキスをしたのだ。
彼女が泣きべそをかくと、彼は突然笑い出した。
「冗談だ、冗談。まさか私がそんなことを頼むと?」
「殿下、そんな冗談は・・・」
しかし、彼女は言葉をまとめることができなかった。
ベッドに横になっていた彼が彼女の手首をつかんで、自分の方に手を引いたのだ。
おかげで彼女は彼にすっかり抱かれてしまう形に。
「あの、殿下?」
「しばらくじっとしていなさい」
彼はマリを腕の中に閉じ込め、片手で彼女の髪をなでた。
「あの、殿下。放してください」
彼の胸に抱かれて彼の手を感じていると、胸がドキドキする。
しかし、ラエルはむしろ彼女の耳元に自分の唇を持っていきながら尋ねた。
「なんで?なんで放さないといけないの?」
「そ、それは・・・、まだ体の調子が悪いのに・・・」
皇太子はにやりと笑った。
「こんな風に君を抱いていると、かえって体がよくなる気分だけど?」
「その・・・」
マリが何か言おうとした瞬間、皇太子が思いもよらない行動をした。
彼女の首筋をそっと噛んだのだ。
「・・・」
まるで電気が流れるような感覚にマリの体が硬くなる。
心臓が止まるほど強い刺激。
その後、二人の間にしばらく沈黙が流れた。
マリは首筋を剌激した彼の感じに胸が驚いて何とも話すことができず、ラエルはそんな彼女を胸に抱いたまま優しく頭を撫でる。
「もうそろそろ忙しくなるね」
「は、はい?どうしてでしょうか?」
皇太子は平然とした声で言った。
「あなたを私の妻に迎える準備をしなければならないから。。いや、すぐにトルン2世が崩御するから、あなたは、皇后になるだろう」
「・・・」
突然の話にマリの目が大きくなっる。
ラエルは低い声で話した。
「もう君に向けられた心をこれ以上我慢できない。戴冠式を行った後、あなたがこの帝国の皇后になることを公式に宣言する」
ラエルが無事に回復しましたね。
そしてマリが皇后に!?
モリナ王女という事実を隠したままにするのでしょうか?