こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は154話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
154話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ラエルへの願い②
話を終えたマリは皇太子の顔色をうかがう。
(やらかした)
彼女が考えるには、すべての問題を解決する方法はこれ以外になかった。
皇帝即位に反対したキエルハーンの命を生かすには、それに相応する功を追加で立てるしかなく、現在としては混乱に陥ったクローヤン地方を安定させる方法だけが唯ー。
昨今の情勢上、帝国で最も重要な地方であるクローヤン地方を安定させる功績といえば、キエルの命を救う名分になることができたからだ。
(そして、私の正体を伝えることができる)
彼女が彼に真実の姿を見せることができないのは、根本的にクローヤン地方が混乱しているため。
もしクローヤン地方が安定すれば、自分がモリナ王女であることを明らかにしても問題になる理由がなかった。
(だから殿下に私の真実の姿を現すためには、クローヤン地方が安定しなければならない)
ただ、問題はこのことが極めて危険だということ。
反乱まで起きた状況で、皇帝の職権を代理する行政官として派遣されれば、どのような危険に晒されるか予想もできない。
ある意味では死地と変わらないところに行くのだ。
(それでもやり遂げなければならない。絶対に)
マリは固い表情で皇太子を見た。
一方、ラエルは固い表情で何も言わなかった。
しかし、それもつかの間、冷ややかな声で口を開く。
「クローヤン地方だって?そこが今どれだけ危険な所なのか分からないはずだが。本気で言っているのか?」
「・・・」
「「本気で言っているのか?」と間いた」
低い声の怒りにマリはつばをごくりと飲み込んだ。
今まで彼が怒るのを何度か見たことはあるが、ここまで怒るのは初めてだった。
マリは目をぎゅっと閉じる。
実際、当然の反応だった。
自分が大切にしている女性が死地になるかもしれない場所に行くというのに、怒らない人がいるのだろうか?
「キエルなのか?今すぐあいつの首を切れば考えをやめるのか?」
マリは驚いて顔を上げる。
もちろんキエルハーン侯爵のためのものでもあるが、殿下と帝国のための心の方が大きい。
彼女は急いで話を続けた。
何とかして彼を説得しなければならなかった。
「現在、ヨハネフ3世の西帝国が虎覗眈々と作戦を立て、戦争を起こす機会をうかがう見ている状況でクローヤン地方は必ず安定しなければなりません。もしクローヤン地方の状況がさらに悪化するとしたら、西帝国との戦争が起きたときにどんな災いが起こるか予想もできません」
マリの言うことは正しかった。
このまま事態が悪化すれば、クローヤン地方は火のついた火薬庫になるだろう。
「クローヤン地方が重要なのは事実だ。でも、あなたが行くのはダメだよ」
「殿下」
ラエルは突然声を上げた。
「あなたは今、私に愛する人を死地に送れと言うのか!」
「・・・」
激しい声にマリは口をつぐんだ。
ラエルはこみ上げる感情を抑えながら、深くため息をつく。
「はあ・・・。あなたは・・・、なぜあなたは私の心を気にしない?あなたが少しだけ目に見えなくても、一日中あなたのことばかり心配しているのに、今度はそんな危険なところまで行くって?」
「・・・殿下」
彼の怒りには彼女に向けられた心配と心が切々と込められていた。
しかし、今回だけは引き下がれない。
キエルハーンだけでなく、彼と自分のためにもクローヤンは安定しなければならない。
「すみません、殿下。それでも必ず必要なことです。何事もなく無事に帰ってくると誓いますので、私の頼みを聞いてください」
ラエルは固い表情で彼女を厳しく見ているだけで、口を開かなかった。
そのように長い間彼女に向かって怒りに満ちた視線を送った後、ラエルが口を開く。
「これ以上聞きたくない。帰れ」
「殿下」
「あなたをこれ以上怒りたくない。命令だから帰ってくれ」
マリーは唇をかんでうつむいた。
今の状況では、さらに話しても逆効果になりそうだった。
「・・・ご心配をおかけして申し訳ありません」
マリは注意深く執務室を出ていく。
ドアを閉めた彼女は目を閉じた。
「神よ、助けてください」
マリが去った後、ラエルは夜遅くまで酒を飲んだ。
息苦しそうに酒を飲み干した彼は、苦しい表情をする。
「マリ、あなたは本当にモリナ王女なのか?」
彼の口からうめき声のようなため息が出た。
「もし君がモリナ王女だったら、その時私はどうすればいいんだ?」
これまで幾度も繰り返してきた苦悩。
深いため息をついたラエルは、先ほどのマリとの会話を思い出す。
「あなたの言ったことに間違いは一つもない」
実際、クローヤン地方を安定させることは、以前から彼が悩んでいたことだ。
クローヤン地方は安定しなければならない。
そうでなければ、今後どのような災いが起こるか分からない。
そして、もし本当にマリがモリナ王女なら、彼女を自分の女性として迎えることが
できる方法は、クローヤン地方を安定させることが唯ーだった。
「・・・それでも私がどうやってあなたをクローヤン地方に送ることができるだろうか。どんな危険があるか分からないところに」
もちろん彼も知っている。
これまで多くの奇跡を起こしてきたマリなら、クローヤン地方でも奇跡を起こすかもしれない。
しかし、あまりにも危険だった。
それが問題だった。
ラエルは彼女が危険にさらされるかもしれないという事実だけでも胸が張り裂けるように痛んできた。
「一体どうすればいいのか」
ラエルは手のひらで顔を覆う。
複雑に絡み合った状況が彼の胸を締め付けてきた。
「いくらなんでも君を行かせることはできない・・・。むしろ私が直接行った方がいい。・・・ちょっと待て、今何て?」
ひらめいたことを考えると、彼は黙り込んで物思いにふけった。
「そうか・・・、これなら・・・」
ラエルはゆっくりとうなずいた。
「この方法なら、すべてを満足することができる」
彼は自分が今思いついた方法を考えた。
クローヤン地方は安定していなければならない。
そして、マリほど相応しい人物を探すのも難しかった。
しかし、だからといってマリに危険を甘受させることはできない。
彼女の指先一つでも傷ついたら、自分には耐えられないだろう。
それなら、自分が今考えた方法ならいいんじゃないかな?
少なくとも彼女に問題が起こるのを防ぐことができるだろう。
「ただ、オルンの反対をどうする?」
彼は苦心して外の近衛騎士に話した。
「オルンを呼んでくるように」
「今ですか?」
近衛騎士はいぶかしげな表情で尋ねる。
今は午前0時に近い時間だったからだ。
「そうだね、すぐに呼んでくるように」
クローヤン地方が安定すればハッピーエンドですね!
ラエルの思いついた方法とは?