こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は87話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
87話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カラクタ伯爵
とにかくマリは男と別れる前に、自分が汚してしまった服を見て言った。
「あの・・・、服をくだされば私が綺麗に洗濯して泊まっている場所に送るようにします」
「あ、大丈夫です」
「ですが、私の心が不自由なんです」
すると男が意外な言葉を口にする。
「それでは服ではなくて、こうするのはどうですか?」
「え?」
「私はもうすぐ邸宅で宴会を開く予定です。その際、貴賓にお越しいただき宴会場を輝かせていただくことはできませんか?」
思いがけない宴会の招待。
悩んでいるマリに彼は言った。
「実は緊密に申し上げたいこともあります」
「緊密にですか?」
「はい、宴会にご出席いただければお話しします」
マリは仕方なく頷く。
貴族間の宴会招待は日常的なことであり、彼女がミスをしたこともあって断るのが困難だった。
「はい、それでは訪問しようと思います」
「ありがとうございます。本当に嬉しいです」
男は彼女の承諾にニッコリと笑う。
「それでは早速招待状をお送りしましょう。宴会の日を待っています。幸せな夜をどうぞ、レディー」
そのように男は挨拶して背を向け、マリは首を傾げた。
(今日初めて会った仲なのに、緊密に話したいことがあるって?何だろう?)
疑問に思っていた彼女は、ふと重要なことを聞かなかったことに気づき、慌てて尋ねる。
「ところで、お名前は何と仰いますか?」
その質問に男は振り返ってマリの瞳を見た。
「カラクタ・フォン・オールスデン。カラクタ伯爵とお呼びください。北部のハンサ同盟から来ました」
男、カラクタ伯爵は微笑んで答える。
ハンサ同盟。
北海とバルト海沿岸を根拠地とした商人たちの連合体で、60ヶを超える都市が加入した巨大商人連合体。
(カラクタ伯爵。聞いた記憶がある)
マリは宿舎でじっと考えた。
(盟主のリュベク家ほどではなくても同盟に莫大な影響を及ぼす家門。あの男がそんな大物だったなんて)
メディチ家とリュベク家。
カラクタ伯爵は彼らほどではなくても、真下の大物だ。
(ところでカラクタ伯爵のオールスデン家は尚取引をする時も直接姿を現さず、代理人を前面に出すことで有名だけど、どうしてこの遠い東帝国まで直接来たのかな?そして、私に緊密に話すことは一体何?)
マリは首を傾げた。
オールスデン家はその莫大な富としても有名だが、滅多に姿を現さない神秘的さでも有名だ。
家主のカラクタ伯爵を直接見た人は数えるほどだという。
そんな彼と偶然出会ったなんて・・・。
(とにかく不思議よね。東帝国で大きな商取引をするものがあるの?)
マリは後で一度確認してみようと思った。
「ところで、この招待状はどうしよう?やっぱり行かないといけないよね?」
マリは招待状を見て困った顔をした。
あの日の偶然の出会いの後、伯爵はすぐに彼女に招待状を送った。
ちょうど宴会の日が彼女の休みだったので、特に無理なく参加しようとしたが、一つ問題点に直面する。
「エスコートはどうしよう?」
招待状を見ると、単なるパーティーではなく大規模な宴会だった。
小規模パーティーならともかく、大規模なパーティーにレディー一人で参加することはない。
恋人がいるなら恋人に、いなければ家門の騎士のエスコートを受けるのが普通だ。
けれど、マリにはエスコートをしてくれる恋人も騎士もいなかった。
「どうしよう?」
マリは悩んだ。
「キエルさんにお願いしたら快く聞いてくれると思うけど・・・」
しかし、彼女は首を横に振った。
彼にこんな頼みをしたくなかったのだ。
「私が知っている騎士は・・・」
考えてみたが、特に思い浮かぶ人物がいない。
皇居で長く過ごしたが、キエル以外に特に親交のあった騎士はいなかった。
「一人で参加しないといけないのかな?」
そんな風に困っていると、彼女はふと一人を思い出す。
親しくはないが、こんなお願いをしてみる価値のある騎士を。
「アルモンド子爵!あの方なら私の頼みを聞いてくれないかな?」
30代のアルモンドは自分と年の差が少しあるが、独り身なので十分にエスコートをしてもらえる。
いつも皇太子をそばで密着護衛しているが、彼も人だけに休みの日があり、ちょうど宴会の日がその日だった。
「一度頼んでみよう」
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マリは獅子宮に出勤した後、皇太子がいない時、アルモンドに一部始終を説明してから頼んだ。
「宴会場のエスコートを?」
「はい、子爵様。本当に申し訳ありませんが、お願いしてもいいですか?」
マリは出来るだけ申し訳ない表情を浮かべる。
しかし、アルモンドは冷たく首を横に振った。
「駄目だ」
「あ・・・、はい」
あまりにもキッパリ断られて何も言えなくなる。
マリが不便そうな表情をすると、アルモンドは申し訳なかったのか、照れくさそうな表情で言った。
「その日は釣りの約束があるからだ」
「釣りですか?」
「そう、私の趣味だ」
「・・・」
何か無愛想なアルモンドによく似合う趣味だ。
とにかく、これ以上頼むのも失礼だろう。
緊密な話が気になります。
パーティーのエスコートは誰にお願いするのでしょうか?