こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は155話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
155話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ラエルの決意
翌日、日が昇った後、スオルの塔に閉じ込められていたキエルハーンに思いがけない命令が落ちた。
「キエルハーン侯爵、ボイル宮に出頭していただかなければなりません」
近衛騎士団長のアルモンドが直接キエルハーンを訪ねる。
帝国最強の騎士に対する礼遇だった。
「ボイル宮殿に?」
キエルは不思議そうな顔をする。
ボイル宮は、皇帝が直接罪人を判決する時に使う裁判所。
「侯爵に対する処遇を最終的に決定するとおっしゃいました」
キエルハーンは苦々しい表情をした。
「処刑が決まったんじゃないのですか?」
「私は聞いたことがないのでよく分かりません」
キエルはうなずいて席を立つ。
「分かった。行くよ」
ボイル宮に行くと、意外な人物たちが目に入った。
まず、オルン公爵の姿が。
(カルーアン侯爵とモルペン伯爵もいる。なぜ彼らが?)
キエルは意外な表情をした。
カルーアン侯爵とモルペン伯爵だけではなかった。
さらに、イディアン侯爵、オレオン公爵、ルカム公爵も。
いずれも名高い帝国の大貴族で、先帝侯の一員だった。
(なぜ選帝侯たちが一堂に会している?)
キエルは理解できないという表情をした。
彼とオルンを含めると、なんと7人の選帝侯が集まっていたのだ。
自分を処刑する目的なら、こんなに雄大な人物を招集する理由がないはず。
この7人は事実上、先制後全員が集まったのと同様だった。
彼は混乱しているが、すぐに皇太子が到着する。
「殿下にお目にかかります!」
「すぐに始めるよ」
上座に座った皇太子は冷たく言い放った。
「皇権を凌滅した罪人キエルハーンに対する処罰を決める」
ラエルは無情な口調で話し続けた。
「キエルハーン侯爵は確認できない前皇の遺志を口実に皇位継承者であるラエルの継承に反対するだけでなく、正統性を疑って偉大な皇権を凌滅した。これは洗えない罪だ」
そこまで聞いたキエルは淡々とした目つきをする。
当然死刑宣告が出るだろう。
ところがその時、ラエルが頭を上げてキエルを眺めて意外なことを言った。
「セイトン家の選帝侯の職位を剥奪し、皇室の守護職を剥奪する」
キエルは目を大きく開ける。
今、何と?
「・・・殿下?」
彼の声が揺れた。
当然、死刑判決が出ることを知ったが、そうではなかったのだ。
皇太子は選帝侯たちに視線を向ける。
「先代の後輩たちに聞く。私の判決に同意するのか?」
先制後の職位の選出と剥奪は、他の先制後全員の同意が必要。
それでラエルはこのように直接彼らを判決に呼んだのだ。
「はい、ソビエン公爵家の代表として同意します」
「カルアン侯爵家の代表として同意します」
「モルペン伯爵家の代表として同意します」
選帝侯全員が同意すると、皇太子はうなずいた。
「それでは、先帝侯全員の同意で、セイトン家の先帝侯の職位と皇室の守護職を剥奪する」
判決が下されると、選帝侯たちは礼を表し、その場から退いた。
場内に彼らだけが残るようになると、キエルは震える声で言った。
「殿下、とうしてこんな判決を?」
ラエルは硬い顔で話した。
「マリのせいだ」
「それはどういうことですか?」
「彼女が頼んだ。自分が功を立てるから、代わりにお前の命を助けてくれと」
キエルの目が裂けるように大きくなる。
「功績!?」
「彼女はあなたの命を救うのではなく、クローヤン地方を安定させるための功績を立てることに私と約束した」
その話を聞いたキエルの指先が震えた。
今、何だって?
彼女が自分のために何の約束をしたって?
「こんな決定・・・、受け入れられません」
「・・・」
「マリちゃんをクローヤン地方に行かせるなんて、私は命を失った方がいいです!」
キエルは声を荒げる。
彼は決してこのような結末を望んでいなかった。
死を望んでいたわけではないが、自分の代わりに彼女が危険に処するのなら、いっそ死んだほうがましだった。
「私を殺してください!彼女がクローヤン地方に行くことは決して許されません」
キエルはマリを危険にさらすという決断を下した皇太子に向かって猛烈な勢いで言った。
そばで見守っていたオルンの胸が沈むほど、その勢いは強烈だった。
しかし、皇太子は全く気後れせず、むしろキエルに近づき、彼の胸ぐらをつかんだ。
「黙れ」
「・・・」
ラエルは沸き上がるような目でキエルを睨みつける。
「彼女を誰よりも心配するのは私だ。そしてお前なんかが彼女に対してああしろこうしろと言う資格があるのか?」
ラエルの言葉にキエルの顔色が青くなった。
ラエルは襟元を握った拳にさらに力を入れて声を高める。
「お前のせいで彼女が危険を冒すことになった。そんなくせに何だって?今すぐにでも首を切りたいから黙れ!」
キエルの拳がぶるぶる震える。
「でも・・・、彼女をクロヤン地方に行かせることにしてはいけませんでした。いっそのこと私を殺せばよかったのですか?」
彼女を危険にさらすくらいなら、自分が死んだ方がましだ。
キエルは固く考えた。
「どうして・・・、こんな選択をされたのですか?殿下なら彼女の頼みを断ることができたのではありませんか?」
ラエルはキエルの襟元をつかんでいた手を乱暴に置く。
「もちろん無防備に彼女を行かせるつもりはない。それは狂気の沙汰だ。彼女の安全は確実に守るだろう」
「どうやって?」
キエルは理解できないかのように彼を見た。
しかし、固い決意に満ちた青い瞳に向き合った瞬間、彼はラエルの意思を推測する。
「殿下・・・、まさか?」
彼は皇太子の考えに気づいた。
「そう、君の心当たりが正しい」
ラエルは低い声で言った。
「私は彼女がクローヤン州に行くときに、こっそりついて行くつもりだ」
「・・・」
「後ろで彼女を助けながら守る」
思いもよらないラエルの言葉に、キエルは唾をごくりと飲み込んだ。
「そ、それは・・・」
王位に就く彼が彼女にこっそりついて行くとは、とんでもないことだった。
しかし、ラエルはきっばりと話した。
「現在、帝国にとって最も重要なクローヤン地方だ。君主である私が直接行っても過言ではない」
「しかし・・・、危ないはずです」
ラエルがもしクローヤン地方で正体が明らかになったら?
帝国に反感を抱くクローヤン、全員の標的になるだろう。
「知っている」
「それなのに?」
「私には私の命より彼女が大事だから」
「・・・」
「クローヤン地方でどんなことがあっても、彼女の毛先一つ傷まないように守り抜く」
キエルの命が無事に救われました。
クローヤン地方にラエルも同行するようですが、マリのそばにいたらバレるのではないでしょうか?