こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は273話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
273話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 秘密の告白
しばらくして、ヴェリテが執務室の鏡壁に姿を現した。
彼が心配に満ちた目で私たちを見ている。
「話した?」
「いいえ、まだよ」
「じゃあ、今まで何の話をしていたの?」
「えっと、ちょっと急用があって」
子供は知らなくてもいい急用があるのよ。
不思議そうな表情になったヴェリテに背を向けたまま、私はセーブルを見つめた。
「さっき、殿下が呪いにかかったリンゴを食べて、仮死状態に陥ったと申し上げたじゃないですか」
「ええ、そうですね」
その言葉に、ヴェリテはさらに不安な顔になる。
私は静かに話を続けた。
「この前ナディアの呪いに気づいたのはヴェリテだと言いましたが、実は・・・、それは私なのです」
「ビビ、あなたがですか?どうやって?」
先ほどの春のような空気はいつの間にか蒸発していた。
「私に魔力の祝福が赦されたのです。今まで隠していたのは・・・」
私はゆっくりと空中に手を伸ばす。
何だか水の流れを切り裂くように、空気が重く感じられた。
「私の魔力の色のせいです」
部屋の中の空気が徐々に沈んでいくのが感じられた。
そして矢が手のひらを貫通し、その穴から血が溢れ出すように黒い魔力が漏れ出す。
誰かがインク瓶を割ったように、執務室の床の上が黒くなっていく。
それと同時にセーブルの両瞳が混乱に陥った。
あんな表情は初めて見る。
差し出していた手をギュッと握ると、魔力は再び私の中に流れ込み、床に落ちたものは灰のように固まって散らばってしまった。
セーブルは信じがたいかのように、驚愕の目で床だけを見下ろしている。
彼の目はすぐに割れるガラスのように震えていた。
・・・私の予想よりもっと驚いているようだ。
黒い魔力が持つ恐怖感が一体どの程度なのか見当がつかない。
まさか、さっきのキスが私たちの最後のキスになるのだろうか。
不安と沈黙が黒い泥のように溜まっていた時、ヴェリテの緊迫した声が聞こえてきた。
「セイブリアン!とりあえず私の話を聞いて!」
セーブルと私が鏡の方を見ると、ヴェリテの顔には珍しい緊張感が漂っていた。
あんな表情を見たことがない。
どんな状況でも、いつも余裕だったヴェリテが。
「セイブリアン、いいや、セイブリアン殿下。私と以前にした約束を覚えていますよね?」
それに敬語まで?
この子、本当にうちの鏡なの?
誰かがハッキングしたんじゃないよね?
セーブルは眉をひそめて口を開いた。
「何の約束を言ってるの?」
「私に借りを一つ持たれたことです」
「借り」という言葉にセーブルはうなずく。
一体二人の間に何があったのだろうか。
ヴェリテは唇を噛み締めて哀願する顔で言った。
「あの時の借りを今返してください。どうかアビゲールを処罰しないでください。彼女は何も悪いことをしていません」
その言葉にセーブルさえも驚いた様子だ。
いつも堂々として暴れん坊なヴェリテ。
私と初めて会った時も所信を曲げなかった鏡だったのに。
そんなヴェリテが、こんな風に低姿勢に出るとは夢にも思わなかった。
それも私のために。
ヴェリテが切実な視線でセーブルを眺めながら話を続けた。
「黒い魔力が危険なのは知っています。ですが、人が危険なわけではないじゃないですか。もちろん、顔は危ないですが・・・」
そうそう、顔は危険・・・、え?
「アビゲールの顔を見ると、呪いで一人や二人を殺したと思うかもしれませんが、彼女は潔白です。誓うことができます。だから・・・」
ヴェリテはうつむいた。
「どうかアビゲールを処罰しないでください。あの時の借りを、今ここで返してください」
暴言を聞いたかもしれないが、ヴェリテが自尊心を捨てながら私を保護しようとしていることだけは分かった。
セーブルも「意外」という目で鏡を凝視している。
「正直、ちょっと驚いた。君がそんなことを言うなんて」
「借りを返してくれますよね?」
「その必要はない」
その声はナイフのように冷たく聞こえた。
ヴェリテの両目が裏切られた気持ちに陥り、鋭くセーブルを睨んだ。
「え?約束を守らないのか?このちっぽけな奴め!おい、アビゲールに触れてみろ!私がタダじゃおかないからな!」
私は慌てて鏡の前に立ちはだかった。
「殿下!ヴェリテは口癖が悪いけど悪い子じゃないわ!ただ私のことを心配して・・・」
「だってセイブリアンが・・・!」
「ちょっと静かに」
このままじゃ、一人で死ぬんじゃなくて二人で死んじゃうよ!
口があれば塞ぐこともできるけど、鏡なので塞ぐ方法がなかった。
セーブルは呆れたように私たちを見てため息をつく。
「反省しなければなりませんね。私の信頼度がかなり低いようです」
幸い、彼はヴェリテの暴言を聞いても、特に怒っているようではなかった。
彼は少し苦々しい表情で口を開く。
「とりあえずヴェリテ。あえて借りを返せと言わなくても、私はアビゲールを処罰する気はない」
「本当に?」
ヴェリテの顔が一気に明るくなった。
「やっぱりセイブリアンだね!賢明な王様!善良な君主!ハンサムで格好良くて可愛いよ!」
「黙れ」
セーブルが睨むと、ヴェリテはすぐに知らんふりをする。
そんな彼が可愛くもあり、ありがたくもあり、思わず笑みがこぼれた。
ヴェリテがアビゲールを庇ってくれるのが嬉しいですね!
セイブリアンは最初からアビゲールを処罰するつもりはなかったようです。