こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は328話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
328話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side レイブン
薄暗い部屋の中に影が長く垂れ下がっていた。
魔力ランプからの光は消えゆくろうそくのようにかすかだった。
しかしレイブンはものともせず、テーブルの上だけを見つめていた。
そこにはハンカチが置いてあった。
バラのとげに刺されたアビゲイルの手を包んだハンカチ。
今日の昼の出来事なのに、ずいぶん前のことのように感じられる。
それでもお互いの手が触れた時の喜びだけははっきりしていた。
そして、自分を見つめていたアビゲイルの瞳も。
「あれは明らかな拒絶だった」
彼女が適当に距離を置くように言うと、彼女は針一本を入れることもできないほど厳重な警戒心を持っていた。
怒っていた。
アビゲイルは良い仲で過ごしたいと話したが、彼女が言う「良い仲」が自身が望む方向ではないだろう。
レイブンは苦笑いする。
どうしてこんな感情になるのかは分からなかった。
彼女を恋慕するのか?
分からない。
アビゲイルが魔女裁判に出るという話を聞いた時、血が冷めるのは確かに感じた。
そして今は?
別の意味で血が冷めた。
彼女はセイブリアンが戻ってきたら、みんなで食事をしようと言った。
笑いと優しい声でにぎやかな食卓に座った記憶がない。
その場に座って、みんなで食事をしたら・・・。
「そんなものはいらない」
アビゲイルが愛するのは他の人たちだ。
彼女は最初にセイブリアンとブランシュに愛情を与え、残りの関心は自分に与えるだろう。
レイブンはそのようなことを望んでいなかった。
残り物のような愛情を受けて喜ばれたくなかった。
みんな欲しかった。
自分がアビゲイルの最初になりたかったし、唯一の人になりたかった。
彼女のすべての愛と感情が欲しかった。
しかし、彼女は断固として断った。
自分の第ーはセイブリアンだと、それを見過ごすなと警告した。
「セイブリアンがいない今、どうにかしてアビゲールとの距離を縮めなければならないのに」
しかし、あれほど警戒しているのに、突っ込んでも逆効果になるはず。
「説得できなければ、他の方法もある」
彼はそんな考えをして、魔力試薬をハンカチに落とす。
アビゲールの血がついているハンカチだった。
その試薬は対象がどのような魔力を持っているかを示す効果を持っている。
もしアビゲイルに魔力がなければ何も反応しないだろう。
しかし、無色透明な試薬が赤褐色の血痕に触れた瞬間。
血痕はまるで煤のように真っ黒に変わってしまった。
その変化にレイブンの瞳が波風に出会ったかのように揺れる。
「黒、黒だって?」
魔力があるとは予想したが、黒だとは思わなかった。
ストーク公爵が言っていたのが事実だとは。
予想外の成果に血が上ったが、すぐに冷めた。
彼の頭は冷静に回転し始めた。
これは重要なカードだ。
しかし、どのように使うべきか途方に暮れたのも事実だった。
「これを公開すれば、アビゲイルは廃位されるだろう。しかし、だからといって私の妻になることはできない」
追い出されれば幸いだが、拘禁されたり死刑にでもなればレイブンとしても困難だった。
レイブンはアビゲイルを壊したくなかった。
ただ欲しかっただけ。
どうすれば彼女を完全に手に入れることができるだろうか。
「これで脅迫をしたら・・・彼女は私の胸に抱かれるかな?」
黒い魔力を持っているという事実が明らかになれば、アビゲイルとしても大きな困難に直面する可能性はあった。
しかし、レイブンの顔に嬉しそうな様子はなかった。
「セイブリアンが魔力偽造に協力したのを見れば、すでに彼もアビゲイルの魔力について知っているだろう」
王が王妃の味方なら、脅迫がまともに行われない可能性が高かった。
むしろ、アビゲイルの秘密を知っている自分を殺したり、幽閉する可能性が高い。
「むしろセイブリアンに黒い魔力があったらよかったのに。それともブランシュとか。そうすれば、魔女を隠していたという名目でセイブリアンを王座から引きずり下ろすことができると思うんだけど」
レイブンはハンカチを持ったまま黒くなった血痕をじっと見下ろしていた。
その時、誰かが小さな石を相次いで投げるように、窓際からカチカチという音が聞こえてきた。
窓の外に座っているガラスの鳥が何羽かいた。
窓を開けると鳥たちが飛んできて彼の肩に並んで座る。
「うん、面白い話を聞いてきたかい?」
レイブンは穏やかな笑みを浮かべながら鳥たちを撫でた。
すると、ガラスの鳥たちは宮殿のあちこちから集められた話をしゃべり始めた。
[本当にブランシュ姫が妖精と結婚するんじゃないよね?]
[私は妖精たちがちょっと気まずい。人を騒すのに、度が外れた種族だって]
[先王殿下がいらっしゃったら絶対に反対されたはずなのに・・・]
最近、宮殿を埋め尽くした話の一つ。
妖精との交流を不安に思い、恐れる声たち。
時間が経つにつれ、動揺は収まらず、むしろ大きくなった。
セイブリアンが不在ということもー役買っただろう。
セイブリアンの評判が悪くなるのは嬉しいことだったが、特別な情報ではなかった。
彼が静かに耳を傾けている間に、さまざまな声の間から突き出た釘のような単語が間こえてきた。
[大妃殿下がお戻りになるのは確かか?]
大妃殿下。
レイブンはその言葉にびくっとする。
彼は他の鳥たちを静かにさせた後、備えを取り上げた鳥の頭に軽く触れた。
[はい、少し離れた所に泊まっていらっしゃいます。元老たちが大妃殿下を支持するのは間違いない事実でしょう?]
[もちろんだよ。今、セイブリアン殿下は女に取り憑かれ、まともな判断ができずにいるからね]
[それなら・・・]
[でもまだ前に出るのは早い。殿下のいない今が適期だが、名分が足りないのではないか、ギデオン]
陰謀の間から聞こえてきた「ギデオン」という名前。
確かに死んだという宮廷楽士だ。
ギデオンは息苦しそうに言った。
[だから申し上げていませんか。王妃と妖精たちがこの国を崩そうとしていることをお見せすると]
[君の計画はよく知っているね。しかしそれだけでは危険を甘受することはちょっと・・・]
相手の言葉にレイブンはくすくす笑う。
大臣たちは貪欲で臆病な作家だ。
タイトルが安全であるという保証がなければ、前に出ないことは明らかだった。
しかし、安全が保障されれば、誰よりも激しく相手の首をかみちぎる種でもある。
レイブンの顔にかすかな輝きが回った。
「大妃が来たのは確かに王位を占めるためだ。セイブリアンを引きずり下ろそうとしているのだろう。それならアビゲイルは・・・]
レイブンは鳥の頭に軽く触れた。
すると、あっという間に周囲が静かになる。
ガラスの鳥たちはじっと主人を見つめていた。
彼は静かに席から立ち上がった。
彼の瞳が、意味の分からない金色に輝いていた。
レイブンがついにアビゲイルの魔力に気づいてしまいました・・・。
そして、ギデオンと大妃の暗躍。
セイブリアンがいない今、何か不穏な計画が企てられているようです。