こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

366話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 久しぶりのデート③
「いい買い物だった。後悔のない消費だった。」
セイブルも私を見つめて穏やかな笑みを浮かべていた。
「リリーにその服はとても似合いそうです。花履もよく似合いそうですね。」
そういえば、さっき店主が花履を持ってきてセイブルに何か耳打ちしていた。
あれは何を言っていたんだろう?
「セイブル、さっき店主が花履を持ってきたとき、何て言ってたの?」
「あ、それは……」
彼は少し迷った後、私の手をしっかりと握った。
そして私の手の甲に軽くキスをして言った。
「花履を履けば、花道だけを歩けるという話をしていました。私の愛しい人、花道だけを歩いてくださいね。」
うわぁ、うわぁぁ!
あまりに恥ずかしくて、心の中で叫び声を上げた。
でもセイブルはまったく照れる様子もなかった。
「それでは、続きを試着してみましょうか。」
この人、いつからこんなに甘え上手になったの?
私は彼の手をしっかりと握り返しながら、落ち着こうと深呼吸をして彼についていった。
私たちは伝統衣装を着たまま通りを歩く。
しかし、誰もそれを不思議に思う様子はなかった。
通りには人々や服があふれており、むしろ伝統衣装が自然に見えるほどだった。
私たちを王族だと見破る人もいなかった。
……いや、見破られない方がむしろ良かったのか?
「そこのお兄さん、美しい恋人にプレゼントはいかがですか?」
「買います。」
「お客様、このネックレス、奥様によくお似合いになりそうですよ。」
「買います。」
行く先々で商人たちが私たちを引き留め、セイブルはそれを見逃さずに買い物を続けた。
大変だ。このままでは、この通りにあるものを全部買ってしまいそう!
どうすればいい?
私はセイブルを必死に止めながら、彼の注意をそらそうと慌ててどこか別の場所に目を向けた。
私は彼の注意をそらそうと叫んだ。
「あなた!あれ、あれが食べたいです!」
食べ物を買ったところで破産することはないでしょう!
幸い、セイブルは私の言葉を聞き入れて、手に取っていた真珠のネックレスを棚に戻した。
「何を召し上がりたいのですか、リリー。」
「うーん、うーん……あっ、あれです!」
果物屋や小さなパン屋が並ぶ中に砂糖細工を売る店があった。
砂糖を溶かして作られた飴細工が、まるで工芸品のように見えた。
「これ、これが食べたいです。」
私は魚の形をした砂糖細工を指差しながら言った。
セイブルは大きな飴細工をじっと見つめながら聞いた。
「一つで足りますか?」
「はい!十分です!」
セイブルは少し残念そうな表情を浮かべながらも飴代を払った。
この人、まさか飴屋を丸ごと買い占めようとでもしていたのかしら。
雰囲気的にはこれで十分だったはずだ。
少なくとも私はそう思う。
店主が砂糖細工を渡しながら、にっこりと笑った。
「お二人、観光客ですか?初めてお見かけするようですね。」
「その通りです。」
「もしかしてサンホ海辺には行かれましたか?珊瑚でできた海岸で、とても美しい場所なんですよ。この辺りでは結構有名な場所です。」
「サンホ海辺?どこにありますか?」
店主はその海辺の素晴らしい場所を丁寧に教えてくれた。
セイブルは私を見ながら聞いた。
「行ってみますか。」
「ええ、せっかく外に出たので少し散歩しましょう。」
彼は私の言葉に微笑んで、店主が教えてくれた方向に足を向けた。
ごちゃごちゃしていた街並みを抜けて郊外へ出ると、周囲が少し静かになった。
遠くから波の音も聞こえてきた。
たぶんこの近くかな……。
私たちはサンホ海辺を目指して歩き続けた。
海辺に向かう洞窟の入口に足を踏み入れた。
「滑りやすいのでお気をつけください。」
私はセイブルに手を借りて、慎重に下へ降りていった。
所々にランタンが掛けられており、人々が通る道だということが分かった。
しかし、この洞窟、思ったよりも深いぞ?
海辺に向かっているはずなのに、こんなに下へ降りていくものなのか。
道を間違えたんじゃないか?
戻ろうかと言おうとした矢先、出口が見えた。
そこから光が差し込んでいた。
洞窟を抜け出し、その景色を目にした瞬間、思わず感嘆の声を上げた。
周囲にはオレンジ色の珊瑚が群生しており、まるで海底の庭園を見ているかのようだった。
本当に海の底に来たみたいだ。飴屋の店主が言っていた通りだ。魔法で作られた海辺だと。
おそらく魔法を使って海の下で呼吸できる空間を作ったのだろう。
ゆっくりと上を見上げると、水面に反射した太陽の光が宝石のように輝いていた。
頭上を魚の群れがゆったりと泳ぎ過ぎる様子も見えた。
美しい景色に心を奪われていると、セイブルが私の手をそっと握る。
隣を見ると、彼も同じように上を見上げていた。
「本当に美しいですね。」
彼が私を振り返りながら言った。
水面に反射する光が彼の瞳にも映り込んでいた。
その姿を見つめながら、私は静かに口を開いた。
「ねえ、セイブル。さっき言ってたじゃないですか。私が花道を歩くべきだって。」
「はい、言いましたね。」
「でも……。」
私は彼の手をしっかりと握った。
まるで初めて恋に落ちたときのように胸が高鳴った。
「私はもう花道を歩いているんです。セイブル、あなたが私の世界を花でいっぱいにしてくれたんですよ。ありがとう。」
彼がプロポーズのときに白い花束を差し出してくれた瞬間を思い出した。
世界が白い花で満たされたような気分。
私の世界は、もうずっと前から天国だったんだと感じていた。
セイブルは私の言葉に驚いたようで、一瞬口を開けたまま固まり、その後顔を赤らめながら手で顔を隠した。
「……本当に、とても嬉しいです。」
震えるような声で絞り出した言葉は素朴だったけれど、その中に真心が込められていた。
普段は恥ずかしい言葉を口にするのが得意なくせに、私から聞かれると照れてしまうんだから!
ふふ、私の夫はなんて可愛いの。
この瞬間をもっと楽しみたくなって、私は彼の目をじっと見つめながら冗談めかして言った。
「ねえ、私の愛しい人、可愛くて愛らしくて、どうしたらいい?」
「そうですよね。毎日こんなに可愛くて、誰かに連れ去られちゃったらどうするんですか?」
その言葉に、セイブルは耳まで真っ赤になった。
あぁ、本当に、こんなこと言ってたら誰かに奪われるんじゃないの?
彼は震える声で言った。
「私は可愛くありません。リリーが可愛いです。」
「そんなことないですよ、セイブルの方がもっと可愛いんです。」
私はクスクス笑いながら彼に近づき、目をそらしていた彼と視線が交わった。







