こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は199話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
199話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 荒波の猛威
船上から見上げる夜空は、いつものように黒かった。
暗雲がかなり濃く立ち込めていたため、星明かりはもちろん、月明かりまで曇っている。
甲板に出てきたアビゲールは、自身の頬を掠める荒い海風を感じた。
昼間は穏やかな海だったが、今はかなり波が激しくなっている。
マストにぶら下がっていた帆が荒々しく舞う。
悪天候のためか陸地から遠ざかったためか、海鳥は見えない。
「本当にブランシュの言葉通り、風が荒れたわ」
念のため船長に今後の航海は大丈夫か聞いてみたら、「夜になると風雨が少し吹きそうですが、大きな問題はありません」と話した。
ブランシュもカモメが大きな望むではないと言っている。
アビゲールは安堵する一方、ブランシュの能力に感心していた。
彼女は冷たい夜風を吸い込んだ。
一日中部屋の中にいたので息苦しかったが、外の空気を吸うと爽快な気分に。
乗り物酔いもだいぶ収まった。
アビゲールは散歩がてら広いデッキの上をゆっくり歩いて、後尾に到着する。
彼女は手すりにもたれかかった。
夜の海は美しいと同時に言葉では言い表せない圧倒感を与えている。
昼間も終わりが見えない深さだったが、夜に見ると尚更だ。
まるで自分の魔力の色のよう。
ブランシュの魔力はどんな色なのかな?
ブランシュには魔力があって、それは黒ではないだろう。
それでも不安だった。
もし黒い魔力だとしたら?
万が一の事態に備えて動物の言葉が聞こえるという事実は周囲に知らせていない。
けれど、セイブリアンには言ってもよさそうだ。
今は夜明けだから、多分眠っているだろう。
あえて眠りを起こしたくはなかったので、明日伝えることにした。
その時、アビゲールはふと自分の顔に触れて砕ける水滴を感じた。
海水が飛んだのかと思ったら、上を見上げると雨が降っている。
船長は風ではなく雨風が降るだろうと言った。
まだ小雨。
波の音と帆を鳴らす音がうるさくて雨粒が当たる音は聞こえない。
しかし、ずっと雨を浴びているわけにもいかない。
短い散歩は残念だったが、帰らなければならなかった。
そう思いながら身を引いた瞬間。
誰かが一気に押す感触と同時に両足が浮かんだ。
アビゲールの体はあっという間に前屈みになる。
何かを捕まえようとしたが、手は宙だけを握った。
慌てた中、自分を押した人が目に入る。
薄暗い上に布で顔を覆っており、赤い髪と船員の服装だけが確認できた。
そしてあっという間に水面と衝突する。
全身が殴られたように痛かったが、その痛みを感じる余裕がなかった。
口と鼻から入ってくる海水に夢中で。
「だ、誰か!助けて!助けて!」
アビゲールは悲鳴を上げたが、波の音がそれを飲み込み、彼女も飲み込んだ。
水で濡れたドレスがしきりに彼女を引っ張る。
助けを求めるために大声を出すと、口の中に塩辛い水が入ってきた。
海がますます荒れていた時、誰かの声が聞こえてくる。
「誰かが海に落ちた!」
乗組員が大声で走り回っている。
乗組員たちが慌てて救命胴衣を投げようとした時、誰かがロープを掴んで自分の腰に縛った。
彼は隣に立っていた船長に話す。
「2回引っ張ったら引き上げてくれ」
「え?」
そして、その言葉を終えるや否や、セイブリアンは海に飛び込んだ。
船員たちが止める暇も与えずに。
恐怖、焦り、興奮でセイブリアンの顔は青ざめていた。
冷静にロープを結ぶ手が震えているのを見た人はいない。
海のせいでセイブリアンが泳ぐ音さえ聞こえなかった。
彼は辛うじて水中で目を開けて辺りを見回す。
アビゲールが見えなかった。
アビゲール。
彼はその名を叫びたいのを辛うじて堪える。
視界が不確実であり、今は夜。
その時、幽霊のような存在が。
白い髪と裾が水の中でぶらぶらしていた。
セイブリアンの心臓が激しく鼓動する。
彼はアビゲールに近づこうともがいた。
荒波をかき分けて、ようやく彼女を後ろから抱きしめる。
アビゲールは気絶したように見えた。
セイブリアンが力いっぱいロープを2回引っ張ると、甲板上の船員が叫んだ。
「引っ張れ!」
声が張り裂けそうな叫び声とともに、2人が水面上に引きずり上がってきた。
雨粒が激しく頬を叩く。
セイブリアンはアビゲールの口元に手を当てる。
か細い息が感じられた。
しかし安堵するのも束の間、巨大な波が押し寄せて船体を殴る。
誰かが真っ青な悲鳴を上げた。
「ロ、ロープが!」
その叫び声は聞こえなかったが、セイブリアンは張っていたロープがプツンと切れるのを感じる。
二人は再び水面に引き摺り下ろされた。
セイブリアンは彼女を連れ上がろうともがいたが、海は静かで残酷だ。
魔力ランタンが徐々に沈み、光が遠ざかっていく。
セイブリアンの呼吸もだんだん苦しくなった。
波が吹き荒れるたびに意識が薄れ始める。
そんな中、彼はアビゲールを決して手放さなかった。
セイブリアンは気絶する直前、ぼやけた視界の間に赤い何かが近づいてくるのを見る。
美しい声が聞こえたような気がした。
アビゲールを落とした人物と、セイブリアンが最後に見た人物は一緒?
まさかの急展開!
二人は無事なのでしょうか?