こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は77話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
77話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ただの気まぐれ
オルンは皇太子の言葉に理解できないという表情を浮かべた。
クローヤン地方を帝国の勢力圏に完全に含めるため、王国最後の末裔であるモリナ王女を妻として迎えるのではなかったのか?
それなのに意味がない?
「マリのせいですか?」
「もちろん、マリのせいでモリナ王女を妻に迎える気が無くなったのは事実だ。しかし、sそれ以外にも本当に彼女の価値が消えた」
「・・・?」
「以前に比べてクローヤン地方の抵抗が遥かに激しくなっている。このように抵抗が激しくなった状態で、私がモリナ王女を妻に迎えれば、クローヤン地方の人々は私が王国を侮辱したと思うだろう」
「・・・!」
「今、クローヤン地方の人々の抵抗が激しい理由は他ではない。まさの前王朝に対する懐かしさと忠誠心のためだ」
ラエルの判断は正確だった。
彼はクローヤン州が帝国に融合するために多大な努力をしている。
税率も大幅に引き下げ、各種分野への支援も惜しまなかった。
王国民だからといって帝国民に比べて差別を受けさせようとは考えもしていない。
したがって、生活的な問題で拒否感を持つ理由はなかった。
クローヤン地方の人々が帝国を拒否する理由は、前王朝に対する懐かしさと忠誠のため。
「最近の王は賢明ではなかったが、長い間善政を多く施した王朝だ。だからこそ、モリナ王女のような凄い人物も生まれたのだろうし」
顔のない聖女、モリナ王女。
ラエルは、幼いにもかかわらず、このように広く知られるほど密かに善行を施したモリナ王女に一度会ってみたかった。
「それでは、モリナ王女を探すのをやめますか?」
「いや、モリナ王女は探さなければならない。何があっても必ず」
オルンが訝しげな表情を浮かべる。
妻に迎える気はないのに、どうして?
ラエルは冷たく言い放った。
「探して殺さなければならないから」
「・・・!」
「王国民が前王朝を懐かしがって反発し続けるのは、結局、王家の最後の末裔である彼女が存在しているからだ。だから、モリナ王女を殺して王家の血筋を断ち切らなければならない」
オルンは頷く。
皇太子の言葉が正しかった。
モリナ王女を処刑すれば、すぐに強く反発するだろうが、そのような反発は時間が経てば消えるだろう。
これ以上中世を尽くす王国の子孫がいなければ、彼らは次第に帝国に融和するはず。
「もしモリナ王女を殺さなければ、王国が帝国に融和するのに少なくとも2世代、40年はかかるだろう。一方、王女を殺して王家の血筋を絶やせば、その期間は非常に短くなるだろう。だから、必ず彼女を見つけて殺さなければならない」
ラエルは書類を見ながら読むように無感情に話した。
モリナ王女は殺されるほどの罪はない。
むしろ彼が感嘆するほど凄い人物だ。
しかし、そんなことは関係なかった。
ラエルは帝国のために悪鬼にでもなると誓ったのだから。
帝国の利益のためなら、どれだけでも冷酷になることができた。
「大体は決まったから、首都に戻ろう」
「はい、殿下」
彼らは小さな船に乗り込んだ。
船で川を渡ると、彼らはお互いに無口になる。
オルンはモリナ王女に対する考えで、ラエルは他の何かに対する考えで口をつぐんだ。
夕暮れ時、船は川岸に到着した。
「何を考えていますか、殿下?」
ラエルは返事もなく視線を逸らす。
彼の瞳に、黄昏を受けて赤く変わった無間の塔が入ってきた。
「オルン」
「私が冷酷すぎると思うか?」
「・・・!」
オルンは急いで首を横に振る。
「私もモリナ王女を殺すのが正しいと思います。それが帝国のための道ですから」
「・・・」
「殿下のすべての決定が帝国のためであることを知っています。国民は後日、殿下を歴史に残る聖君として記憶するでしょう」
ラエルはニヤリと笑った。
「そう言ってくれてありがとう」
「本当です」
彼は頷いた後、通りすがりに口を開く。
「レイチェルは殺さないように。生活環境も整えてやれ」
「・・・!」
オルンが驚いた表情を浮かべた。
皇太子らしくない決定だ。
「どうしてですか?」
「ただの気まぐれだ」
だから、なんでそんな気まぐれを?
しかし、ラエルは詳しい説明をしなかった。
「行くぞ。遅れるな」
彼は自分の黒馬に乗り込み、馬を走らせる。
「えっ、殿下?待ってください!」
オルンは慌てて彼の後を追う。
ラエルは馬の上で風に吹かれながら考えた。
レイチェルを生かすことにした理由を。
(すでに血に染まった手だが、不必要な殺生を一人でも減らせば、神様が喜ぶのではないかと思って)
それが理由だった。
そして、彼がそういう考えをするようになった訳がある。
切に願うことができたから。
神に祈ってでも望むものができたから。
それはまさにマリのこと。
「神よ」
ラエルは馬を走らせながら考える。
「こんな罪人だが、私とマリの将来を祝福してくれ」
マリがモリナ王女だと知った時、ラエルは宣言通りに彼女を殺すのでしょうか?
神に祈ってでもマリと結ばれたいラエル。
キエルの気持ちも気になりますね。