こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は151話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
151話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 反乱
まさにその瞬間、状況があっという間に変わることが起きた。
突然、遠くから高い声が間こえたのだ。
「殿下!殿下!急報です!」
ラエルとマリーは尋常でない声に表情を引き締めた。
急にどうしたの?
まもなく彼に近づいた侍従が息を切らしながら話した。
「トルン2世陛下がお亡くなりになりました!」
「・・・」
マリーの顔が真っ青になる。
ついに、トルン2世が死亡したのだ。
覚悟はしていたが、いざ状況が近づくと胸がドキドキした。
一方、皇太子はただ来るべきものが来たかのように淡々とした様子。
「分かった。葬儀の手続きを準備しなければならないね。宮内部長に言い渡すように」
「はい、わかりました!」
マリはそんな彼を見て気をもんだ。
今やトルン2世が死亡したのだから、前皇の維持を守ろうとするセイトン家とラエルは本格的に衝突するだろう。
そして結局、キエルハーンは処刑される確率が高かった。
(それだけは絶対に駄目)
マリは固く思った。
(止めないと。とんな手を使ってでも)
マリが決心していた時だった。
遠くからまた騒々しい音が聞こえてくる。
「急報です!」
「何だ?」
皇太子は、いぶかしげな顔をした。
トルン2世が死亡した中で、また別の急報が?
まもなく彼らの前にまた別の伝令が到着する。
「皇太子殿下にお目にかかります!」
伝令を見た皇太子とマリは大いに驚いた。
ここ皇居内から駆けつけた伝令ではなかったのだ。
まるで戦場からすぐ走ってきたようにホコリだらけの甲胃を羽織っていて、数多くの距離を走破したのか全身が汗だくで顔色が蒼白だった。
「あなたは誰?」
「第3軍団、アルベロン伯爵の指揮下の騎士、ワードです!」
伝令の紹介に皇太子とマリの顔が固まる。
3軍団なら帝国西部戦線を担う軍団だったからだ。
第3軍団は西帝国を警戒し、クローヤン地方を担当していた。
(まさか?)
マリはつはをごくりと飲み込んだ。
不吉な予感が通り過ぎる。
そして、彼女の予感は間違っていなかった。
「クローヤン地方で反乱が起きました!」
「・・・」
たった今の2世の崩御の知らせとは比べ物にならない衝撃が落ちた。
クローヤン地方で反乱が起きたって?
「それは本当か?」
「はい、殿下!」
「主導者は誰?」
マリは一瞬、前王室の騎士団の人物が思い浮かんだ。
反乱の首謀者なら、彼らである可能性が最も高い。
しかし、伝令は全く意外な話をした。
「反乱の主導者はクローヤン王家のモリナ王女と申しております!」
その話を聞いた瞬間、マリの時間が止まる。
「今・・・、何だって?」
トルン2世の葬儀は淡々と行われた。
国廟に安置されるトルン2世の棺を眺めるラエルの顔は無表情。
実父ではあったが、彼の母親を殺したのも、妹の毒殺に関与したのも、すべてトルン2世だった。
庶子のラエルが人望を得ることを牽制するために、第1皇子の手を挙げて多くの暗殺を試みたこともある。
実父であると同時に仇とも変わらなかった存在。
だからラエルは感情の動揺が大きくないようだった。
そのようにして葬儀を終えた後、皇太子は獅子宮の執務室に戻る。
「疲れた」
「ご苦労さまでした、殿下」
そう言ったオルンは「しまった」と自分の言葉を口にしたを訂正した。
「もう『殿下』ではありませんね、陛下」
陛下。
専ら皇帝にのみ付ける尊称。
今やトルン2世が逝去したので、ラエルが皇帝になったのだ。
「真の帝国の支配者になられたことを祝言します」
しかし、ラエルは首を横に振る。
「まだだ。先代の承認手続きを踏まないと」
「それはどうせ形式的な手続きではないですか?」
東方と違って、欧州には「選帝侯(選帝侯)」という職位があった。
それは皇帝選出権を持つ大貴族を意味し、彼ら全員の承認を得てこそ真の皇帝としての権限を持つことができる。
もちろん、オルンの言葉のように名目的な手続きに過ぎなかった。
「どうせ形式的な選帝侯会議です。お茶の一杯でも飲んで終わるでしょう」
オルンは大したことではないように言った。
ちなみに、ソビエン公爵家の家主であるオルンド選帝侯の中の漢命だった。
ところが皇太子がじっと首を横に振る。
「いや、今回は少し違うだろう。キエルハーン侯爵のセイトン家が私の即位に反対するだろうから」
「・・・」
「厳密に言えば、正統性だけを考えると、適法な後継者は私ではなく、皇后の嫡統であるオスカーだから」
「では、もしキエルハーン侯爵が反対して出たらどうするつもりですか?先制後の会議は満場一致で通過しなければなりません。それが東帝国の皇位継承に関する法則ですから」
「もしセイトン家が最後まで反対するなら、方法は一つだけ」
ラエルは重い声で話した。
「セイトン家に逆謀罪をかぶせて滅ぼすしかない」
そばで会話を聞いていたマリの顔が白くなる。
やはり予想していた通りに状況が流れていた。
「すぐ明日が選帝侯会議だから、キエルハーン侯爵がどう出るかはすぐ分かるだろう。ところで、この問題よりはクローヤン地方が問題だね。どのように進んでいると?」
皇太子は、クローヤン地方で起きた反乱に話題を変える。
「第3軍団は反乱を鎮圧するために2万の兵力を投入しました。圧倒的な兵力差ですので、無理なく鎮圧するものとみられます」
「そう、鎮圧自体は問題ないだろう。問題は反乱を起こしたとされる主導者がモリナ王女だって?」
オルンが3軍団から伝えられた報告書を見ながら首を横に振った。
「一応、そういう風に噂が広まってはいるのですが・・・、3軍団長のアルベロン伯爵の追加で投稿した報告によると、違うようです。反乱勢力が広めた嘘だという証拠を確保したそうです」
「反乱勢力が偽のモリナ王女を立てたのは、王国民を扇動するためだろう。モリナ王女という名前さえつけば、数多くのクローヤン王国の人を動かすことができるから」
問題は、今回の反乱が始まりに過ぎないということ。
クローヤンの情勢上、このような反乱はいくらでも再び起こることができ、反乱軍は常にモリナ王女の名前を前面に掲げるだろう。
オルンは視線を向け、皇太子の後ろで黙々と立っているマリを眺めた。
まだ、オルンは彼女の正体を確信していない。
もし彼女がオルンの推測通り、本当にモリナ王女なら、今この瞬間、彼女は何を考えているのだろうか?
そして、そんな彼女に対して皇太子はどんな選択をするのか?
そのとき、国防大臣が荒っぽい声で意見を出した。
「このままではいけません。すでにクローヤン地方をなだめる安定策は十分に使っており、今や方法は一つです」
皆が国防大臣を眺める。
国防大臣は決然とした顔で言った。
「モリナ王女の亡霊が漂う限り、このようなことはずっと繰り返されるでしょう。どんな手を使ってでも「本物の」モリナ王女を見つけて彼女の首を切らなければなりません」
国防大臣の言葉は間違っていない。
王家の最後の末裔であるモリナ王女を殺せば、王国民もこれ以上王国の復活を夢見ることができないだろう。
「殿下」
オルンはラエルの顔色をうかがう。
しかし、皇太子は鉄仮面の下に何も言わなかった。
ただ深い考えにふけったように、重く口をつぐんでばかりいた。
翌日、状況はやはりさらに悪化した。
選帝侯会議でキエルハーンが反対意見を表明したのだ。
「我がセイトン家は大盛況のトルン2世陛下の遺志に従い、ラエル殿下の皇帝即位に反対します」
「・・・」
先制後、皆が息を殺してキエルハーンと皇太子を眺める。
皇太子は冷たい目でキエルハーンをにらみつけた。
「もう一度聞くぞ、侯爵。本当に私の即位に反対するのか?」
「はい、そうです」
「もう一度聞く。本気か?」
繰り返しの問いに、選帝侯たちは唾をごくりと飲み込んだ。
どうせラエルが皇帝になるのは決まった事実。
もしキエルハーンが最後まで意志を曲げなければ、彼は命を失うことになるだろう。
「そうです、殿下」
依然として揺るぎない返事。
ラエルは声を荒げようとして黙った。
キエルハーンの目を見た瞬間、彼の真の心に気づいたのだ。
すいません
キエルハーンの瞳はそう語っていた。
きっと彼もラエルに反対したくないのだろう。
しかし、それでも家門の立場上、ラエルに反対するしかないため、目つきで謝罪
しているのだ。
「キエルハーン侯爵。いや、私の親友だったキエル。最後にもう一度だけ聞き直す。君たちのセイトン家の孤高の旗印を知らないわけではないが、時にはその旗印が正しい方向に向かない時もあるものだ。本当に帝国とあなたの家族のための道が何なのか考えてみなさい」
そう言うラエルの声には真心が込められていた。
ラエルも一時、大切な親友だったキエルハーンの首を弾きたくないのは同じだった。
その気持ちを感じたので、キエルハーンはしばらく口をつぐんだ。
しかし・・・。
「お言葉に感謝します、殿下。でも・・・。すみません、私たちとしては、トルン2世陛下の遺志に逆らうことはできません」
ラエルは拳を握りしめる。
彼はキエルハーンが、すでに死を覚悟していることを悟った。
「・・・分かった。君が亡霊のような虚しい伝統に縛られるなら仕方ない:
ラエルは突然席を立ち、会議は波紋を呼んだ。
そしてその夜、皇太子の命によりキエルハーン侯爵はスオルの塔に監禁された。
政治的理由により色々な罪名が彼にかぶせられたが、キエルハーンは固く口をつぐんで自らを弁護するいかなる話もしなかった。
クローヤン地方の反乱と、モリナ王女。
この一件を裏で操っているのは、おそらく西帝国でしょう。
キエルも心配ですが、マリはどんな判断をするのでしょうか?