こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は143話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
143話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 疫病⑤
マリはオルンの条件を受け入れた。
(何をやらせようとしてるんだろう?)
マリは不安そうに思った。
明らかに彼女にとって極めて困難な内容だろう。
(正体を聞き直そうとしているのか?それとも皇太子殿下から離れろと?)
マリは考えを変えた。
(いいよ。今は伝染病を解決することだけに集中しよう)
マリは、オルンが支援してくれた人員たちと一緒に水路を調査しに向かう。
皇太子には特に告げられなかった。
高熱のせいか、彼がなかなか目を覚ますことができなかったためだ。
青白い顔で高熱に苦しむ彼の姿にマリは胸が痛かった。
(早く良くならないといけないのに)
彼女は急に心配になる。
(もしかして、もっと状態が悪化しないよね?もしも、もっと悪くなったりしたら?)
悪い方向に考えが伸びて、マリは強く首を横に振った。
(いいえ。もともと強かったので、すぐに回復されるはず)
努めてそう思ったが、不安な気持ちが消えなかった。
大丈夫だと思いながらもしきりに心配になる。
(あまり心配しないでおこう。帝国最高の名医である御医がずっとそばについているから、水路を調べて帰れば元気になっているかもしれない)
信じるというよりそうなることを切に願う気持ちでつぶやきながら、彼女は馬を走らせた。
「オン・ヒルデルン。どちらの方向に行かれますか?」
ソビエン公爵家の騎士が尋ねる。
オルンは本当に全面的に支援してくれて首都近くに留まるソビエン公爵家の家族が皆彼女に従った。
「まず、水深を確認させいただきます」
「上水源を確認しようということですね」
「はい」
マリはうなずいた。
しかし、心情を調べた彼女はがっかりした表情をする。
「綺麗。何の問題もない」
上水源らしく、水は清らかだった。
伝染病の誘発源とは想像できない。
(水でなければ水路に問題が生じたと見なければならない)
そう思った頭は漠然とした気持ちになった。
(水路を全部調査するの?)
水路は長さだけで30キロだ。
それをすべて調査するには多くの時間がかかることは明らかだった。
最低1週間以上はかかるだろう。
(それじゃ遅すぎる!その間に感染者が数え切れないほと増えるだろう。できるだけ早く調査を終わらせなけれはならない)
マリは悩みに陥った。
無闇に調べて近づくと砂浜で針を探すようなものになりかねない。
最大限合理的かつ計画的にアプローチしなければならなかった。
「水路の分布特性を見て不必要な部分は除いて、問題が生じそうな部分を中心に調査しましょう」
マリは水路が記された地図を見ながら人々に優先的に調査する部分を指示する。
すぐに人々が散り散りになり、水路を調べ始めた。
「お願い、早く・・・」
マリは焦りながら両手を取り合う。
彼女はベッドに横になっていた皇太子のことをずっと気にしていた。
早く調査を終えて皇居に戻り、彼が元気に起きている様子を確かめたかった。
そうして時間が経って調査を終えた人々が帰ってくる。
しかし、彼らが持ってきたニュースは良くなかった。
「異常がないって?」
「はい、ヒルデルン卿のおっしゃる部分を全部調べてみましたが、まったく異常はありません」
マリは困った顔をした。
(異常がない?それじゃあ、水路全体を全部調査しなけれはならないの?)
「もし見逃した部分があるかもしれないので、もう一度確認をお願いします。私も直接確認してみます」
しかし、調査を繰り返しても不思議な点はない。
マリは目の前が真っ暗になった。
(どうしよう?むやみに水路全体を調査すれば、時間があまりにも長くかかるだろうに。何かいい方法はないかな?)
マリは唇をかみしめながら苦悩にふけった。
漠然とした気持ちで30km全区間を調査すべきか悩んでいる時、彼女の目に不思議な点が入ってきた。
「え?」
マリは政府高官に尋ねる。
「ここの水路はどんな原理で水道に水が供給されるんですか?」
「それは落車によるものではありませんか?上水源が首都より高い場所に位置して
いるので、その落差の力で水が流れるのです」
役人は当然の常識をなぜ問うのかというような表情をした。
「100m当たりの落差が1cm程度しかないので、千年もずっと以前に生きた古代ローマ人の技術力がすごいですね。ところで、それはなぜ間くのですか?」
もちろん、マリも知らなくて聞いてみたのではない。
彼女はおかしいと言わんばかりに指摘した。
「ところで、なぜここの水の流れが円滑でないのですか?」
「え?」
「この部分の水の流れが前の部分より円滑ではありません」
官吏は目を大きく開ける。
マリの言う通りだった。
注意深く見る前は分からなかったが、本当に水の流れが円滑ではなかった。
マリは心の中で叫んだ。
(これは落車に問題が生じたんだ!)
うまく管理されていた水道橋に理由もなく問題が生じるはずがない。
彼女は解決の鍵を見つけたことを直感した。
マリは水の流れが円滑でない部位と再び円滑になる接点に向かう。
遠くない地点だった。
そしてそこに着いた彼女の瞳が揺れる。
水が流れる水路の下のある部分が少し上に上がっていたのだ。
まるで何かを中に隠しているかのように。
後を追ってきた官吏が下を確認してみて、皆が驚愕した。
「これは!?」
「とうして水路の下にこんな死体が?」
水路の下に数多くの腐ったネズミの死体が積まれていたのだ。
病気に苦しんで死んだネズミたちなのか正体不明の斑点が死体にいっぱいだった。
「これが伝染病の原因だったんだ」
彼女は青白い顔で考える。
この病気にかかったネズミたちの死体が今回の伝染病の原因であることは明らかだった。
ネズミの体から出た菌を人々が食べて病気になったのだ。
「これで伝染病を解決できる」
マリはこぶしを握りしめた。
原因が分かったので解決は容易だ。
このネズミたちの死体をなくし、水路から供給された水をしばらく避ければ、伝染病は消えるだろう。
そしてマリは首都を恐怖に追い込んでいた伝染病の原因を把握した。
無事に伝染病の原因を発見!
ネズミの死体を利用するとは、西帝国は許せませんね。