こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は281話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
281話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 次のステップへ
日が沈みかけている中、夕焼けの間から新しい影が映っていた。
シルエットに過ぎなかったので、どんな鳥かは分からない。
ただ暗くて、まるでカラスのように見えた。
窓際に立って漠然とその風景を見守っているうちに、心配そうな声が聞こえてきた。
「アビゲイル、大丈夫?」
ちらりと横を振り向くと、ベリテは不安そうな目で私を見ていた。
私が部屋に入って来た時から、あんな目つきだ。
「表情が良くない。二人が心配だから?それともレイブンのせい?」
「う一ん、両方とも」
私は笑おうとしたが、口元は上がらなかった。
ただでさえブランシュとセーブルが心配になるところで、レイブンと交わした会話がしきりに耳元に残っていたのだ。
レイヴンともっと絡むとセーブルに傷になりそうで、きっばり断ったが気分が良くない。
レイブンがどんなことを考えているのかは分からない。
だけど、彼が孤独な人だという事実は本当のようだった。
両親は亡くなり、唯一残った兄弟とは静的に過ごしている。
セーブルの目に浮かぶことを恐れて息を殺して過ごすのも事実。
距離を置くことはあるだろうが、なんとなく残念だ。
レイブンにもいい人ができたらいいのに。
しかし、その人が私になることはできなかった。
「早くセーヴルとブランシュが戻ってくるといいわね」
心がモヤモヤして二人に会いたくなった。
朝早く出かけたのに、思ったより帰りが遅い。
何かあったんじゃないよね?と少し不安になった。
その時、ベリテが鏡の中をちらりと見て言った。
「あ、二人が戻ってきたよ」
「本当?大したことないように見えるよね?」
「うん。出かける時と同じだよ」
ああ、よかった。
内心、何があるのかすごく心配したんだけと。
焦って待っていたところ、ブランシュとセーブルが中に入ってきた。
「お母様!戻ってきました!」
ブランシュがちょこちょこ走ってきて私の胸に抱かれた。
私は急いでブランシュを抱きしめ、体を見回す。
幸い怪我もなく、元気そうだ。
「ブランシュ、怪我はないですよね?」
「はい。心配しないでください」
うちの子が無事に帰ってきてよかった。
いつの間にか髪の毛と瞳も元の色に戻っている。
私がブランシュをぎゅっと抱きしめると、セーブルが微笑んだ顔で立っているのが見えた。
「殿下も怪我はないでしょう?」
「はい、無事です」
私はセーブルの頬に軽くキスをする。
眼鏡が少し邪魔だったが、大したことはなかった。
「無事に帰ってきてよかったです。何もなかったでしょう?」
「ありました」
「え?」
「詳しくはブランシュが話した方がよさそうですね」
セーブルがはブランシュに覗線を向けると、ブランシュの表情は少しこわばっていた。
「何かあったんですか?ブランシュ」
「それが・・・、お年寄りの家の近くに住む猫たちがいました。猫たちがその日のことを目撃したそうです」
本当に目撃動物がいたんだ。
見つからないかもしれないと思っていたのに、ブランシュが大物を釣ってきた!
ところが、ブランシュの表情が暗いまま。
一体何の話を聞いたの?
「そうだったんですね。よかったです。その猫たちが何と言いましたか?」
「それが・・・、私たちが果樹園に行く前日、老人が家の中に入って、その後をある男がついて入ってきたそうです」
ブランシュは私の手をしっかり握って話を続けた。
手が少し震えている。
「そして、何か喧嘩の音が間こえて、その男が老人をおんぶして外に出た後、帰ってこなかったそうです」
老人はやっばり利用されたんだね。
ブランシュの顔も複雑だった。
老人は無事だろうか、無事ならいいんだけど・・・。
「もしかしてその男の顔を見たんですか?」
「見たことは見たんですが、人の顔がみんな似ていて見分けがつかないそうです。髪の毛の色ぐらいしか覚えてないそうで・・・」
髪の毛の色ぐらいでも大いに役立つ。
ブランシュは声を低くして慎重に言った。
「木のように暗い髪色の男だったそうです」
ブランシュの話を聞いた途端、首筋がこわばってしまった。
連弾曲の旋律が部屋の中を埋め尽くしているような。
私の隣に座って演奏していた彼の髪は茶色だった。
まさかギデオン?
あの男がブランシュを狙って?
全身の血が黒く沸き上がるようだった。
怒りと驚愕に固まっていたその時、セーブルの声が間こえてきた。
「ビビ、大丈夫ですか?」
その声にぱっと気がつく。
ふとブランシュが怯えた顔で私を見ているのが見えた。
なんでそんな表情で見るんだろう?
また表情が怖くなったのかな?
セーブルが固まっている私を注意深く起こしてくれた。
「とりあえず、座って話しましょう」
「は、はい」
私はソファに座り,ブランシュの顔色をうかがう。
少し暗かったが、私を怖がっているようには見えなかった。
なんとなく雰囲気がおかしくなる。
沈黙の末、ベリテが口を開いた。
「木のような色の髪の毛だと猫が言ったの?」
ブランシュはかすかに微笑んで言った。
「うん、そうだった。でも・・・」
そして、そっとセーブルを眺める。
彼はブランシュを軽く撫でた後、口を開いた。
「茶髪ではないかもしれません」
「え?どうして?」
「その猫たちが私の髪の毛と同じ色だそうです。だから、魔法の薬に変わった時を
見て」
今は黒髪に戻っているが、出かける時は夕日のような赤色だった。
でもそれを茶色って言ったの?
セーブルの話を聞いて、ベリテが小さく声を出した。
「そうだね。茶髪じゃないかもしれない」
「なんで?」
「猫たちは人間ほど確実に色を見分けることができない。特に赤は見分けがつかないんだ」
そういえば、犬や猫は色盲だと聞いたことがある。
ベリテが困ったように後頭部を掻いた。
「赤毛を見ても茶色だと思ったかもしれない」
う~ん、確かに曖昧になった。
猫たちが犯人の顔をはっきり記憶できればいいのに。
私も猫たちの顔がみんな似ているように見えるけど、あの子たちもそうだろう。
それでも一応犯人が男だということは分かった。
直接乗り出したのではないかもしれませんがけど・・・。
「あの、ちゃんと見つけられずにすみません」
「いいえ、ブランシュ。本当にすごいことですよ。誰も目撃者を見つけられなかったのですから」
ブランシュはまだ意気消沈していた。
その時、セーブルが静かにブランシュの頭を撫でる。
視線と同じくらい優しい手つきで。
「お母さんの言う通りだ。君のおかげで糸口を掴むことができた」
穏やかな声にブランシュはようやく安心したように見えた。
「あ、、ところでお母さんに・・・、お母さんと言いましたよね?」
そうだね?
あの人が私をそんな風に呼んだことは一度もなかったけど?
セーブルも慌てたように耳が赤くなって言った。
「うん。あなたのお母さんだから」
「えへへ。そうです。私のお母さんです」
いや、ちょっと恥ずかしい。
私がブランシュのお母さんなのは事実だけど・・・。
改めて私がセーブルの妻であり、ブランシュの母親だということを自覚すると妙な気分になった。
なんとなく、ちょっびりむずむずした気分。
彼と視線が合うと、さらに恥ずかしくなった。
ブランシュはじっと私たちを見て席から立ち上がった。
「今日分かったのはそれだけです。私、少し疲れているので、先に寝てもいいですか?」
「あ、はい。お疲れ様でした、ブランシュ。ゆっくり休んでください」
,
「お母さん、お父さんもおやすみなさい!」
ブランシュは私とセーブルの頬にキスをして、さっさと部屋を出た。
その姿は、まるで素早いリスのようだ。
どうしてあんなに急いで立ち去るの?
その時、鏡のネックレスからベリテのささやきが聞こえてくる。
「抜けてやるから頑張って」
な、何を頑張るの?
問い返す前に鏡は静かになった。
いつの間にか部屋には私とセーブル、二人だけが残った。
どう見ても頑張る雰囲気じゃないって!
むしろ余計に恥ずかしいじゃん。
セーブルも気まずそうで、私は喉を整えて口を開いた。
「セーブルも、お疲れ様でした」
「大したことではありませんでした。これからはどうすればいいのか計画を立ててみなければなりませんね」
セーブルの淡々とした声に雰囲気がいつもどおり沈んだ。
そう、今は計画を立てなければならない時だ。
目撃動物がいて良かったですね。
猫を宮殿に連れてきてギデオンを見せてみるのはどうでしょうか?
あまり確証は得られないと思いますが・・・。