こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は297話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
297話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 恋愛観③
食堂には予想通りブランシュが先に到着していた。
「いらっしゃいませ。お母様、お父様!」
ああ、うちの娘は今日も爽やかだね。
明るく微笑むブランシュのそばにベリテが少しぎこちない姿で立っていた。
「・・・お元気でしたか、王妃様。国王殿下」
ベリテのごわごわした姿を見ると、反射的に笑うところだった。
私はなんとか表情を引き締めたまま口を開く。
「お会いできて嬉しいです、ベリテ。今日もブランシュを護衛するのにご苦労様ですね。どうせこうなったから一緒に食事するのはどうですか?」
私はそう言ってセーブルをちらりと見る。
彼は少し不満そうな様子だったが、結局うなずいた。
まもなく使用人たちがベリテの席をセッティングしてくれた。
いずれは、ブランシュの妹も一緒に5人で食事することもできるかな。
ふむ、思わずまた取らぬ狸の皮算用をしてしまったね。
「ベリテ、これを食べましょう。すごく美味しいですよ」
ブランシュはパンの入ったボウルをベリテの方にそっと押した。
ベリテは大きな賞を下賜された人のように感激した様子だった。
「ありがとうございます、お姫様。頂きます」
春だよ、春。
一方ではピンク色の気流が流れる中、私の隣の席は台風注意報が発令された状態だ。
セーブルが穴を開けそうな勢いで二人を見守っている。
彼の青い瞳がじりじりと燃え上がっていた。
この人がこんなに親バカになるとは。
いいのだけど、ご飯を食べている時に胃もたれしそうだった。
デザートまで出てきた後、私は使用人たちを皆退出させる。
私はベリテにかすかに微笑んだ。
「これからは気楽に話してもいいよ、ベリテ」
「うん、王妃様。ありがとう。すごくもどかしかった」
ベリテは息苦しい服を脱いだ人のようにため息をつく。
ブランシュも残念そうに話した。
「人がいるところでもベリテと気楽に話せたらいいのに・・・」
「私は大丈夫。今でも十分いいから。ブランシュのそばにいれるだけでも嬉しいよ」
2人が楽しく話しているのを見ると、水を飲むだけでも口の中が甘かった。
その時、セーブルが静かに口を開く。
「ところでベリテ。あなたの身辺についてだが」
ベリテの身の回りの話が出ると、二人の子供がセーブルを見つめた。
彼は静かにティーカップを口元に持っていきながら言った。
「あなたの記憶を取り戻すまで時間が少しかかるだろうから、むしろ妖精王国スレビエンの方に君の事情を話して助けを要請するのはどうかと思うが」
ふむ。
確かに妖精王国の方に要請をすれば、ベリテの家族たちを簡単に見つけることができそうだが、ベリテがセーブルをちらりと睨んだ。
「国王様、私を追い出そうとしているんじゃないよね?」
「もちろん違う。あなたの安否を心配してそうしているだけだよ」
この人は、もう嘘も図々しい顔で上手いね。
ベリテが少しため息をついて口を開いた。
「それも悪くない方法だが、まだスレビエンには行けない。私がどうして閉じ込められたのか分からないから」
「その通りです。私もベリテを今すぐスレビエンに送るのはちょっと危ないと思います」
ブランシュは心配そうな顔で会話に割り込んだ。
ティーカップをいじる手が少し不安そうに見える。
「妖精たちの魔法のレベルがどれくらいかは分かりませんが、ベリテにかかった呪いはかなり強力なものだと聞きました。しかも2つも」
ブランシュの言葉通り、ベリテにかかった呪いは尋常ではなかった。
そんな高度な魔法を2つもかけるくらいなら・・・。
私は黙々と話を聞いて口を開く。
「こんな呪いを受けるくらいなら、ベリテが普通の人物ではなかったはずです。非常に大きな恨みを買ったか、それともとても重要な人物だったのではないかと思いますが・・・」
ベリテが時々ふざけることはあるが、このような酷い呪いを受けるほど悪いことをしたとは思えない。
それなら後者である可能性が高い。
ベリテの魔力を見ると、大魔法使いのような人かもしれない。.
童話ではどうだったっけ?
私は呪われた登場人物たちを思い出した。
「美女と野獣」の野獣は確か王子で、「カエル王子」は文字通り王子。
「白鳥王子」も王子で・・・、あれ?
「この前、ナディア王女が妖精王国の王子が行方不明になったと言いましたよね」
おとぎ話で呪われた人の多くは、王女や王子だ。
平民の端くれは呪いもかけられない世の中。
私はベリテを見ながら言った。
「もしかして、ベリテが王子である可能性はないでしょうか?」
王子という話にみんなの視線がベリテに向かう。
デザートを食べていたベリテがそのまま凍りついた。
「そ、そんなはずないじゃないか」
声に戸惑いが色濃くにじんだ。
ベリテは冗談でも聞いたように笑って見せたが、なんとなくこわばった微笑だった。
「私がいくらハンサムで頭がよくて能力があっても王子だと思う?」
ふむ、その通りだから縁起が悪いとも言えない。
そんな中、ブランシュは浮かれた顔で話した。
「そうかもしれない!もしナディア様でしたら、ベリテが王子様なのか確認していただけますか?」
「とりあえず聞いてみます」
もしナディアがベリテを調べるなら、呪いを解くことができなくても身分を確認することができるだろう。
心が少しずつ浮き上がってきた。
ベリテが妖精の王子だったらどんなにいいだろうか?
ベリテもやはり最初は慌てたが、何を考えたのか表情が少し緩んでいる。
「王子、私が王子だったらいいな」
そうだね。
王子様なら、ブランシュと結婚する時、誰も文句を言えないよ。
いや、何かを言える人がいるだろうか。
和気あいあいとした雰囲気の中で、セーブルは何とも言えない複雑な表情をしていた。
ベリテが本当に王子であることが明らかになれば、どんな表情をするだろうか。
私はまだ来ていない未来を想像しながらデザートを一口食べた。
暖炉では薪がパチパチと音を立てながら燃えていた。
ナディアは遠く離れた所で、その炎を眺めている。
実際、ナディアは暖炉があまり好きではなかった。
地上の冬は深海より暖かく、火を起こすと空気が乾燥して鱗がカサカサしてしまう。
パノも沈黙していたが、不快な気配が満ちていた。
彼はそっとささやいた。
「王女さま、火を消しましょうか?」
「いや、人間は寒さに弱い」
「特に寒そうには見えませんが」
パノはソファを占領しているカリンをちらりと見た。
彼女はぽっちゃりした顔で黙って刺繍をしている。
クリノリンのドレスはとてもかさばるので、3人用のソファを独り占めしていた。
王女が侍女の顔色をうかがう奇怪な状況。
寒さも寒さだが、表情のせいでなおさらだった。
カリンは声を失った人のように無口だった。
一日中機械的に手を打つだけ。
頭の中がすっかりぐちゃぐちゃだった。
針がどこに入って、出てくるのかさえも視野に入らなかった。
(私は一体どうすればいいんだろう)
数日前、父と交わした会話が耳元を離れないでいた。
傷が膿んで腫れ物になって膨らむように、胸の中の不安もますます大きくなっている。
昔からアビゲイルが怪しいという噂は、宮殿のあちこちから少しずつ流れていた。
しかし、普通は気にせず埋めようとするその小さな火種をストーク公爵が対話に育てようとしているのだ。
何人かの使用人を手配して噂を膨らませ、大臣たちの間でもそれとなく毒を解いている。
アビゲイルが怪しいんじゃないかと。
カリンは参加したくなかったが、手をこまねいていることもできなかった。
ストーク公爵が大声で叫んでいたことを今でも鮮明に覚えている。
『この品物を王妃のドレスルームにこっそり持ってきておけ。できるよね?』
『お父様、私はこんな仕事したくない・・・』
『いつまで馬鹿なことを言うつもりなんだ、カリン。もし今回も失敗したら、あなたをモルカの老公爵に嫁がせる』
カリンは先に嫁いだ姉たちを思い出す。
結婚適齢期の終わりに至るたびに、父は身分の高い貴族たちに娘を送った。
公爵が考慮するのは財産と権力だけ。
その他には彼の関心事にはならなかった。
祝福を受けて当然の結婚式の前日、すすり泣きながら自分の境遇を呪っていた姉たちを見たのが何度だったのか。
そして今はカリンの番が来た。
彼女は選択しなければならなかった。
父の命令に従うのか、それとも姉たちの前轍を踏むのか。
カリンは歯を食いしばる。
絶対にお姉さんたちのようにはなりたくなかった。
(どうせ王妃様は私の面倒を見てくれないのに、私が献身してみても何の役にも立たない?)
葬儀場でセイブリアンにキスするアビゲイルを見たとき、カリンは明らかに挫折感を覚えた。
二人の間に絶対に割り込むことができないということを、その日悟った。
自分が20歳になっても、アビゲイルは面倒を見てくれないだろう。
だから父親の命令に従って箱をドレスルームに持ってきたのも仕方ないことだ。
中に何が入っているかは分からないが、父は大したものではないと言った。
だから・・・。
ヴェリテが王子である可能性は濃厚ですよね。
仮に王子だとしても、現状ではブランシュとの結婚は難しいのでは?
アビゲイルもかなり浮かれている様子。
一方で、カリンが持ち込んだ箱の中身も気になりますね。