こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は159話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
159話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- クローヤン地方②
コモン城は王城が位置したところで、かつてクローヤンの首都として栄えた。
今もクローヤン地方を統治する総督府が位置している。
そのようなコモン域の雰囲気は、外郭地域よりはるかに良くなかった。
先日、大洪水で最も大きな被害を受けた都市でもあり、最近は反乱まで起きて鎮圧されたためだ。
同時に反帝国勢力である前王室騎士団の人物が秘密裏に活動する地域でもあり、皇室の模様が彫られた彼女の馬車を眺める目つきは凶悪極まりなかった。
「雰囲気が良くないですね。総督官邸の外に出る時は気をつけなければなりません」
マリはアルモンドの言葉にうなずく。
真っ黒に沈んだ顔色で彼女を眺める街の人々の目には敵意が強く宿っていた。
そのように長い間町を通り抜けた後、アルモンドは彼女に言った。
「目的地に到着しました、閣下」
マリは頭を上げて馬車の外を見る。
雄大な白星が視界に入った、かつてクローヤン王国の王城。
そして、モリナ王女であった彼女が幽閉された通園の宮がある場所でもあった。
総督府の2人の主要人物がマリを出迎える。
「ヒルデルン総督閣下にお目にかかります。総督府の行政を担当する書記官、リン男爵といいます」
話し手は、細かい書類からすべての行政手続きを総括するリン男爵だった。
「わあ・・・」
マリは今まで緊張していたことも忘れて、リン男爵を見て目を大きく開ける。
(こんなに綺麗な男性がいるなんて)
銀髪に近い薄い白金髪、透明な青い瞳、線の細い顔のライン。
ただの修飾的な表現ではなく、本当に女性のように美しい人だった。
骨格も小さく、とても男性には見えない。
(私よりずっと綺麗じゃないか。もしかして男性じゃない?)
リン男爵は彼女の視線に気づいたかのように微笑んだ。
女性はもちろん、男性の胸までときめかせる綺麗な笑みだった
「こう見えても健康な男性です。だから負担を持たずにむやみにこき使ってください」
「あ・・・、はい」
「とにかくこうして閣下にお会いできて嬉しいです。以前からお目にかかりたかったので」
マリが不思議そうに目を見開くと、男は微笑んで言った。
「以前から何度も話を聞いて気になっていたんですよ。果たしてどんな方なのか」
そして、リン男爵は彼女の目をまっすぐに見つめながら微笑んだ。
「だから本当に・・・、本当にお会いしたかったんです」
ところが、その笑いを見た瞬間、マリはぎょっとした背筋に鳥肌が立った。
(何だろう?)
美しい外貌と同じくらいやさしい微笑。
ところが、なぜこのような不気味な感じがするのか、彼女は分からなかった。
(ただ疲れてて、勘違いなのかな?)
まるで嘘だったかのように、ぎょっとした感じはすぐに消える。
マリは忌まわしい感じがしたが、もっと深く考える根拠はなかった。
何よりもあのアリー匹も捕まえられないように弱くて善良に見える男が危険な人物だということはとうてい想像できない。
「こちらは新任顧問のウィンター伯爵様です」
顧問官は総督府から総督のすぐ次の序列で彼女を助け、対内外的な仕事を総括する職位だ。
(ラエル陛下が信じられる人物を新任顧問官として送ったそうだけど)
ふとラエルのことを思い出した彼女は、彼が懐かしかった。
もう20日以上会っていない。
会いたかった。
その時、リン男爵の紹介を受けたウィンター伯爵が前に出る。
「ウィンター伯爵という」
「・・・」
その瞬間、その場の皆がびっくりしてウィンター伯爵を眺めた。
彼が初対面で新任総督であり予備皇后である彼女にあまりにも楽にしたためだ。
ところが、その態度があまりにも自然で全くおかしいという気がしなかった。
「ああ、しくじったな。ウィンター伯爵と申します、閣下」
ウィンター伯爵は皆が自分を見ると、間違いに気づいて言葉を訂正する。
しかし、敬語がもっとぎこちなかった。
(ウィンター伯爵様は、こんなにもカリスマ溢れる人物だったのか?)
マリは瞬きをする。
何と言うか、すごいカリスマと威圧感が感じられた。
虎が無理やり体を低くして、猫のふりをしている感じというか?
(何だろう?聞いていたのとはかなり違うね?)
他には雰囲気だけではなかった。
外見も肖像画とは全く違っている。
まるで神様が直接筆を持って描いた絵のように美しい顔だった。
マリはこれほど美しい顔のラインを持った人物を今まで1人しか見たことがない。
まさにラエル皇帝だった。
「とにかく、お二人ともよろしくお願いします。不足ですが、新任総督として赴任したマリ・フォン・ヒルデルンと申します」
マリは総督府の2人の重要人物と挨拶を交わす。
「とりあえず中に入って旅の疲れを癒しましょう。総督官邸はクローヤンの王が使用していた宮殿をそのまま使用しています」
リン男爵は、全般的な状況を説明する書類を持ってくると言って、席を離れた。
去る後の姿も柔らかくて綺麗で、マリは不思議だという気がした。
どうして男があんなに綺麗なのか驚いた。
(ところで前国王が使用していた中央宮を総督官邸として使用しているって?)
マリの顔が酷くなる。
(そうしてもいいのかな?クローヤン地方の民が不快に思うかもしれないけど)
マリはこの問題をもう一度考えてみることにした。
その時、ウィンター伯爵が言った。
「ついて来い。食べ物と洗う水を用意しておいた」
彼はまた、困った表情で言葉を変えた。
「準備して、おきました」
とてもぎこちない話し方だったので、マリはくすくす笑う。
なぜか理由もなく彼から親しみを感じ、笑いが出たのだ。
ところが、そのように歩いている途中、ウィンター伯爵が彼女を眺めながら躊躇う。
何か言いたいことがある表情だったので、マリは怪謗な顔をした。
「何かおっしゃりたいことでもありますか?」
ウィンター伯爵の口から出た言葉は、全く意外なものだった。
「もしかして来る途中、大変ではなかったですか?」
思いもよらない心配に、マリは少し驚いた表情をする。
「ああ、心配してくれてありがとうございます。そんなに大変ではありませんでしたよ」
「食事を抜いたりはしませんでしたか?寝床は大丈夫でしたか?」
「はい」
彼女が面食らった表情でうなずくと、ウィンター伯爵は冷気に満ちた顔でこう言った。
「何があっても体に気をつけなければなりません。食事も欠かさないで。分かりましたか?」
「・・・はい、心に留めておきます」
マリは呆然とした表情でうなずく。
(何だろう?)
触れたら切れそうな冷たい顔であんなことを言うなんて?
(表情だけああいうもので、元々はとても暖かい性格なのかな?)
彼女は首をかしげた。
マリはウィンター伯爵のような性格の男性を思い出した。
それはラエルだった。
ラエルはいつもあんな無愛想な口調で心配していた。
あの時はその大切さがよく分からなかったが、今なら分かる。
(会いたいです、陛下)
マリは心の中でつぶやいた。
リン男爵は明らかにラキですよね。
そしてウィンター伯爵は・・・。