こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は100話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
100話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 魔法の時間
セイブリアンは愛される代わりに、苦しみながら育った。
苦痛を受けた人は二つの部類に育つ。
一つは、自分が受けた苦痛がどれほど痛いかを知っているので、それをそのまま返す人。
もう一つは、その痛みを知っているから、他人には絶対に苦痛を与えない人だ。
セイブリアンは愛について学ぶことが出来なかった。
その代わり、苦痛についてはよく知っている。
彼は彼が学んだ方法でブランシュを保護していたのだ。
生半可な剣で。
苦痛の証のようなブランシュを、あなたは全身を捧げて守っていたのね。
なぜか首筋が熱くなった。
セイブリアンのお粗末なやり方に、私は何と言えばいいのか分からなかった。
しばらく経って、ようやく私は口を開く。
「・・・ありがとうございます。ブランシュを守ってくれて」
いつかこの事実をブランシュにも知らせてくれることが出来るのだろうか。
あなたのお父さんが、あなたの馬鹿みたいなお父さんがあなたを守るために孤軍奮闘していたと。
その苦痛が何なのか知りながらも、あなたが受ける苦痛を代わりに受け入れてくれたと。
いつかは言えるのだろうか。
セイブリアンは訳が分からないという表情を浮かべる。
古く傷だらけの石壁が語るように、彼の声は淡々としていた。
「アビゲール、あなたは時々理解しにくい事を仰るのですね。特に感謝されることではないのですが」
「いいえ、当然感謝しなければなりません。ブランシュが、もし私の兄や弟と結婚するなんて想像もしたく・・・」
あまりにも酷い話だ。
セイブリアンは、やはり似たようなことを思い出したかのように沈黙していたが、口を開いた。
「ブランシュの代わりに結婚したことを後悔していません。最初は私も望まない結婚でしたが・・・」
彼は一度話を切り、私を見つめる。
飾られた瞳が優しく曲がった。
「今はあなたを伴侶として迎えられたことを幸せだと思っています、アビゲール」
崩れた石壁の上に日光が差し込み、その隙間から花が咲くようだ。
こんなに暖かいことが出来る人が、どうして愛されずに育ったのか。
なぜそのような苦痛の中で育つべきだったのか。
「私の家族になってくれてありがとう、アビゲール」
その言葉に全身が熱くなるような感覚に。
少し泣きたかったし、笑いたかったし、彼を抱きしめたかった。
「・・・私も」
私はセイブリアンと向き合う。
彼の頬を撫でて、彼の唇にキスをしたかった。
「殿下と家族になれて嬉しいです」
その時、遠くから微かな鐘の音が聞こえてくる。
午前0時を知らせる終日の鐘。
シンデレラは12回の鐘が鳴る前に去らなければならない。
セイブリアンも、いつも午前0時前に部屋を去っている。
12回の鐘が終われば、この魔法のような時間が終わってしまうのだろうか?
嫌だ。
セイブリアンをこのまま行かせたくない。
もう少しここにいてほしい。
しかし、私の哀願が顔負けするほど鐘の音はちょうど12回鳴って静かになる。
沈黙が訪れる。
セイブリアンは去らなかったが、何も言わなかった。
魔法の時間は終わったことに、私はようやく気づく。
そうだよね、このままいても、セイブリアンが困るだけだろう。
彼の苦痛が何なのか知っているから、私にはこれ以上触れることは出来ない。
言うべき話は全て終わった。
帰って休んでくださいと言おうとすると、セイブリアンが先に口を開く。
「・・・私も一つお願いをしてもいいでしょうか?」
彼らしくないモジモジした口調。
これほど自信のない姿を見るのは初めてだ。
一体何をお願いしようとしているのだろうか?
「はい、何でしょうか?」
「・・・」
セイブリアンは俯いたまましばらく黙り込み、そして顔を上げた。
彼の青い瞳と目が合う。
切実で美しい青い瞳と。
息が詰まるような目つきだった。
彼は何かを決心したように、震える声で話し始める。
「私たちがまた一緒に同室にするのはどうでしょうか?」
「同室?」
いや、でもセイブリアンは・・・。
私が躊躇っていると、彼は言葉を続けた。
「もちろん、あなたが私のことを好きではないことを知っています。同室を嫌っていることも知っていますが・・・」
彼と一緒にいるのは嫌なことではない。
だけど、私が本当にセイブリアンと一緒の部屋にいてもいいのだろうか?
そう自問しながらも、断ることは出来なかった。
断りたくなかった。
あんな目つきを見て嫌だと言える人は存在するのだろうか?
セイブリアンの瞳に数々の色が込められている。
凄艶で切ない色のブルー。
私はあんな色を見たことがない。
あれほど美しい色を見たことがない。
「・・・いいですよ」
手探りで受諾の言葉を伝えると、狂ったように口が焼けて、顔が自然と火照ってしまう。
だから、私はわざと陽気なふりをした。
「また何か言われた面倒くさいですから。一緒の部屋で寝れば静かになるでしょう!」
決して他の気持ちがあるわけではない!
大臣たちを騙すためにするだけよ!
神様!
私は潔白です!
決して、私がセイブリアンともっと一緒にいたいからではありません!
アビゲールとセイブリアンの仲が急接近しましたね。
見ていてニヤニヤしてしまいます(笑)
ついに同室になることになりましたが、ここからの二人に要注目です!