こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は169話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
169話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セイブリアン
私の言葉を聞いて、ヴェリテはただ静かに本をめくる。
「そうだね。君の魔力が膨大だから代価も大きすぎる。むしろ動物に変わる呪いをかけた方が簡単かもしれない。これはどう?」
この人は本当に!
セーブルが動物に変わるのも当然嫌だよ!
想像すると少し可愛いけれど・・・。
「でもちょっと意外ね。恋に落ちる呪いは代価が大きいの?大したことないように見えるけれど」
「うん。人の心を変える魔法が一番難しいものだから」
魔法でさえも心を変えるのは難しいことなんだね。
恋に落ちることが改めて凄いことだと思った。
「ところで、最近の友達はどう?」
ヴェリテの質問に、私はしばらく彼を見つめた。
彼の瞳からは心配が感じられる。
「友達」とはあの時のことだろう。
ヴェリテなら気づいていると思うけど。
「その相手の男は何も言わないの?告白とか、デートの申し込みとか・・・」
「うん。ただ過ごしているだけ」
私は平気そうに笑う。
大丈夫。
彼女は大丈夫。
愛さなければ失恋する必要もないのだから。
呪いにかからなければ鍵を外す必要もないのだから。
だから何の問題もなかった。
ヴェリテが黙って私を見ているが、私はただ笑ってばかりいる。
日差しの中で、セイブリアンは目を開けた。
少し離れた机の椅子に座っていたミラードは微動だにせず書類を見ている。
セイブリアンは低い声で呟く。
「うっかり居眠りをしていた」
「え?」
その言葉にミラードは驚いて彼の方を振り返る。
セイブリアンは執務室の机の前に座り、片手でこめかみを押さえているままだった。
ミラードはその姿勢がとてもはっきりしていたので、彼が昼寝をしていることさえ知らなかったのだ。
昼寝。
殿下が昼寝だなんて。
ミラードはその事実に驚いていた。
彼としては想像もできないことだったから。
「殿下、何かあったのですか?」
「最近は遅く寝ているから、つい寝てしまったね」
アビゲールが夜眠れないのと同じくらい、彼も眠れなかった。
一日一人部屋を使って再び会うと、彼女と分かち合う時間がさらに切なくなる。
しかし、アビゲールがそばにいるという事実だけでも緊張して興奮して眠れなかった。
暗闇の中でアビゲールの顔は見えなかったが、彼女は確かにそばにいる。
目を閉じても鮮明に聞こえてくる息遣い、彼女の香り、指に触れる髪の感触。
それら全てが不眠の理由だった。
明日また会う人なのに眠れなかった。
「そ、そうですか。あまり無理はしないでください」
ミラードは少しの心配と恥ずかしさに満ちた顔で言う。
数日間眠れずにいるという言葉を、彼は少し違った意味で解釈したのだ。
いや、他の人たちもミラードと同じように理解するはず。
同室をしている夫婦が睡眠不足だなんて、答えは一つだけなのだから。
「料理長に気力に良い料理を作るように言っておきます。それでは、これで失礼致します」
ミラードは咳払いをして執務室を出ていく。
セイブリアンは眉をひそめながら、ミラードの後ろ姿を眺める。
気力に優れた料理は睡眠不足の自分に配慮してだろう。
でも無理しないでとは?
一体どういう意味なのか理解できなかった。
自分が緊張して眠れないことをミラードが知るはずがないのに。
しばらく悩んでいると、どこかから声が聞こえてきた。
「セイブリアン、話をしよう」
痛烈な少年の声が聞こえてくる。
セイブリアンは黙々と鏡に視線を向けた。
「ビビに何かあったのか?ヴェリテ」
鏡の中の少年に向かってセイブリアンは無感覚な声で尋ねる。
優しい態度ではなかったが、以前のように冷遇するわけでもない。
ヴェリテは、あの時約束した通りアビゲールに何かあるたびに報告をしてくれた。
彼はそれにとても満足していたのだ。
最近はレイブンやギデオンも静かなので、何事もなくて良かったが、もしかして何かあったのだろうか。
「お前、アビゲールを遊んでいるのか?」
ヴェリテが酷く腹立たしい顔で尋ねる。
突然の言葉にセイブリアンは目を細めた。
「どうしてそんなことを言う?やっぱり君がビビを気にしていたからかな?」
「何度も言うが、私はアビゲールが好きではない。そういう君はアビゲールが好きなのか?」
「もちろん好きだ」
そしてセイブリアンはしばらく躊躇った後、言葉を付け加える。
「・・・家族として」
その言葉にヴェリテは酸っぱくて苦いものでも食べたかのように顔を皺くちゃに歪めた。
その答えを聞いて腹が立ったのだ。
そんな生ぬるい態度を見せているから、アビゲールが余計な悩みをしているんじゃないか!
人間ではない鏡から見ても。アビゲールへのセイブリアンの心は単なる親愛よりも恋心に近かった。
それにもかかわらず、当の当事者は「家族として」好きだと言っているとは。
ヴェリテは鬱憤をグッと堪える。
「本当に家族として好きなの?愛じゃなくて?」
「愛?」
アビゲールの恋心が見ていて辛い・・・。
ヴェリテの言葉で、セイブリアンはアビゲールへの恋心を自覚してくれるのでしょうか?