こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は９１話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい？」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女！最高の彫刻家！天才音楽家！
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる！
マリ：本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル：皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル：皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン：公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世：西帝国の皇帝。
オスカー：第十皇子殿下。
アリエル：皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル：皇太子妃候補。イーストバーン家。
９１話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カラクタ伯爵からの提案
貴族たちが退くと、マリは急いで皇太子に尋ねる。
「殿下、今の発言はどういうことですか？」
「何がかな？私は、あなたと私が本当によく似合うと思って言っただけだが？」
あまりにも当然のような声に、マリは言葉が詰まった。
「マリ、あなたも私たちがかなりお似合いだと思わないか？」
まったく！
全く正反対の二人です！
似合うって何が似合うの？
マリが首を横に振ろうとしたとき、聞き慣れた声が聞こえてきた・
「宴会に不便はありませんか、殿下？もう少し手厚くお迎えすべきだったのに、申し訳ありません」
親切な声。
屋敷の主人であるカラクタ伯爵だ。
皇太子は首を横に振る。
「大丈夫、悪くないね」
「そう言ってくださってありがとうございます」
カラクタ伯爵が頭を下げた。
「実はお二人のために別に準備したものがあります。もしよろしければ、お時間をいただけますか？」
伯爵が密かな声で囁く。
「別に申し上げたいこともあります」
皇太子とマリは伯爵に続いて席を移動した。
彼らは伯爵が商取引について話すことを期待した。
（私に緊密にする話があるということも商取引に関する話だったのかな？）
マリは内心そう考える。
現在、彼女は皇太子の専属侍女であるだけでなく、補佐官の職責も兼任しているからだ。
彼女を通じて簡単に皇太子に意見を伝えることができる。
（だけど、なんか単純にそういう話じゃないと思ったんだけど）
マリは首を傾げた。
そんな気がする根拠は特にない。
ただの勘だ。
（ところで本当に初対面なのかな？なぜだろうか、こんなに慣れてる感じがするのは？）
彼女は歩いているカラクタ伯爵を見て思った。
きっと初めて会う人なのに、しきりに聞き慣れた既視感がするのだ。
「何を考えているの？」
皇太子がマリにそっと尋ねる。
「あ・・・、いいえ」
マリは首を横に振った。
確かなことでもないのに、皇太子に言うわけにはいかない。
まもなくカラクタ伯爵は彼らを大きな部屋に案内した。
「ここです。特別にお二人のために用意しました」
部屋の中は豪華な珍味でいっぱいだ。
無駄な贅沢を嫌う皇太子は眉をひそめる。
「やり過ぎだね。どうせあまり時間はないのに」
カラクタ伯爵がしなやかに返答した。
「殿下とフォン・ヒルデルンに向けた私の気持ちです。どうか気持ちだけでも受け取ってほしいのです」
皇太子は返事もなく席に座る。
「伯爵」
「はい、殿下」
「私は遠回しに話すのは好きではない。こんなに席を求めたのは、あんな下らない食べ物ではなくて、話があるからだろう？」
カラクタ伯爵は微笑んだ。
濃い笑みで。
マリがその笑顔を見て、もう一度奇妙な既視感を感じたとき、伯爵が口を開く。
「ええ、そうです。私カラクタはハンザ同盟の一員であるオルスデン家の代表として殿下に提案したい取引があります」
「何かな？」
「帝国の西南部地方に計画中の交易都市に交易路を作りたいのです。投資もします」
皇太子は驚いた表情を浮かべる。
西南部はマリが考案したサトウキビを栽培する地方で、皇太子はサトウキビを基盤に交易都市を建設する計画だった。
西南部地方で生産される砂糖はもちろん、地中海の特産品を北方と取引される場所にする計画であり、成功すれば帝国に莫大な富をもたらすだろう。
ただ、都市を建設する財源と交易路の開発が問題だったが、ハンザ同盟の巨商が助けると乗り出してきたのだ。
「それはオルスデンの意思なのか、それともハンザ同盟の意志なのか？」
「まずは私個人の考えです。しかし、取引が成功すれば、残りの同盟国も自ら動くと思いませんか？」
皇太子は口をつぐんだ。
反対する理由のない話。
いいや、むしろ帝国側が先に出て頼まなければならない内容だった。
しかし、彼はすぐに頷かない。
何か釈然としなかったのだ。
「帝国に申し分ない内容だね。投資に交易路の開発とは。しかし、とても良い条件なので釈然としない。君たちオルスデン家は、なぜこのようなことを提案するのか」
「それは当然、長期的に大きな利益になると判断したからです。殿下が描く計画が成功さえすれば、フランスのシャンパーニュを凌駕する交易都市が誕生しますから」
一見妥当に見える理由。
しかし、皇太子は猛烈にカラクタ伯爵を睨んだ。
「伯爵」
「はい？」
「私は心の中に他の意思を持っている者が好きではない」
それは警告。
カラクタ伯爵はしばらく黙っていたが、突然笑い出した。
「はは、そうです、殿下。実は他の理由がもう一つあります」
「言ってみろ」
「交易都市を助ける見返りに、首都で一つの事業に対する許可権を貰いたいのです」
「何のビジネスかな？」
カラクタ伯爵はニッコリと微笑んだ。
「文化事業です」
カラクタ伯爵からの提案。
流石に胡散臭いですよね・・・。
彼の求める文化事業の許可権とは？
