継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【358話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

358話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 正当な後継者

魔法館の中は重苦しい雰囲気が漂っていた。

まるで災害を逃れた生存者たちの避難所のような空気が流れていた。

魔法館の中には多くの動物たちが集まっていた。

ブランシュのように人の姿のまま逃げ延びた者もいたが、大半が動物にされてしまった人々だった。

本宮から離れた場所にある魔法館まで紫色の魔力が届かなかったのは幸運だった。

小さな彫像は真剣な顔つきでブランシュの膝の上に座っていた。

レイヴンが険しい表情で尋ねた。

「ブランシュ公主様。いったい宮殿で何が起きたのですか?」

「それは……」

ウサギと黒いモフモフがピョンピョン跳ねながら何かを話そうとしているようだった。

人間にはその言葉は聞こえなかったが、ブランシュにはそれがはっきり理解できた。

「お母様とお父様のお話によると、イベールにもお母様と同じ紫色の魔力があるそうです。」

「紫色の魔力……変化の魔力ですね。」

ダリオンはようやく理解が及んだように頷き、小さな彫像を撫でた。

彫像が小さく泣くと、ブランシュはそっとそれを慰めた。

「妖精の子どもたちは生まれた瞬間から魔力の器を満たし始めるそうです。でも、自分で魔力を制御できないので暴走しやすいみたいですね。」

「ぴょん、ぴょん……」

「イベールはお母様の血を受け継いで、かなり強い魔力を持っているみたいです。それで、こんな風に無差別に周囲を変化させているようです……。」

原因はわかったが、解決方法が見つからなかった。

ブランシュはダルリオンに尋ねた。

「ダルリオン魔法長。今この魔法を解く方法はないでしょうか?」

「私たちの側には紫色の魔力を持つ者がいませんので、魔法を解除するのには少し時間がかかりそうです。」

その言葉を聞いたブランシュは白いウサギを見つめた。

ウサギの目が一瞬輝いた。

「お母様、もしかしてお母様が元の姿に戻すことはできないでしょうか?」

「[それが……、子どもを産むことで一時的に魔力が減少してしまいました。回復するには少し時間がかかりそうです。申し訳ありません……。]」

白いウサギは自分が悪いことをしたかのようにしおらしく頭を下げた。

その時、黒いモフモフが近づいてきて頭を撫でた。

「[リリー、リリーのせいではありません。謝る必要はないですよ。]」

「[セイブル……。]」

白いウサギも自分の頭を撫でた。

その愛らしい仕草に、部屋の中の張り詰めた雰囲気が少し和らいだ。

すると、白いウサギが少しだけ頭を上げて言った。

「[イベールの魔法は長くは続かないでしょう。せいぜい数日ほどで解けるだろうと思いますが……。]」

「それでは長すぎます。」

ブランシュの言葉に、黒いモフモフと白いウサギも同意するかのように小さく頷いた。

普通なら笑って済む程度の出来事のはずだった。

しかしここは王宮だ。

「この事実が外国に知られたら、どんな事態が起こるかわかりません。この隙に軍隊が侵入してこないとは限りませんし、もしスパイがこの事実を知ったら……。」

宮殿にいた多くの人々が動物に変わってしまった。

兵士たちも例外ではなかった。

現在、数人しかいないため、宮殿を防衛することも難しい非常事態だった。

「そしてイベールを一人きり、あのホールに置いておくことはできません。」

赤ちゃんではなく大人であれば別だが、イベールは生まれてからまだ一か月も経っていない乳児だった。

食べることもできず、飲むこともできないまま、その時間を乗り越えることは不可能だった。

黒いモフモフと白いウサギの瞳が悲しみに沈んだ。

しかしどうすればいいのか、良い方法が見つからない。

魔力の制御を取り戻そうとした者が逆に動物に変わってしまう事態も発生していた。

音もなく静まり返っていた。

その時、人形が震えながらブランシュの肩に登った。

「[シュー、心配しないで。僕がいるよ!僕が行って、魔力の拘束具を持って戻ってくる。]」

「ベリー、君が?」

「[赤ちゃん部屋にも抜け道があるから、すぐに行けるよ。僕を信じて!]」

その言葉に、ブランシュの顔に生気が戻った。

ベリテの言葉が皆に伝えられると、ダリアは急いで魔力の拘束具を持ってきた。

それは銀でできた小さなリングだった。

ベリテはそれを腰につけ、まるで冒険に出るように小さな抜け道に向かった。

「[すぐ戻るよ!]」

「[気をつけて行ってきてね、ベリテ。]」

ベリテは一息つき、抜け道の中へ入っていった。

ブランシュは小さく息を吐き出し、人々と動物たちを見回した。

ノマは運よく紫の煙に巻き込まれる前に脱出することができた。

ミラードは違ったが。

「[ブランシュ公女殿下のおっしゃる通り、この事実が国外に知られると大変なことになります。殿下、どうすれば良いでしょうか?]」

小さな豚に変わってしまったミラードがノマの胸に静かに抱かれている状態だった。

その言葉に年老いたネズミ数匹がひそひそと話し合いながら同意した。

黒燕尾鳥が真剣に周囲を見渡した。

「[同盟国に助けを求めようにも、この姿では交渉さえできません。しかし……。]」

黒燕尾鳥はブランシュを見上げ、彼女の小さな手に自分の足をそっと置いた。

「[ブランシュ、今この状況を整理できるのは君だけだ。君にすべての権限を委ねる。国王代理の任務を託す。]」

「え?私にですか?」

王妃が失踪して政務を代わりに処理したことはあったが、このように正式に国王代理を命じられるのは初めてのことだった。

「私に、私ができるかわかりませんが……。」

「[君ができると判断して任せたのだ、ブランシュ。]」

普段なら躊躇していたであろう彼女だったが、今日は何故か言葉が出てこなかった。

その間にベリーがカーテンの中から出てきた。

「[魔力の拘束具を持ってきたよ。これで入っても大丈夫!]」

白いウサギが素早く周囲を駆け回った。

まるでイヴェールを救ってくれと言わんばかりに。

ブランシュが安心したようにウサギを撫でると、彼は笑顔でベリーの後を追いカーテンの中へと入っていった。

数時間後、赤ちゃんの部屋は完全な混乱状態となっていた。

元の状態はほとんどわからないほどだった。

ピンクとミントの縞模様に変わった海の上に、無数の果実や不気味に大きい花々が生えていた。

そして、大きなワンドゥコン(※料理の一種)のような形をしたヨーラム(宮殿)の中から泣き声が聞こえてきた。

「イヴェール、イヴェール。お利口さんにしてね。」

ブランシュが慌ててイヴェールを抱き上げた。

言葉は通じないが、イヴェールが怯えていることはすぐにわかった。

とはいえ、それは周りの人々がすべて消えた状態で数時間も放置されていたためだった。

これほど多くの魔力を使ったのに、逃げ出さなかったのは驚くべきことだった。

イヴェールはすすり泣きながらも、ブランシュと目が合うと安心したように笑顔を見せた。

セイヴリアン、リリィ、そして……自分と似た顔だった。

その涙を浮かべた顔。それは、自分もこんなふうに泣いていた頃の顔だった。

「この子は私の弟なんだ、私にも家族がいる。」

そう考えると、ブランシュは自然と微笑みを浮かべて言った。

「私の弟は、本当にいたずらっ子だね。」

イヴェールは何がそんなに嬉しいのか、キャキャと笑いながらブランシュの指を掴んで揺らしていた。

ブランシュは弟をしっかりと抱きしめた。

「お腹が空いた。さぁ、行こう。」

「うーん……!」

ブランシュは急いで魔法館に戻り、侍女たちにイヴェールを託した。

侍女たちはすぐにイヴェールにミルクを与えに行った。

白いウサギはそれを見届けて安心したように地面にペタリと座り込んだ。

言葉には出さなかったが、誰よりも心配していたのはリリィだった。

「とにかくイヴェールは安全です。これから一つずつ解決していきましょう。まずは魔法館の魔法使いたちはベリテにかかった魔法を解くことを優先してください。」

「え? セイヴリアン殿下や王妃様ではなく……?」

「ベリテを特使として送り、妖精たちの助けを受けることになるでしょう。その地には紫の魔力を持つ妖精もいるはずです。そして……」

ブランシュは冷静に指示を出した。

混乱していた人々もその冷静さに触発され、迅速に行動を開始した。

黒燕尾と白いウサギは、体をぴったりと寄せ合い、その様子をじっと見つめていた。

彼らの目には誇りが宿っていた。

そのとき、年老いたネズミたちが集まり、囁き合っていた。

一匹が深く感慨深そうに言った。

「[まさかイベール王子様がこのような魔力を持っているとは。本当に驚きです。]」

「[これほど強力な魔力を持つ方が王になるのなら、その存在だけで他国への警告になるでしょう。]」

「[まだお若いですが、セイヴリアン殿下の血筋を引いておられるので、むしろ幸運です。]」

ブランシュの肩がピクリと震えた。

他の人たちには何も聞こえなかったが、ブランシュにははっきりと聞こえた。

しかし、何かを言い返したり異議を唱えたりはしなかった。それが正しいことだったからだ。

異種族さえ驚くほどの魔力だった。

年齢も適していた。

まだセイヴリアンは若いが、退位するまでにはあと20年の時間がある。

ブランシュは顔が青ざめ、怯えた表情でじっとしていた。

事態を察したゴスドチが棘を握りしめて背筋を伸ばし、ネズミたちを睨みつけた。

彼ら全員をこてんぱんにしてやる覚悟で、飛びかかろうとしたその時だった。

「[今、自分たちは何を話しているんだ?]」

タタン、と床を叩く音が響いた。

リリィが怒りに震えながら、苛立った様子で後ろ足を蹴り上げていた。

トッキの顔は、これほど恐ろしいものなのかと思うほど驚愕していた。

王妃の足音にネズミたちは驚き、しきりにざわつき始めた。

「[イベール王子様の非凡さについて話していました。生まれて間もないのに、こんな魔力だなんて……。]」

ネズミたちはある程度の礼儀を持って返答したが、明らかに王妃が微笑みながら彼らを称賛してくれると期待しているようだった。

とはいえ、イベールはリリィの親族だった。

どれほど良い関係があるとはいえ、養女であるブランシュよりも親族が重要であるのは明らかだった。

イベールが王位に就けば、リリィの立場もさらに強化される。

だから、王妃が喜ぶのは当然だと思われたが――

「[イベールの魔力が強いのは事実だ。けれど、それが王位とは何の関係があるのか?]」

リリィは少しも喜びそうに見えなかった。

むしろ、少し怒りを含んだ表情だ。

彼らの間にただならぬ緊張感が漂っていた。

ネズミたちは慌てて目を泳がせ、状況を読み取ろうとしていた。

「[それは……確かに、魔力を持つ王子が王位に就くのが当然の流れですが……。]」

しかし、その発言は火に油を注ぐようなものであり、セイブリアンにとっても同様だった。

黒狸が四足で慌ただしく走り寄り、不安そうに身を縮めながらセイブリアンの足元で狼狽える様子は、まるで黒い小さな嵐のようだった。

「[もうこれ以上黙って見過ごすことはできない。あなたたちは今、何を見ているつもりなのか?]」

「[え?ええ、陛下、どういったご命令でしょうか……?]」

ネズミたちは、彼らが何をすべきかを理解できず、ただ困惑するばかりだった。

黒狸は歯を剥き出しにしながら軽く唸った。

「[ブランシュは、ずっと以前から王位継承者としてふさわしい存在であることを、自らの力で証明してきた。また、今この宮廷が侵略されるかもしれない危機的状況を解決しようとしているのもブランシュだ。それでも、あなたたちはまだ何も言えないのか?]」

大臣たちは何も言い返せなかった。

セイブリアンの威厳に圧倒されたからというだけではなかった。

彼の言葉に間違いは一つもなかった。

状況は滑稽に見えるが、実際は深刻な事態である。

ブランシュの迅速な処理のおかげで、その現実に気づかなかっただけだ。

もしブランシュがいなかったらどうなっていただろう?

ベリテはセイブルリアンを宮殿の外に放り出そうとした。

もし外にいた兵士たちが黒狸を狩ろうとしたなら?

ネズミたちは何をしただろう?

きっと何もできなかっただろう。

一瞬で命を奪われていたかもしれない。

ブランシュは唯一、動物の言葉を理解できる人間であり、セイブリアンと同じくらい有能な存在だった。

 



 

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