こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は29話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
29話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ダンスのお誘い
謎の寒気がセイブリアンの首筋を掠めて通り過ぎる。
「殿下、どうかなさいましたか?」
「大したことではない。急に寒気がしただけだ」
少し暑いが散歩をするにはいい天気だ。
そういえば、ブランシュとアビゲールがよく散歩をしていると聞く。
半年前までは想像すらできない状況だ。
「王妃様とは最近仲良くされているそうですね」
ミラードが少し膨れっ面で話す。
「ただ食事を周期的に一緒にするだけだ。それにブランシュと一緒に食事をする環境をお前も賛成しなかったか?」
「殿下とブランシュ姫が親しく過ごすのはいいことですが、私はまだ王妃様を信じることができません」
ミラードはため息をつく。
彼にとって最も重要なのは、セイブリアン、そしてブランシュの安全なのだ。
「この前のナッツマック事件も私は依然として疑っております。ジェレミー夫人が自白をしたことも、突然王妃様がその料理を食べたことも」
「アビゲールが関与していると・・・?」
「王妃様は、以前に自ら毒を召し上がったことがあるじゃないですか」
ミラードの心の中では、アビゲールは悪人だった。
幼い姫様を妬み、虐めていた悪女。
人間がそう容易く変わるはずがない。
そのためか、最近のセイブリアンの活動があまり好ましくなかった。
悪女の策略に、自分の主人が騙されているような気持ちを抱いていたのだ。
「私もアビゲールを無条件に信じているわけではない。ジェレミー夫人が自主をしたからといって、アビゲールを疑うのは度を過ぎている」
「・・・はい。殿下の仰る通りです」
ミラードのそのような態度に、セイブリアンはしばらく考え込む。
自分はアビゲールを愛している?
いいや違う。
これは親愛というよりは好奇心に近い感情だ。
「殿下、王妃様が謁見を要請されております」
「アビゲールが?」
庭の入り口を見ると、アビゲールが立っているのが見えた。
セイブリアンが許可の意味で頷くと、間もなくしてアビゲールが近づいてくる。
彼女は無表情のまま礼儀正しい挨拶をした。
「お元気ですか、殿下。今日もお疲れ様です、ミラード卿」
ミラードは頭を下げることで答えた。
以前の彼女なら無礼だと怒っていたが、今のアビゲールは、ミラードが返事をしなくても取るに足りない様子だった。
「殿下、二人きりでお話ししたいことがございますが、よろしいでしょうか?」
「分かった。席を外してくれ、ミラード」
ミラードは主人の命令に従い、少し離れた場所から二人をじっと観察した。
「それで話したいことは何ですか、アビゲール?」
「そ、それが・・・」
アビゲールはしばらく躊躇った後に、口を開いた。
「できれば今度の建国祭舞踏会の時に、私と踊ってもらいたいのです」
「ダンスを?」
アビゲールが黙ってうなずく。
「殿下がダンスをお嫌いなのは知っております。ただ、ちょっと困った状況になりましたので、このようにお願いすることになりました」
「一体何が?」
「クローネンバーグから知り合いが来たのです」
クローネンバーグという言葉を聞くと、大体何があったのか分かるような気がした。
どうやら、アビゲールの実家がプレッシャーを与えたようだ。
子供が生まれなければ最も不利なのはセイブリアンではなくアビゲールだ。
セイブリアンにはブランシュがいる。
しかし、アビゲールはそうではない。
子供を産めない王妃がスキャンダルに巻き込まれるのが常なのだから。
「私の実家では、私と殿下の不和によって子供ができないようだと推測しているらしいのです」
日陰のせいか、アビゲールの表情が少し暗く見えた。
「一応、否定はしたものの、信じている様子ではなかったです。ですので今回の建国祭の時に・・・」
「一緒に踊らないと不和説がさらに大きくなりますね」
アビゲールがもう一度うなずく。
ダンスを勧められるのは初めてではない。
昨年の建国祭の時も、アビゲールが自分にしがみついて、一度だけ踊ってほしいと哀願したのだから。
しかし、何か感じが違った。
目つきのせいだろうか。
死ぬ前、アビゲールの瞳には、いつも貪欲が溢れていた。
自分を手に入れたくて、途方に暮れていた目つきを。
セイブリアンはその目つきが嫌いだった。
「彼女」も似たような目つきをしていたから。
けれど、今自分を見つめる目は、同じ紫色に瞳だが違う色のように見えた。
あの貪欲さが感じられなかったのだ。
ちょっとした心配と、息苦しさなどが見えるだけ。
しかし・・・。
「すみません」
セイブリアンは踊れない理由を言うべきかしばらく悩んだ。
しかし、彼女はどのみち本当の理由を言っても理解できないだろう。
だから、彼は適当な嘘をつくことにした。
セイブリアンの過去も複雑な事情がありそう・・・。
それは前王妃との件でしょうね。
ブランシュも関係があるのでしょうか?
ダンスを断られたアビゲールは、どんな反応を示す?