こんにちは、ちゃむです。
「あなたの主治医はもう辞めます!」を紹介させていただきます。
今回は65話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
65話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side アルガ・エイト・フェレルマン
狩猟大会6日目になる日。
早く出発すると言ったのに、結局ほとんど最後に到着してしまった。
これ以上遅れると日が暮れてしまいそうで、アルガは使用人たちに馬車を引いてゆっくり来るように指示を出す。
北部から医学書や珍しい草などをたくさん載せてきたからだ。
そして、自分は馬に乗って山を横切る途中。
セイリンが狩猟大会で会おうと言ったのはかなり不思議なことだった。
シオニーが死んでから、もともと社交的な性格ではなかったセイリンは、なおさらこのような行事に顔を出さなかったからだ。
調べてみたら、リチェとエルアンも狩猟大会に参加しているという。
「よく成長したのだろうか?」
彼が見たエルアンの最後の姿はまだ13歳の時。
血が出るほど下唇を噛みながら苦痛にもがいた幼い日のエルアンが思い出され、彼は少しため息をついた。
かろうじて生き返らせることがすべてだった、親友の弱々しい息子。
不安そうな目つきから「愛情欠乏」を読んだが、これといった解決策は考えられなかった。
オルガには、どこかでどのように過ごすか分からない彼の娘がはるかに大切だったためだ。
とにかく早く狩り大会の本部に駆けつけ、リチェに会うことを考えていた彼が突然止まったのは、突然首に剣がかかった時だった。
「あ」
低い声が聞こえ、剣は直ちに降りる。
「フェレルマン子爵だったのですね」
アルガは一瞬の出来事にしばらく気が抜けていた。
誰かがこのように突然近づいてきて剣を狙うことも知らなかったし、気がつく前におさめる速度に追いつくことができなかった。
(なんでよりによってここで・・・)
アルガは自分の前に立っている青年を見て、しばらく言葉を失う。
瞬間的に彼が心の中でつぶやいた名前は「ケイラン・ダレン・セルイヤーズ」だった。
カラスのように真っ黒な髪の毛に白い肌、丈夫な体にあふれる冷たい空気まで、先代の公爵である彼の昔の友人にそっくりだ。
しかし、たった一つ、長く伸びた目元だけは誰が見てもイザベルだった。
「・・・エルアン様ですか?」
エルアンは無頓着な表情で剣をさやに入れた後、舌打ちをする。
「大人しく決められた道を、どうして自分の身ーつも守ることができないのに進んでいるのですか?」
どこかいじけていた幼い日の口調とは全く違う。
生意気ながらも傲慢な言葉遣いに、アルガは瞬間的に気分がはっきりした。
「私のおかげで命が助かったのに、昔のことは覚えていないようですね。イルビアで体だけ大きくて頭は退化されましたか?」
彼もやはり毒舌ではどこへ行っても負けなかったので、鋭く言い返す。
「等価交換の法則がこんなによく成立される分で大きくなるとは」
「フェレルマン子爵もまた、言葉で等価交換が本当にうまくいく方ですね」
エルアンは不満そうな声で黒馬の上からアルガを見下ろした。
少年は5年間でアルガよりも背が高くなっていた。
「リチェ・エステルを連れてきて、とても気に入ったと思ったら・・・」
彼の目は非常に輝いていた。
「・・・代父だなんて、まったく」
アルガは呆れるばかりだった。
5年ぶりに会う父親の友人であり、自分の主治医に言う言葉が冷たい。
「私が今、助けてあげるから、必ずこの恩恵を覚えておいてください」
エルアンは面倒くさそうに黒髪をなでながら言った。
「後でリチェの代父だからといって、私を煩わせないでくださいね」
「誰が誰を助けるというのですか?」
アルガは鼻を嗚らし、手綱を握る。
医者である彼は、当然、剣術や狩猟に長けていない。
それでも決まった道をうまく走って無事に本部に到着できる能力はあると思っている。
エルアンの一方的な無視にさらに気分を害した彼は冷淡に言った。
「私は自分の道を行くから、エルアン様は熊を捕まえようがオオカミを捕まえようが勝手にしてください」
「何も分からなければ、黙って、おとなしくここに隠れていてください。すぐ刃傷になりそうだから、そこに巻き込まれて死なないように」
二人の男の視線が空中でぶつかる。
頑固なアルガの表情を見たエルアンが少しため息をつき、いらいらするようにつぶやいた。
「隠れたくなければついて来てください。面倒だと思いますが、子爵様くらいなら生かせますから」
アルガも負けられないかのように返そうとした時、遠くで剣がぶつかる音が聞こえ始める。
狩りをする時に聞こえる音ではなかった。
しかも、ここは非常に人里離れた絶壁を横に置いた辺境。
エルアンはため息をついて手綱を握ったまま走り出す。
彼は狩猟大会で反乱軍がジェイドを暗殺する計画を立てる可能性があると考えていた。
そのため、密かにジェイド周辺に滞在したりもした。
彼が今まで1位を守っている理由は、そのついでにジェイドの獲物たちを先に殺したため。
あえてジェイドを守るというより、反乱軍を根こそぎにしてしまおうとして、彼は静かに一人で待っていたのだ。
ジェイドが自分でうまく解決するという信頼が少しもなかったためだ。
彼にとって反乱軍とは、リチェをいらだたせた彼らの背後勢力という意味でしかない。
そしてついに今、襲撃が起きたようだった。
すぐに姿を消すエルアンの後ろ姿を見て、アルガはしばらくためらった後、彼についていく。
エルアンの言う通り、切り傷がついていた。
いたずらに動いて目撃者扱いされて殺されることもある。
自尊心を傷つけて隠れているより、何が起こるかは見なければならないという気がした。
全速力で駆けつけた襲撃現場の中心には、銀髪の青年の姿が。
「皇太子様?」
アルガは驚いて口を開いた。
ジェイドを中心に多数の暗殺者が集まっている。
急いで周囲を見回したが、彼を守ることができる人員が誰もいなかった。
「どうかしてるな。皇太子様が護衛もなしにこんな人里離れたところに一人でとは・・・」
アルガが誰かに助けを求めようとすると、エルアンは彼の手首をぎゅっと掴んだ。
「無駄なことをして、訳もなく捕まるのではなくここにおとなしく立っていてください」
「無駄なこと?しかし皇太子様が・・・」
「二人なら十分ですし、大げさに言うのはやめてください」
その後の出来事はアルガにとってかなり衝撃的だった。
護衛がいないのはエルアンも同じ。
しかし、エルアンはためらわずに剣を抜いたまま暗殺者たちの群れに飛び込んだ。
アルガは木の後ろに隠れて、その虐殺をじっと見つめる。
エルアンの言葉はホラではなく、皇太子とエルアン2人だけでも数十人の暗殺者たちがあっという間に粛清されていった。
エルアンが剣にきれいに血をつけるのを見て、アルガは再び衝撃に陥らなけれはならなかった。
「まるで若い頃のケイランを見ているようだ。いや・・・それ以上に酷いが」
敵を排除する速度があまりにも非現実的で、緊張さえしなかった。
「セルイヤーズ公爵!」
ジェイドは満面の笑みを浮かべ、3人の男を一度に殺した。
「すごい忠臣だったんだ!今まで気づかなくてごめんね」
「私が護衛ぐらいは連れて行けと言ったじゃないですか?」
もちろん護衛なしに通うのはエルアンも同じだ。
エルアンは情けないように舌打ちをしたが、ジェイドは明るかった。
「護衛がなくてもこれくらいは余裕があるのに!無駄な助けだったが、とにかくありがとう」
「片方の目を、またリチェに突きつけるのではないかと思って来たのです」
「いや、ここは風土病じゃないよ」
「それと反乱軍の根を切りたくて」
「私はセルイヤーズ公爵の忠心を絶対に忘れないようにする。感動的だね」
「忠心ではあるが、その対象が皇太子様なのでという考えはしないでください」
エルアンの態度はあからさまに不敬だった。
その上、ジェイドは攻撃を受けている当事者でありながらも大したことではないという態度。
(皇太子様は、この状況でなんであんなに明るいんだ?)
アルガはこの恐ろしい組み合わせに一人で額を当てた。
「公爵の言う通りだ!私を狙う反乱の群れがあったとは」
ジェイドは最後に飛びかかる暗殺者に剣を突き刺してニヤリと笑う。
「規模も大きいね。どうせみんな死ぬだろうに」
「頭は剣を使う時、重心を取るためにつけているんですか?」
「公爵、君は思ったよりバカだね。頭があってこそ敵を見ることができる。目がついてるじゃん」
「それが頭の最も重要な役割ですか?」
エルアンは呆れたように冷たく皮肉を言った。
彼はすでに2人の首筋を引きずりながらジェイドに近づいている。
「敵を殺してしまったら背後はどうやって追跡するのですか?」
「今度また来たら、また殺せばいい」
「こんなやり方だから海賊掃討に5年かかるのか・・・ちくしょう。その時もただ追いかけて見せたら殺すやり方だったんですか?これといった作戦もなしに?」
「どうして分かったの?」
エルアンは震える暗殺者2人を投げつけ、そのうちの1人の口を開けて剣の平らな面で舌をぎゅっと押さえた。
「背後」
下がった目に感情など載せられなかった。
赤い血がだらだら流れる地の中で、彼はまるで死の神のようだった。
「明らかにすれば助けてあげて、明らかにしなければ、お前の家族まで追跡して皆殺しにする」
アルガは慎重に木の陰から彼を見る。
「口を閉じても他のやつが吹いたら・・・お前が吹いたとあちこち全部知らせるよ。そうしたら、お前の主人がどのように反応するか、お前の方がよく知っているだろう」
二人を捕まえておいて互いに裏切りを促す、もっともらしい方法だった。
刺客一つの腰をぐっと踏んでいる彼の姿を見て、アルガは過去を思い出す。
(ケイロンによく似ているね。業務能力まで似ているなら、セルイヤーズ公爵領は第2の復興期を迎えるかもしれない。あの悪い性質を13歳まで抑えて生きていたなんて)
先代のセルイヤーズ公爵、ケイレンは確かにいろいろな面で優れた指導者だった。
人間味がないほど完璧だった。
ただ一つ、自分が完璧だったので、他人の欠点も我慢できず、少し性質が汚かった。
(ところで皇太子にするのを見ると、自分の父よりもっと狂っているようだが)
その時だった。
エルアンの左手にあった指輪が輝き始める。
剌客を殺すかのように脅迫していた彼の表情が一変した。
彼は急いでポケットからハンカチを取り出し、二人の刺客の口に押し込んだ。
「舌を噛まないように」という轡の役割をするだろうが、過度に急でごつい手ぶりだった。
そうして首筋をつかんで、順に呆然としていた皇太子に投げてしまった。
「直接怒って最後まで突き止めようとしたんですが、今リチェが呼んでいるので、私の優先順位がはっきりしています」
「リ、リチェ嬢が?」
「頭を使って自分で突き止める能力がなければ、このまま逹れて行って副官に渡しましょう。とにかく、ただ殺して仕事を最悪の能率にしないことを願います」
彼は黒馬にさっと乗り込んだ。
「誰かが私のことを聞いたら、膝が痛くてリチェのところに行ったと言って」
そして、どこかに向かい始める。
アルガも周囲をぐるりと見回して馬を走らせた。
明らかに彼はリチェだと言った。
とにかくアルガが会わなければならない人もリチェだったので、急いでエルアンについていくしかなかった。
ジェイド皇太子は想像以上の脳筋のようです。
ですが、とりあえず暗殺の危機は免れた?
リチェが指輪を反応させた理由が気になりますね。