こんにちは、ちゃむです。
「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

101話ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皇帝の願い
デビアモンギルドに戻ったディエゴは、鋭い目つきで席についた。
彼は手を挙げ、紫の光と黒い光が混ざった何かを生み出した。
しばらくして彼の黒魔法の召喚を受け、ブハが扉を開けて現れた。
「お呼びでしょうか、旦那様。」
「人間遊びをするのも疲れるな。見かけ倒しの儀式みたいなものだ。」
アリエルの肩に手を置いた姿勢をとってみたが、なんとなくむしゃくしゃして払いのけた。
正確な理由は分からないが、とにかくそうした。
ディエゴは椅子に深く腰かけた後、部下に言った。
「ロイドについて気になることがある。」
「カッシュ・ロイド侯爵のロイドのことをおっしゃっているのですか?」
魔王様は人間関係を楽しむのに慣れていて、長い間人間社会にいたが、ディエゴは政治や他の家門のことには関心がなかった。
だから、彼がどの家門について尋ねるのもとても珍しいことだった。
「そうだ、ロイドに関するすべての特記事項を。」
ロイドは帝国と大陸を通じて最も莫大な富を持つ名家であり、名実ともに帝国最高の商団である。
彼らが築き上げた富は非常に古くからあり、その名声もまた然りだった。
「彼らがどうやって富を築いたのか、いつから商団を運営するようになったのか。」
「知られているのは……」
ブハは目を細めて記憶をたどった。
「この国のいくつかの貴族と同じように、ロイド家も最初から帝国の名家だったわけではないと聞いています。昔、辺境に黄金の王国があったという伝説がありまして、その地の王族だったとか……」
「黄金の王国?」
「本当かどうかも分からない伝説のような話です。ロイド家の富がとてつもないという話が広まっていたりします。とにかく、昔どこかから亡命してきた家門だというのは確かです。」
「ふむ……。」
「他人の情報はあんなに漏らしながら、自分の情報は極秘にしているから、ロイドについて知れることはあまりありません。」
ディエゴも「黄金の王国」に関する話を聞いたことがあった。
レトが“太初の神”を崇めながら、そのような話をしていたのだ。
『太初の神の意志』が昔ある王国に一度だけ降臨し、その国が栄えたことがあるが、最終的に堕落して怒りを買い、太初の神が滅ぼしてしまった、というような。
果てしない物語だ。
『でも、あいつの背後にあったあの気配は……以前には見えなかったものだ。どうしてなんだ?』
ディエゴは目を細めた。
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皇帝が送っただけあって、大きくて豪華な馬車は私が乗るやいなやすぐに走り出した。
「さっきは……そんなに変には見えなかったよね?」
馬車の中で、私は両手で顔を覆った。
しばらくの間一生懸命読んでいた恋愛書籍は、私の社交性にはまったく役に立たないようだった。
うじうじしているうちに話が流れてしまった。
『それより今夜カッシュが来たのに……』
心臓がドキドキしていた。
私はしばらく考え込んでから、ため息をついた。
「落ち着いて、まず複雑なことは宮殿に行ってから考えよう。」
夜にカッシュと会ったら、何を言えばいいのか。私は赤くなった頬を両手で覆った。
[慈愛の神オーマンは、今夜あなたのベッドに赤いバラとムチを準備することをおすすめしています。]
[破壊の神シエルは、カイルも招待してくれとせがんでいます。]
[慈愛の神オマニが、慈しみ深くシエルの願いを許可します。]
私は虚ろな目でチャットウィンドウを見つめた。
ミッションを完了して後光が消えた後には、あの男の足跡は必ずや消し去ってやるつもりだ。
しばらくして馬車が皇宮の中に到着した。
私を迎えに来た官吏が馬車の扉を開けてくれた。
扉の前にはカイルが見えた。
「………」
カイルは黙って私に手を差し出した。
私はその手を取って馬車から降りた。
背後にいる騎士たちや侍女たちの数が普段より多い。
いつもと雰囲気が違って見えるのは、私の思い過ごしだろうか。
「皇太子殿下に八神の加護を。」
「ついてこい。」
カイルが私をちらりと見ると、そのまま私の手を握り、先に立って歩き出した。
「殿下?」
手を握られて引っ張られたので、私は戸惑いながら彼を見上げた。
[破壊の神シエルがカイルの暴力性を愛しています。]
[知識の神ヘセドがカイルの無礼さを支持します。]
[破壊の神シエルは、ヘセドの剣を尋ねます。]
カイルは長い廊下の途中で歩みを止めた。
「どこに行くんですか? 皇帝陛下に呼ばれてきたのに。」
ぽかんと立ち尽くして彼を見ると、彼が私の前に立っていた。
私よりずっと長い影が横に伸びていた。
高い身長と広い肩は、妙な威圧感を放っていた。
「アリエル。」
彼はしばらく私の額に手を当てて目を細めた。
「一つだけ聞く。」
私は怪訝な表情で彼を見ながら、咳払いをした。
「ええ。いくらでも。」
「皇太子妃になる気はあるのか?」
[愛の神オディセイがこの急展開に、食べていたトウモロコシスナックを落とします。]
[慈愛の神オーマンは、彼に玉座を提案するよう、あなたにささやきます。]
[破壊の神シエルは、彼のズボンとあなたの目を交互に見つめながら、あなたを失望させないだろうという視線を送ってきます。]
「えっ?」
突然の彼の言葉に、私は驚いた表情でカイルを見た。
赤い瞳から強い気迫が放たれていた。
一瞬呆然としたが、私は正気を取り戻して口を開いた。
「私は……違います。」
[破壊の神シエルがしくしく泣きながら、悲しい目であなたを見つめています。]
シエル、これは仕方ないよ。
私の言葉に、カイルの赤い瞳がわずかに揺れた。
彼は低い声で唇を動かした。
「理由は?」
「理由なんてありません。私は今、聖女として十分に満足した人生を送っていますから。」
「そ……それよりも……」
私は彼の目を見つめながら言葉を続けた。
「私たちはお互いに好意を持っているわけでもありませんし。」
その言葉に彼のまつ毛がぴくりと動いた。
「結婚って、愛し合う者同士がするものじゃないですか。」
[慈愛の神オーマン、結婚の第一条件として■■■の調和を提案します。]
[愛の神オディセイがこれに同意します。]
私は祭壇をひっくり返してしまおうか一瞬迷った。
「………」
一瞬の静寂が流れた。
遅れてカイルが唇を開いた。
「その時、縁談の手紙を受け取ったのが間違いだった。もうどうしようもなかったんだ。」
彼の鋭い視線は私に向けられていた。
「最初に皇太子妃の座を望んでいたのは、君だったのを覚えているか?」
[破壊の神シエルがカイルの言葉に激しく同意します。]
彼の言葉は間違っていなかった。
私ではない、以前のアリエルはカイルを好きで、そして皇太子妃の座を望んで妃になりたいと思っていた。
『でも、それは私じゃない。』
私は心を決めて彼に言った。
「それは以前の私です。今の私は違います。」
彼の目は威圧的な気配を放っていたが、私は落ち着いて言葉を続けた。
「そして当初、私は殿下の政治的安定のために聖女になったんです。殿下はいつも私の能力しか考えていないだけで、結婚したいほど私のことを好きなわけでもないでしょう?」
[知識の神ヘセドが、あなたの事実爆弾を愛しています。]
[破壊の神シエルが、あなたの冷静さに涙しています。]
私は妙な威圧感に打ち勝ちつつ、彼をじっと見つめ続けた。
彼は暗い赤い瞳で私を見つめながら言った。
「もし、僕が結婚したいほど君を好きだったら?」
彼が一歩近づいてきた瞬間、その気配がまるで今にも私を抱きしめそうなほどの強さで迫ってきた。
「もう少し考えてみてくれないか?」









