こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は140話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
140話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 愛称
ビビ。
その愛称は何度も聞いた。
ヴェリテが何度も呼んだときは何の感動もなかった愛称だったのに。
けれど、なぜ今はその愛称がこれほどに甘く感じられるのか。
いいや、愛称ではなくセイブリアンの目つきのため?
「ビビ」
彼がその名前を吟味するように、もう一度発音する。
目を閉じてもうっとりしてしまう。
何も食べていないのに口の中に蜂蜜と花の香りが満ちているかのような感覚。
その声に、その視線に溶けてしまいそうだった。
顔が熱くなる。
私はやっと呼吸を取り戻した後、ワンテンポ遅れて答える。
「・・・はい、殿下」
私が答えると、セイブリアンの無愛想な口元が狐線を描いた。
彼の笑顔を見ると心臓が溶けてしまいそうになる。
「あの・・・、殿下の愛称は何ですか?」
うわあ、恥ずかしくて我慢できない。
雰囲気を少し換気しようと素早く話題を変えた。
愛称という言葉にセイブリアンが興味深い表情を浮かべる。
「愛称ですか?」
「は、はい。私も殿下を愛称で呼べればいいなと思って」
「そうなのですね・・・」
あれ?
何か問題があったのかな?
セイブリアンは少し困った顔で話す。
「私には愛称がありません」
「幼い頃に呼ばれたのも?」
「はい」
彼は淡々と話した。
特別にそんなことが必要なかったかのように。
普通、王といっても幼い頃は幼名や愛称の一つくらいはあるはずなのに。
愛称がないなんて・・・。
何て呼べばいいかな?
私はしばらく悩んだ末に口を開いた。
「殿下、それじゃあ私が作ってあげましょうか?」
「あなたがですか?」
「はい。命名のセンスはありませんが___」
「お願いします」
セイブリアンが暗闇の中で微笑む。
とても嬉しそうに。
こんなにも期待されているので、下手な愛称は作れないわ・・・。
どんな愛称がいいかな?
リアン?
セーブルもいいと思う。
そういえば彼の名前には黒を意味する単語が入っていたよね?
セーブルは黒色の一種だ。
チラッとセイブリアンの顔を見る。
彼のベルベットのような髪色は名前とピッタリ合っていた。
「それじゃあセーブルはどうですか?」
「セーブル?」
セイブリアンはその単語を発音して少し困った様子に。
しかし、すぐにうなずいた。
「あなたがよければ、その名前でいいです」
「もしかして気に入りませんでしたか?」
「気に入らないわけではありません。だけど、先王がクロテンを見て私の名前を取ったということを思い出したので」
クロテンを思い浮かべると、辛うじて我慢していた笑いが爆発してしまった。
細長い体に丸みを帯びた顔と目を持つクロテン。
何だかセイブリアンと似ているように思う。
セイブリアンの頭上に黒トンビの耳がポンと現れるのを想像すると、笑いを止めることができなかった。
「アビゲール?どうして笑うのですか?」
「いいえ、すみません。先王殿下の目には生まれたばかりのセイブリアン殿下がとても可愛く見えたんだなと思いました」
大声で笑っていると、彼が淡々とした口調で言った。
「そうですね。大きな意味もなく付けられたと思います。レイブン公爵の名前も黒いカラスから取ったものですから」
先王の命名センスは面白いわね。
「いいえ、きっと幼い殿下がクロテンのように愛らしくて、そんな名前をくれたのでしょう。今もこんなに愛らし___、あ、失礼しました・・・」
失敗した。
セイブリアンに愛らしいと言ってしまうなんて。
彼も少なからず驚いた様子だ。
どうしたんだろう?
愛らしいという言葉の代わりにカッコいいと表現すれば良かった!
男性はこういう表現が好きじゃないだろう。
やっと雰囲気がほぐれると思ったのに、また失言してしまった。
はぁ、どうしたらいいかな?
熱心に頭を回転していたとき、セイブリアンが口を開いた。
「セーブルという愛称、いいと思います」
「え?」
「気に入りました」
え?本当に?
黒獅子や黒豹なら分からないこともないけど、クロテンという愛称が気に入ったの?
けれど、彼は本当に気に入っているようだ。
満足げに上がった口元が可愛い。
ああ、本物のクロテンみたいだね。
何となくセイブリアンを撫でたくなってしまう。
しかし、これ以上反逆に準ずる罪を犯すことはできなかったため、自分の欲望を抑える。
「それでもセーブルは、ちょっとあれじゃないですか?」
「少し恥ずかしいですが、あなたと一緒にいる時は大丈夫だと思います」
本当に大丈夫なの?
しかし、セイブリアンの言葉は空言のようではなかった。
「だから呼んでください。あなたが決めてくれた名前を」
彼はじっと私が名前を呼ぶのを待っている。
しばらく躊躇った後に口を開いた。
クロテンの毛を撫でるように、優しい声で。
「セーブル」
「はい、ビビ」
今日に限ってなんでこんなに暑いの?
ただ名前を呼ぶだけなのに恥ずかしくて無駄に笑ってしまう。
「じゃあ、もう寝ましょうか?・・・セーブル」
「はい、ビビ。夜も遅くなったので、もう寝ましょう」
セイブリアンは照明を消した後、布団の中に入った。
私たちは自然に手を握り合う。
取り合った手を通じて誰かの震えが伝わってくるようだった。
「おやすみなさい、セーブル」
「おやすみなさい、ビビ」
優しい夜の挨拶をした後、私は目を閉じる。
そして心の中で私の愛称を繰り返した。
ビビ。
自分の愛称が甘いと初めて知る。
目を閉じても世界中が明るくて暖かい感覚。
ビビという愛称が、セイブリアンの声が、取り合った両手が暖かくて、私は夜遅くまで眠れなかった。
甘い!
甘過ぎます!
クロテンで検索したら可愛い動物が出てきました(笑)