こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は153話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
153話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ラエルへの願い
キエルハーンとの会話を終えたマリは、獅子宮に戻る。
ただ皇太子の執務室に向かわず、厨房に向かった。
「子爵様?」
突然彼女が台所に来ると、シェフが驚いた表情をする。
「こちらには何のご用ですか?食事の時間は過ぎたのに・・・」
今の時間は夜8時くらい。
マリは首を横に振りながら言った。
「殿下が最近食欲がないようなので、私が簡単な料理でも作ってあげようと思います」
「あ・・・、そうですね」
料理長はうなずいた。
最近、色々なことが多かったためか、皇太子の食事量は著しく減った状態だ。
彼女が自分で料理をしてくれたらもっと食欲が出るかもしれない。
「いくらでも使ってください。貴重な砂糖であれ胡椒でもなんでも使っていいです」
「はい、ありがとうございます」
久しぶりに台所に立ったマリは、料理道具を手に取りながら考えた。
「できるだけ皇太子殿下の口に合わせて・・・」
マリには複数の料理人の能力がある。
お菓子を焼く能力、パティシエの能力、家庭料理、グランドビーフマスターの腕前。
彼女はそれらの能力を最大限に発揮し、腕を振るい始めた。
(さっぱりして淡泊なスタイルがお好きだから。脂身を抜いた料理をして、以前に
好きだったデザートも一緒に作ろう)
まるでプロのシェフのように彼女の手がさっと通り過ぎると、さまざまな料理が完成していく。
最高の料理人が心を込めて作ったように、見た目も美しくて味も良さそうな料理だった。
「できるだけ綺麗に」
彼女はまるで一つ一つ手を置くように、心を込めて皿に食事を盛った。
「ははは、ほんとうにすごいですね。出来ないことがないと酸っぱく間いていたけど、料理もこんなに詳しいなんて。皇居最高の料理人という名前は今日付けで返上しなければなりません」
獅子宮のシェフが感心しながら言った。
(ワインも持って行かないと)
マリは以前皇太子が好きだったワインをキッチンから取り出した。
「やっばりお酒を少し飲んだほうがいいだろう」
マリはため息をつく。
率直に言って、自分が話を切り出せば、皇太子がどのような反応をするか分からない。
少なくとも喜ぶことはないだろう。
(いや、怒るかも・・・)
彼女は今日、自分が考えた方法を皇太子に話す。
以前の事件の時とは比較にもならないほど危険なことなので、良い反応が出るはずがなかった。
(でも、必ず話さなければならない)
彼女はまるで戦場に出るように覚悟を固め、料理を持って皇太子の執務室を訪れた。
「殿下、お入りになってもよろしいですか?マリですが」
「入ってくるように」
皇太子はいつものように書類を見ていた。
アルモンドは近衛騎士団の仕事を見に行ったのか見当たらない。
「それは?」
ラエルはマリが持ってきた食べ物を見て驚いた表情をする。
一様に彼の好きな料理だった。
「ええと、最近食事が苦手なようなので準備してみました。お口に合うかどうかは・・・」
マリは訳もなく緊張して吃った。
幸いなことに、皇太子は不思議な点を感じず、彼女を優しく抱きしめ、ありがとうと言う。
「あなたが作った料理なのに口に合わないわけがない。とにかくありがとう。ただでさえ最近心が複雑で、お酒でも一杯飲みたかったのに・・・」
「・・・はい」
マリは彼の優しい抱擁にそっと顔を赤らめた。
緊張した状況とは別に、彼の抱擁はいつもドキドキして暖かい。
ラエルは.彼女が作った料理を感心した表情で見て首を横に振った。
「でも、次からはこのように直接料理しないように。君が苦労するのは嫌だから。分かった?」
マリーは彼の腕の中でそっとうなずいた。
二人は執務室に置かれたソファに並んで座り、食べ物とワインを持ち始める。。
「マー、あなたも一緒に持つように」
「はい、殿下」
マリはもともと酒を飲むつもりはなかったが、少しでも和やかに話をするために酒を少し飲んだ。
皇太子は、最近相次いで起きたことで気分が良くないのか、黙々とお酒を飲んだ。
マリはそんな彼が気の毒だった。
いつも揺るぎない姿を見せてくれるが、彼も人間だから心的に大変だろう。
特に、キエルハーンを処刑することに決めたのは、いくら彼でも気が楽ではないだろう。
お互いに深い親友同士だったから。
マリーはためらいながら口を開いた。
「殿下」
「うん?」
「キエルハーン侯爵を助けていただけませんか?」
敏感な、ある意味主題を超える質問だったが、幸い皇太子は怒らなかった。
ただ、そっと酒の勢いに乗った顔で苦々しく微笑を浮かべるだけ。
「難しい」
「・・・」
「私も彼を処刑したくはない。しかし、反旗を翻した人をそのまま超えると、皇権の威厳を正しく保つことができない。仕方のないことだ」
仕方がない、この言葉が彼女の胸に焼き付いた。
ラエルは自分の気持ちよりも大局的な面を優先したのだ。
「それでは殿下、前におっしゃったことを覚えていますか?」
「どんな?」
「私が大きな功を立てたら、一つお願いを聞いてあげるとおっしゃったお話です」
通りすがりに言ったのであまり気にしていなかったが、彼女がその話を持ち出すとラエルは不思議そうな顔をした。
「うん、覚えてるよ。言ってみなさい」
「申し上げる前にお尋ねします。聞いていただけるお願いでしたら、どんなお願いでも聞いていただけますか?」
「当然だよ。前に約束したじゃないか?私は約束を破る人ではない」
マリは深呼吸をする。
この言葉を持ち出すと、彼がどんな反応を見せるか怖かった。
(だけど、この方法以外にはない)
彼女は決心して告げる。
「クローヤン地方に私を送ってください」
「・・・何?」
杯を口元に持っていった皇太子の顔がこわばった。
ありえない話を聞いた人のように。
「今何だって?私が聞き間違えたんだよね?」
マリは震える胸を握りしめながら言葉を続ける。
「6カ月の時間さえいただければ、私がクローヤン地方の混乱を安定させてみます。もし私がそのようにやり遂げるならば、以前の伝染病を解決した功に加えて、その功でキエルハーン侯爵の命を助けてください」
「・・・」
「これが殿下へのお願いです」
クローヤン地方への移動願い。
モリナ王女として治めるつもりでしょうか?
ラエルの回答も気になりますね。