こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は150話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
150話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 爵位授与式③
皇太子を避けて隅に隠れて今日は絶対に踊らないと誓っているが、他の人がマリに踊りを誘おうと近づいてきた。
「すみません、今日はもうダンスは・・・」
断ろうとした彼女は口をつぐんだ。
ダンスを求めるために近づいてきた人が思いもよらない人物だったためだ。
「ヒルデルン?いや、今はヒルデルン子爵だね」
快活な感じの珍しい美男子がそっと目元をしかめた。
社交界の快男のような印象だが、公的な業務においては行き詰るほど几帳面で、時には非情なほど冷酷な男。
「私と踊ってくれないか、レディー・ヒルデルン?」
オルン公爵が彼女を踊りに誘う。
断れる相手ではないので、マリは彼と踊ることになった。
(なんでオルン公爵が私にダンスを?)
マリは混乱した目でオルンを見る。
そんな彼女の疑問に気づいたのか、オルンがぶっきらぼうに吐き出した。
「宴会場でダンスは誰にでも申し込めるものではなかったのか?そして私はもともとダンスをするのが好きだ」
「・・・」
マリは彼のいつもの噂をふと思い出した。
(社交界では快男として有名だと聞いたような)
彼は社交界では愉快で女性の心を揺さぶる浮気者として有名だった。
(業務をする時は冷徹だけど、退勤後の私的な領域では楡快なスタイルというか?)
彼女は彼の固い姿だけを見てきたので、彼の陽気な姿が全く見当がつかないが、彼がダンス、正確には社交界の遊興を楽しむのは事実のようだった。
でもいくらダンスが好きでも・・・、彼女は困った顔をする。
クアアッ!
・・・こんなに足が踏まれるのは好きではないはずなのに。
再び彼の足を踏んでしまったマリは、どうしていいか分からず、オルンの顔色をうかがう。
皇太子の場合には申し訳ない気持ちになったなら、オルンの場合は怖かった。
もともと仲が良くなかったが、このように足を踏んでいたら決闘の申請を受けるような気がした。
「うう・・・」
痛いのは痛いのか、オルンはうめき声を上げる。
「マリ、お前はもっと練習しないと。こんなにダンスが下手だなんて」
「・・・すみません」
彼女は頭を下げたが、彼が意外なことを言った。
「皇后になるためには、踊りは基本中の基本に属する素養だ。できるだけ早く上達するように」
「・・・」
マリは驚いて彼を見る。
今、何だって?
オルンは依然として不満そうな顔で話した。
「何をそんなふうに見るの?」
「今の・・・、言葉は・・・?」
彼は今まで自分が皇太子のパートナーになることに反対していた。
ところが、今その言葉は彼女を認める言葉だ。
「私はあなたを信じていない」
マリはじっと彼の言うことを聞いた。
「それでも今回のことを通じて少し考えが変わった」
「それはどのような?」
「疑わしいのは相変わらずだが、それでも君なら皇后として遜色ないんじゃないかと」
妙な言葉だった。
疑わしいが皇后としてはふさわしいとは?
「私の能力のせいですか?」
「いや、それよりも」
オルンはため息をつく。
「殿下への君の心が本気だということが分かったから。少なくとも君が殿下に害を及ぼすことはないと確信したのだ」
彼の言葉の意味を理解したマリの瞳が揺れた。
「だから君がパートナーの相棒になることにこれ以上反対しないことにした。 そして・・・ 」
そこまで話したオルンは口をつぐんだ。
マリは不思議そうな顔をしたが、彼はそっと首を横に振る。
彼が持ち出そうとした話。
それはまさにこれだった。
(殿下の心があなたに向かっているから)
「閣下?」
「いいや」
オルンは考えを止めて踊った。
「お疲れ様でした、閣下」
まもなく踊りが終わった後、マリは頭を下げて礼を述べる。
オルンはそのような彼女にしばらくためらった後、言った。
「一つしていない話があるね」
「え?」
「今回のこと、ありがとう。本当に」
「・・・」
「あなたに別に感謝の意を表すると言ったのがずっと機会がなくて今になって話すんだね。君のおかげで殿下が生き返り、帝国は大きな危機を脱することができた。本当にありがとう」
彼がこのように感謝を表すのは初めてなので、マリは慌てて首を横に振った。
「いいえ」
「とにかく楽しい宴会になりますように」
こうして、オルンとの対話が終わった。
オルンとの会話の後、マリは宴会場を出てベンチに座る。
しばらく休みたかった。
「夜だからか、まだ少し寒いね」
彼女は夜空を眺めながら、オルンの言葉を思い出した。
「皇后か・・・」
彼が自分にそんなことを言い出すとは想像もできなかった。
彼女は皇后という地位には全く関心がない。
彼と本当に一つになることが唯一の望み。
そのためには自分の問題を解決しなければならなかった。
「いくら殿下が私を望んでいるとしても、このような状況ではだめ。方法を探さないと」
以前のようにむやみに避けなければならないとは思わなかった。
ただ思い付くのは、どうすればラエルと自分が幸せな結果を作り出すことができるかということだけだ。
物思いにふけっていると、間き慣れた声が彼女を呼んだ。
「ここにいたんだ」
「あ、殿下」
皇太子だった。
彼は近づいてきて彼女の隣に座った。
「ここにはどうして?」
「あなたのために」
「え?」
「急に見えなくなって、もしや何かあったのかと探していた」
「あ・・・」
マリーは申し訳なさそうな顔をする。
「休んでたのかな?」
「はい、風に当たると涼しいので」
「そうなんだ。確かに宴会場よりは涼しくていいね」
特別なことのない会話をしながら、マリは不思議な気持ちになった。
昔は彼との会話が緊張するばかりだったが、今はとても楽だった。
いや、正確に言えば、居心地が良くてむずむずした感じが。
1分1秒の時間が流れるのが残念なほど。
ただずっと何も考えずに彼と一緒にいたかった。
そのようにしばらく安らかに対話を交わしていたが、ラエルの声が重く沈んだ。
「もしかしたら戦争を準備しなければならないかもしれない」
「・・・」
「ヨハネフ3世に関したことならね」
マリの顔がこわばる。
彼女は皇太子に伝染病がヨハネフ3世の陰謀だったことを話した。
一人で知っているにはあまりにも重要なことだったからだ。
「証拠がないから罪を問うことはできないが、状況が悪くなることに備えていなければならない」
マリも同意する。
彼の言うことが正しかった
ヨハネフ3世の目的は東帝国を征服することだろう。
その時、ラエルは硬い表情をしてマリを見た。
「公的な話はここまで。今日はこんな話じゃなくてただ君と一緒にいたいな」
「はい、殿下」
彼とこのように時間を過ごしたいのは、マリも同じだったので、うなずいた。
彼女はしばらくためらった後,彼の肩にそっと頭をもたげた。
「・・・」
ラエルは彼女が最初に自分に寄りかかると驚いた表情をした。
マリはきまり悪そうな顔で尋ねる。
「もしかして、不便ですか?」
「・・・そんなはずがない」
彼は微笑んだ。
柔らかさと暖かさが込められた笑みで。
「いつでも、いくらでも寄りかかっていい」
彼は彼女の寄りかかった髪をなでた。
至極大切なものに対する優しい手つきで。
マリは目を閉じる。
このように彼の手を感じていると、頭の中のすべての複雑さが消えるようだった。
ただ居心地が良くて安らかだった。
二人はじっと時間を過ごす。
特別な対話もなかったが、数多くの対話を交わすより深く疎通する感じがした。
「マリ、ちょっと向こうを見ろ」
マリは不思議そうな顔をして頭をもたげた。
そして驚き、嘆声をもらす。
「わ・・・、綺麗です。
夜空に流れ星が美しい線を描きながら通っている。
こんなに鮮明で美しい流れ星は初めてだった。
「殿下、願い事をしてください?」
「願い?」
「はい、流れ星が落ちる時に願い事をすれば叶うという話があるじゃないですか」
「それは根拠のない迷信にすぎない」
「それでも一度祈ってみてください」
度重なる催促に皇太子はどうしようもないかのように願い事をした。
マリも目を閉じて願い事をする。
しばらくして皇太子が尋ねた。
「どんな願い事をしたの?」
「伝えるんですか?」
「私は当然、あなたと私が幸せになることを祈った」
彼の言葉にマリはそっと顔を赤らめる。
「私は・・・、秘密です」
ラエルは気になっているようだったが、マリは教えなかった。
実は彼女の願いも彼と同じ。
彼と自分が幸せでありますように。
彼女はもう一度それが実現することを切望していた。
オルンがマリのことを認めてくれたのが嬉しいです!
西帝国との戦争は避けられないのでしょうか?