こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は94話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
94話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 結婚
私は首を捻って部屋の中を見回した。
窓の外で乾いた木の枝が揺れている。
残っている葉もあまりないが、風が一度通り過ぎると落ち葉がぱらぱらと落ちてきた。
最近、宮が静かに感じられるのは、どんどん冬が近づいてきたからかな?
それとも・・・。
「ノーマ、クララはいつ頃帰ってくるって言ったの?」
「今日か明日くらいには戻ってくるという手紙が来ました。遅くとも今週中には帰ってくるでしょう」
「そう。早く来てほしいわ」
クララが休暇を申請してから、いつの間にか2週間が過ぎていた。
毎日ワイワイ騒いでいた子供がいなくなると、宮が静かに感じられる。
「祖父が早く快癒したらいいのだけど。ノーマ、あなたの家は大丈夫?」
「はい。幸いにも、私の家には緑のものがあまりありませんでしたから」
冬が訪れる頃、緑の瓶も姿を消し始めた。
セレグリーンを使ったものを燃やすため、あちこちから立ち上る煙柱がよく見られると聞いたわ。
病気の原因・対処法も広く知られたが、簡単に緑の瓶を克服できなかった人もいた。
例えば、もともと体が衰えていた老弱者たち。
クララの祖父がそうだ。
よりにもよって、おじいさんの大好きな色が緑色だったとか。
色の好みが人を殺すものになるとは思わなかっただろう。
そのためクララは休暇を取って家に帰ったのだ。
そうして半月が過ぎている。
「何もないといいのだけど」
すると、廊下の方から急いで誰かが走ってきている音がした。
あっ、この騒がしくて嬉しい足音は?
聞きなれた足音に身を起こした瞬間、ドアが開く。
「帰ってきました、王妃様!」
「クララ!」
クララはマントをはためきながら中に入ってきた。
厚ぼったいマントを巻いていたが、寒さのためか頬が赤くなっている。
「わあ〜、王妃様会いたかったです!ノーマ様も!」
クララが入ってくるや否や、雰囲気がパッと明るくなった。
飛び跳ねながら全身で喜びを表すと、私も一緒に笑ってしまう。
「無事に帰ってこれた?」
「はい!何も問題ありませんでした!」
ふぅ、安心した。
いつものように明るい彼女の顔を見るとホッとする。
ノーマも私と同じ気持ちのようだ。
普段なら走り回るなと小言を言ったはずなのに。
「お祖父様はもう治ったの?」
「はい!いや、最初から痛くなかったと思います。病気を言い訳に呼んだのかと思うほどで」
「お祖父様がクララに会いたかったのね」
「私に会いたいのではなくて、私が結婚する姿を見たがっているようですが」
クララが頬を掻きながら苦笑いを浮かべる。
結婚?
クララが?
結婚するには少し早いんじゃない?
私の記憶だと、クララは18歳だったかな?
私の目にはまだ子供なのに、結婚だなんて。
この国では16歳から大人扱いされるから、早いわけではないのだが、いまだに慣れない。
多少落ち着かない私とは違って、クララは一生懸命お喋りしていた。
「久しぶりに家に帰ったら、両親とおばさんが婚約しろってうるさくて。肖像画をいくつも持ってきたんですよ!」
クララは膨れっ面をしながらよろめく。
よほど苦しめられたようね。
「クララは結婚したくないの?」
「ええ、特に結婚したいとは思っていません」
へえ?予想外だ。
こんなに断固として嫌がるなんて。
恋愛と結婚に凄く関心がある子だから、ちょっと驚いた。
毎回私とセイブリアンが上手くいくことを願い、他の下女や侍女の恋愛相談もよくしているし。
じっと話を聞いていたノーマが口を開く。
「意外ね。恋愛に関心があると思ってたけど」
彼女も私と同じ気持ちのようだ。
その言葉にクララは「ちっちっ」と舌打ちしながら人差し指を左右に振る。
「政略結婚が嫌なのです。肖像画だけを見て人生の伴侶を決めなければならないなんて!私は素敵な恋愛をしたいのです」
クララは演劇のように両手を組み、何かに取り憑かれたように虚空を見つめた。
そして、今度はノーマの方に体を向ける。
「ところでノーマ様は結婚しろと言われないのですか?」
突然自分に話題が振られて、ノーマは慌てた。
見た目は結構年上に見えるけど、彼女もまだ20代前半だから結婚の話は着ているだろう。
「たまに手紙はくるけど、急いでいないわ。それでも、いつかは結婚しなければならないでしょう」
「ノーマ様はどんな人が好みですか?」
「家が決める相手なら誰でも」
「ええ〜、正直に言ってくださいよ!」
二人がお喋りしている姿を見て、私はクスッと笑う。
その一方で気分が少し妙になった。
クララもノーマもいつまでも私のそばで侍女の仕事をすることはできないだろう。
いつかは二人も結婚するのだから。
ブランシュもいつかは結婚して宮殿を離れるのか・・・。
あれ?そういえば。
ノーマもクララもいずれは結婚して離れていくのですね・・・。
結婚した後も、アビゲールの侍女をするのは難しいのでしょうか?
ブランシュもいずれは・・・。