こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は90話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
90話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 有力な皇太子妃候補
そして彼らの一人が皇太子の隣に立っている少女を見て慎重に推測した。
「そういえば、フォン・ヒルデルンも一緒ですね。彼女をエスコートするために来られたのではないでしょうか?」
「そういえば宴会出席者名簿にフォン・ヒルデルンの名前があったが、もしかして・・・」
人々はひょっとしたらという表情をする。
普通、このような大規模な宴会の時は出席者の名簿を事前に知らせる場合が多い。
ところが、その出席予定者の中に皇太子の名前はなかった。
同行した女性の名前はあっても。
その言葉の意味は一つ。
信じられないことだが、皇太子は本来宴会に出席する計画がなかったが、あのヒルデルン令嬢をエスコートするために参加したという意味だ。
貴族たちは目を見開いてマリを見る。
あの鉄血の皇太子がエスコートをするなんて。
一体この意味は何だというのか?
「新年パーティーの時、ダンスも先にリクエストされたよね?」
「殿下はフォン・ヒルデルンに心があるという噂は本当なのか?」
「それじゃあ次期皇太子妃はヒルデルン令嬢が?」
ただでさえ皇太子妃を選ぶ戦いが露散し、次期皇太子妃が誰になるのか、皆多大な関心を持っていた。
人々は心の中で考える。
ヒルデルン令嬢の身分は低いが、それでも皇太子殿下が選んだ相手。
殿下の心が一番重要だ。
誰が皇太子殿下の望むことに反対するだろうか。
この帝国で皇太子の権勢は絶対的だった。
彼が自分の妻を決めたのなら、それで終わりなのだ。
「まあ、身分が低くてもヒルデルン令嬢なら悪い皇太子妃にはならないだろう」
彼女がどんな功績で爵位を受けたのか知らない人はいない。
前回の東方教国とのことから聖杯盗難事件まで。
皇太子がマリの功績を積極的に宣伝し、誰もが彼女がどのような活躍をしたかを詳しく知っていた。
おかげで彼女の明敏さを疑う人はいない。
宴会に出席した貴族の頭にマリの存在が刻印される。
有力な次期皇太子妃候補として!
意外にも否定的な視線を送る人は多くなかった。
一方で、その視線を浴びているマリは。
(いや、違いますから!)
泣きたかった。
彼らが皇太子と一緒に来た自分を見て、どう囁いているのか聞かなくても明らかだ。
気持ちとしては、いちいち回りながら勘違いだと説明してあげたかった。
「足元に気をつけるように」
「・・・はい」
その時、皇太子が高い床を登りながら彼女に手を差し伸べる。
マリは固い手を取り合ってため息をついた。
(実際・・・、人々の考えは完全に誤解ではないのよね)
皇太子は自分を望んでいる。
また、心から彼女を自分の妻にしようとしていた。
その考えは大きな異変がない限り実現する可能性が非常に高いだろう。
(はぁ)
マリは心の中でため息をつく。
神秘的な夢の能力を得た後から、なぜかため息が大幅に増えた気分だ。
望み通りに有能になったが、何だか受難の連続な感じだった。
(どうやっても逃げられる能力でも与えられれば)
もちろん、夢を通じてそのような能力が与えられる可能性はほとんどない。
夢の能力は、ただ他人を助けなければならない状況にだけ与えられるからだ。
「疲れたかな?」
「あ・・・、違います」
皇太子がマリを心配した。
「敢えて長く留まらなくてもいいから、疲れたらすぐ言うように」
マリは頷く。
出席することで招待されたことの礼儀は尽くしたので、適当なタイミングで退席すればいいだろう。
そのように二人はカタラク伯爵が別に用意してくれた貴賓席に座って宴会を見物した。
そんな彼らに高位貴族たちが近づいて挨拶をする。
「東部地方のヨルハム侯爵です。殿下にお目にかかります」
「ストア伯爵です。皇太子殿下のお目にかかれて光栄です」
皇太子は頷いて貴族の挨拶を受けた。
貴族たちは皇太子の隣のマリにも親しみを込めて話しかける。
「ヒルデルン令嬢は今日も美しいですね」
「殿下と本当によく似合っています」
その言葉にマリは困った表情をした。
皇太子妃になるかもしれない自分に前もってよく見せようとする言葉だからだ。
(ダメ。このままじゃ、明日の朝には首都全体に私が次期皇太子妃だという噂が広がっちゃう)
マリは彼らの誤った考えを変えなければならないと決心する。
しかし、隣にいた皇太子が先手を打ってしまった。
「そう言ってくれてありがたいね」
「・・・!」
マリは目を見開いた。
今の言葉は、自分との関係を認めるに等しい言葉だったからだ。
しかし、飲み物を飲んでいる皇太子は微動だにせず、厚かましい姿をしている。
貴族たちは二人の関係を完全に誤解したような目つきだった。
「やはり!殿下とヒルデルン令嬢の関係は!」
「それでは次期皇太子妃は本当にヒルデルンが?」
「お二人とも楽しい時間をお過ごしください。私たちはこれで失礼します」
貴族たちがマリを次期皇太子妃と考えるのも無理はないでしょう。
当人のラエルが広めようとしていますから。
ちょっと強引な気もしますが、それだけマリを求めているのですね。