こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は141話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
141話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- レクイエム
side ギドオン
鍵盤の上の指が流麗に動いていた。
巨大なピアノから流れる音律は雄大で陰惨。
ギドオンは強張った顔で鍵盤を見下ろしていた。
イライラした表情で。
彼が弾いている曲はこの前王妃に献上した曲。
あの時と比べると、かなり荒々しく乱暴な演奏だが・・・。
ブランシュ王女を懐柔しようとした刹那、アビゲールに仕事の邪魔をされてしまった。
もう少し押せば上手くいったはずなのに。
その場面をアビゲールが目撃しなかったのが幸いだ。
そして予想外なことに、アビゲールが自分を気に入っているということも。
「ううん・・・、ギドオン様?」
ベッドに横になって浅い眠りについていた女性が体を起こす。
服ひとつ纏っていない裸身だった。
ギドオンは女性に向かって視線を一度も向けない。
先ほど身を混ぜた相手だったが、欲情はすでに解消されている。
「いい曲ですね」
女はそっとギドオンに近づき、彼の首に腕を巻いた。
気怠くて愛嬌たっぷりの声が聞こえてくる。
「この曲はどんな曲ですか?」
その瞬間、ギドオンが鍵盤を拳で叩きつけた。
その音に女は驚いて思わず後退りする。
彼は微笑んでいた、獣のように歯を剥き出しにしたまま。
ギドオンの眼光がヒヤリと輝く。
「レクイエムだよ」
王妃のためのレクイエム。
まだ完成していないが。
いつか完全なこの曲を王妃に捧げよう。
いいや、その頃には自分が直接演奏する必要もないだろう。
女は不安な視線でギドオンを眺めていた。
彼はそぶりを見せずに再び演奏を始める。
私は日当たりのいい窓辺に座って遠くを眺めていた。
今日に限って空が晴れている。
人の胸を躍らせる天気だ。
こんな日はピクニックに行くのもいいだろう。
今日のティータイムはブランシュを外に誘おうかな?
セーブルも一緒ならいいのだけど、彼は忙しいかもしれない。
そのように午後の計画を考えていると、私はふと誰かの視線を感じた。
横を振り向くとクララが私を見ている。
「クララ?何かあったの?」
「いえ、特には。何だか最近、王妃様の雰囲気が変わったなと思いまして」
彼女は何がそんなに嬉しいのかニヤニヤ笑っている。
何が変わったのだろうか?
見当がつかないでいると、クララが言葉をつづけた。
「最近、すごく綺麗になったと言えばいいのでしょうか?もちろん、以前からお綺麗でしたが!最近さらに美しくなったと思います!」
私が綺麗になった?
予期せぬ言葉に戸惑う。
もちろんアビゲールの顔は美しいが、綺麗という言葉は私にとって最もぎこちない称賛の一つ。
前世では空言でもそんな話を聞いたことがないのだから。
美しい、綺麗、魅力的。
アビゲールになってからは絶えず聞く賛辞だったが、ぎこちなく感じるのは相変わらずだ。
「そうなの?化粧水が肌に合っているのかしら?」
「うーん、何か顔が生き生きしています。機嫌も良さそうですし。ひょっとして・・・」
クララは微かな微笑を浮かべた。
「セイブリアン殿下との夜が・・・?」
「何言ってるの!セーブルとはそんなことしていないわ!」
「あら!愛称で呼んでいるのですね!」
思わず口から彼の愛称が流れてしまった。
この頃、二人きりでいる時はいつも愛称で呼んでいるので、つい口に出してしまったのだ。
クララが嬉しそうに微笑んでいる。
その時、いつの間にか横に近づいてきたノーマがクララの頬をグイッと引っ張った。
「ノ、ノーマ様!ひ、ひたいです・・・!」
「クララ。王妃殿下にそんな無礼な言動をして」
ノーマが鋭い声で指摘した後、頬を離した。
クララがうつむいている。
「申し訳ありません、王妃様。注意したいと思います・・・」
「私がクララを上手に教えたいと思います。どうか慈悲をお願いします、王妃様」
隣に立っていたノーマまで腰を深く下げた。
うーん、クララはちょっと憎たらしいけど、それでも悪い子じゃないから大目に見てあげないとね。
「許すわ。二人とも頭を上げて」
「慈悲に感謝します、王妃様」
「ありがとうございます、王妃様」
クララが先ほど叱られたことを忘れているのかヘラヘラ笑っていると、ノーマが彼女の脇腹を突いて注意する。
「クララの表現は上品ではありませんでしたが、最近国王殿下と王妃様が非常に親密で多くの人々が喜んでおります」
「そう見える?」
ふむふむ、なんだか照れ臭いけれど、ちょっと嬉しかった。
他の人の目にも、私とセーブルが仲良く見えると言われるのは嬉しい。
彼がヴェリテのことで私を嫌いになるのではないかと心配だったが、むしろより一層仲が良くなって幸いだった。
ギドオンは予想通りの悪者ですね。
彼の狙いはブランシュとアビゲール?
ストーク公爵も関わっている可能性が高いですね!