こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は207話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
207話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 領主からの贈り物
「そんなはずがないでしょう。殿下がどんな方か分かっているでしょ?」
「それが、いくら記憶喪失だとしても、この町の人なのにあえて本宮に連れて行く理由がないじゃないですか。それも会ってすぐに。そのため、情婦にすると考える人が多いそうです」
それを聞くと、私は水をかけられたような気がした。
そうだよね、考えてみたらおかしいんだけど?
私はナディアが人魚だということを知っているけど、セーブルは人間だと思っているはず。
東部領主にナディアを預けて家族を探してあげるのが一般的な反応だろう。
それなのに、どうしてあえてナディアを連れて行こうとするの?
そうするうちにふとセーブルとナディアが初めて向き合った時を思い出した。
セーブルはじっと彼女を見ていた。
まるで恋に落ちた人のように。
その上、倒れたナディアに手を差し伸べたりもした。
私以外の女性には指先一つ触れられない人だったのに。
まさか・・・?
「王妃様、準備はできましたか?」
「え?うん、すぐ行くわ」
そうしていると、ノーマが私を迎えに来た。
もうすぐ夕食の時間なので急がなければ間に合わない。
頭がごちゃごちゃになった状態でテーブルの前に座る。
初日よりずっと豪華な料理が用意されていたが、実はどんな味なのか分からなかった。
ナディアとセーブルのことを考えていたからだ。
ナディアがセーブルに興味があることに気づいたときは、ただ気分がおかしくて気持ち悪いだけだった。
でも、もしセーブルもナディアが好きだったら?
そうすると話が変わる。
もしそうだとしたら・・・。
「アビゲール?」
セーブルの声に私はサッと顔を上げた。
テーブルの前に座っている人たちは、みんな私を見つめている。
ブランシュは特に心配している様子だ。
物思いに耽って会話に集中できずにいた。
私は慌てて微笑んで口を開く。
「はい。どうされましたか?」
「領主が王妃にあげるプレゼントがあるそうです」
プレゼント?
いつの間にか領主がベルベットで包んだ小さな箱を一つ持っていた。
彼女は私の不注意を責めることなく笑顔で口を開く。
「遠いところまでお越しいただいたことに感謝する意味でプレゼントを用意しました。お気に召すといいのですが」
そう言ってウンディナ領主が箱の中身を取り出す。
それはかなり古風なデザインのブローチだ。
数多くの真珠で飾られた中に、波と三枝槍を形象化したような紋様が刻まれていた。
「代々受け継がれてきたものです。数百年前、人魚が私の家にプレゼントしてくれた物だそうです。この品物を王妃殿下に捧げたいのです」
え?
代々受け継がれてきたブローチ?
私は慌てて手を振った。
「いいえ、こんな貴重なものはいただけません」
「私たちの地域を象徴する服を作ってくれたではありませんか。その報いです」
せいぜいブランシュの服を一着作っただけなのに?
実際に領主が受けたものではなかった。
しかし、彼女は粘り強く私を見つめる。
「また殿下の無事に帰還したことを記念する意味もありますので、どうぞ受け取っていただきたいと思います」
うーん、どうしよう・・・。
気持ちとしては断りたいが、そうしたら領主はガッカリしそうだ。
私は最終的にブローチを受け入れた。
「ありがとう、大事にしまっておきます。ところで、人魚がくれた宝物だと聞きましたが」
「ええ、その通りです」
「人魚と人間は敵対関係だと聞いていますが?」
その問いに領主はほのぼのとした笑みを浮かべる。
「ここに刻まれたのは人魚王家の紋様だそうです。数百年前には人魚王家にプレゼントを送るほど交流があったそうです。私の家門が繁栄したのは人魚の助けを受けたおかげだという話しもあるほどです」
領主は笑みを浮かべたまま話を続けた。
「人魚は漁船を沈没させますが、暗礁を避けてくれることもあります。人魚たちの助けを借りて満船に戻ったという話も古文書に書かれています」
それは微かで古い話。
一時は現実だったが、今では夢のような話だ。
ブランシュはその話を聞いて残念そうに言った。
「人魚と仲が良くなるといいのですが」
そうだね。
人魚と人間が友好的な関係になれば、いろいろ役に立つようになるだろう。
一瞬、何かが脳裏を掠めて通り過ぎた。
私は手に握っているブローチを見下ろす。
それは東部に繁栄をもたらした人魚の遺産だった。
セイブリアンがナディアを本宮に連れて行く理由をアビゲールに伝えれば、こんな誤解は起きないのですが・・・。
領主から貰った人魚の遺産。
これが今回のキーアイテムの予感がします。