こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は58話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
58話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 盗難事件
突然の盗難事件で皇居が大騒ぎになった。
侍女たちは不安そうな表情でヒソヒソ話をする。
「一体誰が聖杯を盗んだのかしら?」
「聞いたところでは皇居内部の人間の仕業である可能性が最も高いそうよ?」
「内部者?」
「ええ、部外者が真夜中に首都警備隊と近衛騎士団の境界を突き抜けて大聖堂内部まで入ってくるのは不可能だから。皇居内部に人間が密かに大聖堂に入って盗んだ可能性が高いみたい」
正しい言葉なので他の人たちは頷いた。
「それじゃあ、一体誰の仕業なのかしら」
「そうね、分からないわ」
「怖いわね、このままじゃ余計な濡れ衣を着せられるかもしれないし」
下級侍女たちが身震いする。
こんな事件に誤って火の粉を浴びると大変なことになるだろう。
できるだけ目立たないようにしなければならない。
「ただでさえ親衛隊と近衛騎士団が聖堂周辺の人々を中心に捜索しているそうよ。もし発見されるものがなければ、皇居全体をくまなく探すでしょうね」
「気をつけないといけないわね」
会話をしていた侍女たちが緊張した表情を浮かべる。
しかし、そのように皇居が薄氷で覆われていた時、密かに余裕のある表情で鼻歌を歌っている人物がいた。
イーストバーン伯爵家の令嬢レイチェルだ。
「お嬢様、何を見ているのですか?」
「ああ、ここ別宮の雇用人たちの雇用帳簿よ」
皇太子妃は今後、皇居内部を総括しなければならない。
そのため、その資質を調べるために、候補期間中は自分の離宮管理は自分で行うことになっていた。
普通、雇用人の管理は経験のある専属侍女に任せる場合が多かったが、レイチェルはいちいち自らが全て面倒を見ている。
「私はそれをどれだけ見ても分からなかったです」
「あなたは知ってはいけないわ。私が管理するものなのだから」
「そうなのですか?それよりお嬢様、今日は気分が良さそうですね」
「ええ、まあ」
レイチェルは妙な笑みを浮かべた。
侍女がため息をつく。
「聖杯が盗まれたそうですが、お嬢様は心配ではありませんか?」
「まあ、皇太子殿下が自分で解決するでしょう。殿下のそばには何でも解決する「皇居の天使」もいるしね」
棘のある言葉だったが、侍女は最後まで聞き取れなかった。
「あ、お嬢様。お手紙が届きました」
「手紙?どこから?」
「正確には分かりません。「親愛なる親友から」と書かれていましたよ?」
レイチェルの目は、その言葉に低く輝く。
「そう?じゃあ読んでみないとね。あなたはもう仕事に行きなさい」
「はい、必要なことがあれば呼んでください」
侍女を送り出したレイチェルは、周りに人がいないか確認した後、注意しながら手紙を読んだ。
手紙にはオルスデン家のカタラク伯爵が送ったと書かれていた。
もちろん、それは表面上の発信者に過ぎず、レイチェルはこの手紙の本当の発信者が誰であるかを知っている。
レイチェルは書類を見つめた。
彼女が見ている書類は、別宮の雇用者の雇用帳簿だ。
一日が過ぎて二日が経ったが、捜査には進展がなかった。
皇居を閉鎖した後、大聖堂周辺の人々の住居を隅々まで探したが、聖杯は依然としてゴリ夢中だ。
捜索範囲は全方位的に拡大した。
特にクローヤン王国出身の侍女たちは潜在的容疑者として捜索されることになり、マリも当然捜索を受けることに。
「すみません、マリちゃん」
「いいえ、閣下」
マリは首を横に振った。
彼女の宿舎を捜索しに来たのはキエル。
友人に配慮して親衛隊団長の彼が直接訪問したのだ。
「できるだけ不便にならないように、すぐ終わらせるようにします」
どうせ彼女が犯人である可能性はないので、キエルはサッと探索するフリをして終わらせるつもりだった。
しかし、マリは首を横に振りながら言った。
「いいえ。閣下と個人的な親交があるからといって恩恵を受けることはできません。他の宿舎と同じように調査してください」
その言葉にキエルは優しい笑みを浮かべる。
「かしこまりました。それでは失礼をお許しください。できるだけ慎重に捜索するように」
「はい、団長!」
キエルが命じると、同行した親衛騎士団の騎士たちがマリの宿舎を捜索し始めた。
マリはその様子を見ながら口を開く。
「ご苦労様ですね」
「いいえ。ですが捜索の成果がありません。このままでは聖杯が見つからないので心配です」
マリも、キエルの心配に同意した。
きっと聖杯は皇居の中にあるだろう。
しかし、幽霊のような犯行を犯した泥棒が果たして探しやすいところに聖杯を隠すはずがない。
(大聖堂で手がかりを見つけないと。きっと手がかりがあるはずだわ)
幽霊でない以上、本当に空から隔室に落ちることはなかっただろう。
マリはまず泥棒が聖杯を盗んだ方法を調べなければならないと考えた。
『心配するな。地中に消えたり、空に消えたりすればいいのだから。私たちは方法を知っているだろ?』
(あの言葉はどういう意味なの?)
思い出せそうで思い出せないようにぼんやりと頭の中を通り過ぎる。
マリが眉を顰めているとき、皇室騎士団の騎士がキエルに何かを言った。
「団長」
「何か?」
「それが・・・」
耳打ちを聞いたキエルが困った顔をする。
彼はマリに申し訳ない表情で言った。
「申し訳ありませんが、急いで紫雲宮に帰らなければならないようです」
「ああ、はい。私のことは気にしなくても大丈夫ですから」
「それでは、またお目にかかります」
キエルは宿舎を捜索する騎士に「よろしく頼む」と言って姿を消した。
宿舎には親衛騎士団の騎士二人とマリだけが残ることに。
騎士たちは埃一つも見逃さないように隅々まで部屋を捜索する。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
部屋の捜索がほぼ終わった頃、騎士がマリに尋ねた。
「ヒルデルン、このドアは何でしょうか?」
「あ、衣類を保管している場所です」
「確認してもいいですか?」
「はい、もちろんです」
マリは自分でドアを開ける。
中には数着の侍女服といくつかの日常活動服があった。
大したことないことを確認してドアを閉めようとした瞬間、騎士の目に馴染みのない箱が目に入る。
「あの箱は何ですか?」
「え?」
マリは不審そうな顔をした。
(あれは何だろう?)
彼女も初めて見る箱だ。
「確認してみてもいいですか?」
マリは突然何の理由もなく不安になる。
しかし、断る理由もないので頷いた。
騎士がその箱を開けた瞬間、信じられないものが中に入っていた。
「・・・!」
「こ、これは?」
金燭台、金杯、宝石たち。
大聖堂から聖杯のように消えた貴金属が出てきたのだ。
突然場内に沈黙が舞い降りる。
騎士たちは思いもよらなかった場所から盗まれた宝石が飛び出して動揺し、マリは石のように固まってしまった。
「こ、これがなんでここに?」
「フォン・ヒルデルン?」
騎士の一人が慎重に口を開いた。
マリは気を引き締めて考える。
(これは陰謀よ!)
誰かが彼女の部屋に貴金属を置いたのだ。
彼女を罠にかけるための陰謀に違いない。
「こ、これは・・・!」
マリが急いで口を開いた瞬間、騎士が剣を抜いた。
「・・・!」
彼女の顔色が白くなる。
剣をマリに向けた騎士は重い口調で言った。
「私たちも戸惑っていますが、とりあえず私たちと一緒に来てください」
マリの部屋に貴金属を置いたのは、どう考えてもレイチェルの仕業ですよね。
問題はどうやって置いたのか?
聖杯も一緒に置いてあったのでしょうか?
キエルが突然呼び出しを受けたのも怪しいです。