こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は63話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
63話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 聖杯の行方
果てしなく湧き上がる渇望にラエルは唇を噛んだ。
(今はまず、マリの濡れ衣を晴らすことに集中しなければならない)
そう考えたラエルがマリに尋ねる。
「秘密の通路に犯人が通った跡はあるかな?」
「はい、殿下。最近残されたように見える痕跡があります」
「そうか。犯人は本当にこの通路を利用して聖杯を盗んだようだ。だからこそ全然痕跡を掴めなかったのだろう」
皇太子は物思いに耽る。
何か釈然としない点が浮かんだ。
(ところで犯人はどうしてこの秘密通路の存在を知っていたんだ?誰の助けを借りて秘密の部屋を?)
この秘密の通路はラエルも知らないものだった。
トーロン二世や元皇太子は知っていたかもしれないが、彼らが犯人に知らせた可能性はない。
(どういうことなのか確認しなければならないね)
そう思った皇太子はマリと一緒に秘密の通路に入ってみた。
秘密の通路は地下に繋がっていて、とても狭くて長い。
長い間歩いた先に通路の反対側に出ることができた。
そこは見慣れた場所。
皇居東の庭園の彫刻像の下に繋がっていたのだ!
「思いもよらなかったね。ここに秘密通路が繋がっているなんて」
ラエルは驚いた顔をした。
東の庭園は、彼が働いている獅子宮のすぐ隣に位置する庭園。
犯人は彼の目の前を通り越して犯行を犯したのだ。
マリは皇太子の推測に頷いた。
「はい、私もそう思います」
「この辺は・・・」
皇太子は当たりを見回す。
彼が泊まる獅子宮が見え、侍女たちの宿舎が見えた。
そして、もう一つ目に入る場所。
「・・・別宮も確認してみないとね」
皇太子は冷たく呟いた。
離宮、デルフィナのレイチェルが泊まる場所だ。
その後、捜査は着々と進んだ。
獅子宮を含め宿舎の侍女たち、デルフィナたちの離宮を標的に捜査の包囲網が狭まっていく。
「そういう訳ですので失礼してもよろしいでしょうか、令嬢?」
捜査に出た親衛隊の騎士がレイチェルに尋ねる。
「はい、確認しても構いません」
レイチェルは何も悪いことをしていないので遠慮なく言った。
しかし、平然とした顔の後ろで彼女の胸はカラカラと燃えている。
(どうやって秘密通路の存在を知ったの?)
想像もできなかった。
秘密通路の存在を突き止められるなんて。
そのため、彼女はすぐに捜査の包囲網に入ったのだ。
(いいえ、落ち着いてレイチェル。まだ誰も私が内部協力者であることを疑っていないわ)
幸いにも、犯人はちょうど今日の午前、聖杯を持って皇居を抜け出した。
もう少しだけ遅れていたら、身動きも取れなくなっていただろう。
(大丈夫。もう見つかる可能性はないから心配いらない)
しかし、なぜだろうか?
レイチェルは不安になり、イライラした表情を浮かべた。
一方、獅子宮と別宮を隅々まで調べているにもかかわらず、聖杯が現れないので、皇太子とマリは再び相談することに。
「聖杯はすでに皇居を抜け出したかもしれない」
「はい、殿下。その可能性を考えなければなりません」
その会話にオルンが疑問を呈する。
「しかし殿下。今、皇居は鳥も通れないほど厳重に閉鎖されています。それなのに、どうやって聖杯を外に持ち出すのですか?」
オルンの指摘は正しかった。
しかし皇太子は、聖杯がすでに皇居を抜け出したという気がしている。
「本当にないのか?」
「え?」
「本当に抜け道がないのか?」
その問いに場内が沈黙に沈んだ。
現在、皇居の境界は極めて厳重だ。
そのような境界を突き破って壺ほどの聖杯を持って密かに逃走するのは、いくら伝説の泥棒でも容易ではなかった。
しかし、本当に不可能なのだろうか?
彼らは何かを見逃していないか考え込む。
マリも悩んだ。
(このような状況で皇居を抜け出せる方法は何があるのかな?)
マリはもう一度怪盗の心になった。
(私が泥棒だったら?)
神秘的な夢の影響だろうか、マリはふと思いついた考えを口にする。
「そういえば、あの方法がある!殿下、皇居を抜ける方法があります!」
「それは?」
皆が驚いてマリを眺めた。
「汚物を運ぶ雑夫に偽装して皇居を抜けるのです」
みんなの目が大きくなる。
「汚物を運ぶ雑夫?」
「はい、このように警戒中でも皇居を出入りする人がいます。食材を運ぶ運搬人や汚物を運ぶ人たちです」
彼らはマリの言葉を理解した。
「そうか、汚物を運ぶ人なら検問も避けれる」
「ええ、いくら検問をしたとしても、汚物を詳しく探したりしませんから。犯人が皇居を抜け出すのなら、まさにその汚物入れに聖杯を隠して抜け出したはずです」
皆が感心した顔をする。
マリの言葉は正しかった。
彼女が考えた方法なら、本当に国境を超えて聖杯を外に持ち出すことができるのだから。
皇太子が重い声で口を開く。
「今すぐ追跡を」
彼は命令を下した。
「皇室騎士団と近衛騎士団の両方を動かすように。最近、汚物を持って皇居を抜け出した彼らの身柄をすべて確保せよ」
皇太子の命を受けた騎士たちが稲妻のように動く。
彼らは今朝、離宮の汚物を持ち去った人たち以外にも、最近の補給品を持って皇居を出入りした彼らの身柄をすべて確保した。
この過程で親衛隊の団長キエルハーンの指揮が光を放つ。
彼の卓越した指揮のおかげで、あっという間に処理することができたのだ。
そして、その中で怪しい点が目につく。
他の人たちは皆身柄を確保するのに特に問題がなかったのだが、ひたすら一人の行跡だけを見つけることができなかったのだ。
今朝、別宮の汚物を持って皇居を出た人物。
皇太子は、まさにその人物が犯人であることを直感した。
まさか汚物と一緒に聖杯を持ち出すとは・・・。
聖杯は持ち出された後ですが、果たして泥棒を捕まえることはできるのでしょうか?