こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は139話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
139話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- すれ違い
多事多難な一日がようやく終わった。
私はベッドに横になって安堵のため息をつく。
本当に色んなことがあった。
ギドオンがブランシュに接近することを防ぎ、ヴェリテの存在を二人に知らせ、寂しがっていたブランシュにも友人ができた。
考えてみれば良いことが多い一日だった。
それでも私の心はなぜか落ち着かない。
理由はセイブリアンだ。
アビゲールの姿を借りたヴェリテがセイブリアンに近づいた時、彼が驚いた姿が鮮明に残っている。
そしてまた、鏡の部屋を出る時、セイブリアンが見せてくれた表情もそう。
彼の表情は氷点下の温度で凍りついていた。
なぜ彼はあんなに怒っているのだろうか?
実際、腹が立つ理由はたくさんある。
いくら私生活を保護したとしても、その事実を隠して宮内を監視していたのは否定できないし・・・。
私がセイブリアンの立場だったら怒るだろう。
彼にきちんと謝罪をしないと。
けれど、寝室の中には私だけ。
時計を眺めると、いつの間にか夜12時になろうとしている時刻、
セイブリアンは今日来ないのだろうか?
怒っているから?
それとも私に会いたくないから?
肩から力が抜けていくのが感じられた。
彼の顔が見たい。
一人でいると不安な気持ちがますます大きくなった。
空いているベッドが寂しかった。
こんなに広いベッドだっただろうか?
一人で寝たくない。
セイブリアンと顔を合わせて、彼に謝罪を伝えたかったのに。
早く来て、セイブリアン。
私は心の中でその名を呼んだ。
今日ほどセイブリアンに会いたいと思ったことはない。
その時、午前0時を告げる鐘が鳴った。
別々に寝ることもあるよね?
そう考えよう。
数えきれないほど自分をなだめた瞬間。
暗闇の中でドアが開く音が聞こえてきた。
すぐに見慣れたシルエットが。
セイブリアンだった。
彼の顔を見て、私は少なからず安堵する。
怒っていても一応は来てくれるのね。
その事実がただ嬉しかった。
中に入ったセイブリアンは、寝室の中が明るいという事実に驚いた様子だ。
ベッドの背もたれに身を寄せていた私と正面から視線が合う。
「・・・まだ寝ていなかったのですね」
彼が寂しそうに呟く。
私が眠った後を狙って入ってきたようだ。
その事実を少し残念に思ったが、表には出さない。
「はい、殿下をお待ちしておりました。話したいことがあったので」
「私を待っていたのですか?」
反問するセイブリアンの声には怪しさが滲み出ていた。
しかし、気分を害したわけではなさそう。
ゆっくりと私の近づいてきた。
「遅くなってすみません。もっと早く来ないといけなかったのに」
私たちの肩がすぐに届くくらいに近かった。
セイブリアンはじっと私の顔色を伺って尋ねる。
「仰りたいことは何でしたか?」
「あの・・・、えっと・・・」
セイブリアンが横に座ると、溶け込んだ不安感が再び現れ始めた。
覚悟を決めて目を閉じる。
いろいろな言い訳をするより、素直に謝った方がいいはず。
「すみません、殿下。怒ったでしょう?」
「・・・そこまでではありません」
分かっていたけれど、少しだけ拗ねてしまう。
しばらくして、セイブリアンは素早く言葉を変えた。
「いや、怒っていません。失言です」
「怒っているじゃないですか。私でも腹が立ったはずです。あのように黙って監視されていれば___」
「え?」
「え?」
うん?
何かおかしいんだけど?
私はセイブリアンの顔を眺めた。
彼も理解できないような表情を浮かべている。
「私がヴェリテと内宮を監視したことで怒ったんじゃないのですか?」
「安全のためじゃないですか。よくやってくれました」
「それじゃあ、何に怒っているのですか?」
やっぱり私の顔のせい?
セイブリアンはしばらく躊躇った後、視線を逸らして呟く。
「彼があなたを、ビビって呼んだじゃないですか・・・」
ビビ。
彼の口から出た愛称に固まってしまう。
「ビビ」というのが私を指すことに、しばらく経ってから気づいた。
「ヴェリテが私をビビと呼んでいたことに怒っているのですか?」
「はい」
「なぜでしょうか?」
「私にも分かりません。ただ彼があなたをビビと呼んだとき、少し腹が立ちました。アビゲール、私はあなたに怒ったのではありません。彼に腹が立っただけです」
セイブリアンの表情には、まだ拗ねている様子が残っていた。
その事実に私は当惑せざるを得ない。
そんなことで彼が気を揉んでいるとは思いもしなかったから。
ずっと表情が険しかったのは愛称のためだったなんて。
私の顔を見て不機嫌になったわけではないのね・・・。
やっと肩から力が抜けるような気がした。
しかし、セイブリアンは依然として残念な様子。
私は慌てて言った。
「ヴェリテが私をビビと呼んだことに深い意味はありません。殿下もお望みでしたら気軽にお呼びください」
私の名前は長いから短く呼べば楽でしょ?
別に特別なことではない。
それにもかかわらず、セイブリアンの両目には驚きが満ちているのが見えた。
「私が・・・、あなたをそう呼んでもいいのですか?」
「はい、もちろんです」
彼は大きな勲章でも受けた人のように驚いている。
本当に不思議だ。
たかだか愛称を呼ぶに過ぎないのに、なぜあんなに慎重で、なぜあんなに喜ぶのだろうか?
セイブリアンの二つの瞳が夜空を映したかのように奥ゆかしい。
彼は言葉を学んだ子供のように、唇を恐る恐る開いた。
「・・・ビビ」
その声を聞いて、私は息が詰まるような思いに。
私の愛称を呼ぶセイブリアンの声が、くらっとするほど甘かったから。
アビゲールとセイブリアンの会話が甘過ぎます!
二人の勘違いが面白いですね♪