できるメイド様

できるメイド様【170話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「できるメイド様」を紹介させていただきます。

今回は170をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【できるメイド様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「できるメイド様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっておりま...

 




 

170話 ネタバレ

できるメイド様【169話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「できるメイド様」を紹介させていただきます。 今回は169話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 善いこと

数日が過ぎた。

マリの体はもう治り、二人の間は幸せだった。

ただ問題があり、それは止まらない雨。

「なかなか止まらないね。まだ大丈夫だけど、雨脚がもっと激しくなったら大変なことになるかもしれない」

「状態をもう一度確認してみなければなりません」

マリは固い顔で言った。

水位にはまだ余裕があったが、彼女は不快な思いをし続けた。

(なぜ建築家の夢を見たのだろうか?)

最初は建物の建築と関連したことだと思ったが違うようだ。

なぜそのような夢を見たのか見当がつかず、ずっと不安だった。

(今、降っている雨と関係があるんだけど)

その時、ラエルが席を立る。

「レメン川流域を見てくる。氾濫に備えなければならない」

「あ、それは私が行って・・・」

「君を助けに来たんだから、私が一生懸命働かないと」

彼は彼女の唇に軽くキスをした。

まるで出勤する時、妻にするように優しいキス。

「行ってくるから、君は休んでいるように」

「・・・はい」

マリは赤くなった顔でうなずいた。

彼女は彼が去った後ため息をつく。

「何事もなければいいのに」

ようやく安定化し始めたクローヤン地方だ。

もし再び堤防が氾濫したりするなら、すべてが原点に戻ってしまう。

「なんでまた洪水が・・・」

もどかしい気持ちで彼女は傘を持って部屋を出る。

歩きながら考えでも整理しなければならないようだった。

そうして王宮の庭園の奥深くを歩いていると、マリは意外な人物を見て驚いた表情をした。

「え?」

1人の男が雨に降られながら、ぼんやりと空を見上げていた。

銀髪に近い白金髪、女性のように美しい顔。

リン男爵だった。

全身が雨に濡れたまま空を見上げる彼の表情はとても苦しそうに見える。

マリはびたっと立ち止まった。

何とも話しかけにくい様子だ。

「なんであんな表情を?」

ただ眺めるだけでも胸が痛む顔だった。

彼の目つきは、まるでなぜ自分にこのような苦痛を与えたのかというように、天を恨んでいるようだった。

ただきれいな顔で落ち着いた姿だけを見てきて、あんな痛みがあるとは想像もできなかった。

 



 

「ああ、閣下」

人の気配を感じたリン男爵は驚いて彼女を見る。

すぐにいつものように落ち着いた表情に戻ったが、マリは彼が一瞬立ち止まるのを逃さなかった。

「・・・何をされていたのですか?」

「・・・」

リン男爵は答えなかった。

何気ないふりをしているが、こんな自分の姿がばれたのが当惑した様子だ。

「ここにはどうやって来られたんですか?誰も探していないところなのに」

「ただ偶然に歩いていて・・・何か悪いことがあったのですか?」

マリは失礼なことをするのではないかと心配して慎重に言った。

「あ、もし言いにくいことなら大丈夫です。ただ、お手伝いできることがあるかと思って・・・」

リン男爵は彼女の言葉に微笑んだ。

何かいつもと違う感じの微笑みで。

「閣下のことを、考えていました」

「え?」

「閣下について考えていました」

思いもよらない言葉にマリは当惑する。

「冗談はやめてください」

「私は冗談を言う性格ではありません」

リン男爵は微笑みながら言った。

マリは理解できない顔をした。

「なぜ私の考えを?」

リン男爵が首を横に振る。

「私もよく分かりません。なぜ閣下のことを考えたのか。ただ最近になってずっと閣下のことばかり思い出しますね。私もこんな私がおかしいくらいです」

一見誤解の余地が十分ある言葉だった。

しかし、彼の言葉に込められたニュアンスは、ラエルやキエルハーン、さらにヨハネフ3世とも全く違う。

何と説明すればいいのか分からないが、マリはそう感じた。

「おそらく私が閣下とあまりにも違うからだと思います」

「違いますか?」

うなずいたリン男爵は再び空を見上げる。

しばらく黙ってそのように空を見ていた彼は彼女を振り返った。

「申し訳ありません。私も私がどうしてこうなのか分かりませんね。特に気を使わなくてもいいです。知らないふりをしてください」

「そんなに雨に濡れると風邪を引きますよ」

彼女は彼に近づき、傘を差した。

「帰りましょう」

「はい」

そのように一緒に雨の道を歩いていると、彼が口を開いた。

「閣下、気になることがあるのですが、一つだけお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「おっしゃってください」

「閣下はどうしてそんなに善いことができるのですか?」

マリは首をかしげた。

彼の声に流れる雰囲気が妙だったのだ。

何か忌まわしい感じがした。

自分を見つめる目つきも不思議だった。

マリは訳もなくギョッとする。

(何だろう?ただの勘違いかな?)

マリは再びリン男爵を見た。

彼は普段のように端麗な笑みを浮かべているだけ。

「私は男爵が思うように善良だけではないです。クローヤン王国を安定させることが私の個人的な目的と一致するために努力しているだけです」

「そうなんですか?了解致しました」

依然として妙な感じの声に、マリは首をかしげた。

なぜこんなことを聞くのか分からなかった。

突然、遠くから緊迫した音が鳴り響く。

「閣下!閣下!急報です!大変なことになりました!」

驚いて首をかしげると、堤防を管理する建設責任者だった。

(まさか?)

彼女は突然の不吉な予感について尋ねる。

「何か問題が生じたんですか?」

「いいえ。閣下の命により補修作業を行い、堤防には問題ありません。問題はレメン川ではありません!」

「それでは、何か大変なことが起こったのですか?」

「ダムが!イレテ川上流に設置されたダムが崩壊の危機に瀕しています!」

「・・・!」

「今すぐ下流の平民たちを避難させなければなりません!」

ダムが崩壊する危機!

 



 

マリは下流に住む人々に直ちに避難命令を下した後、1ヵ月後にダムが位置したところに駆けつける。

幸い、イレテ川の上流は首都と遠くなく、すぐに到着することができた。

「なんてこと・・・」

マリはダムの様子を見て青ざめて呟く。

ダムのあちこちに水漏れが発生していたのだ。

いくらももたずに崩壊することは明らかだった。

(ダムが崩壊すれば水路に位置した村は一瞬にして流されるだろう。とてつもない死者が出るに違いない)

マリは尋ねた。

「水の予想経路に位置する城邑はどこにありますか?」

「最大の城は西ピン城です。10万を超える人口が居住しています。その他に3万が住むカムタソンもあります。避難を準備中ですが、あまりにも人口が多くて」

マリの表情が慌ただしくなる。

(ダメ。状態を見ていたら、長く耐えられず崩壊するよ。そうすれば避難できなかった人たちは皆死亡するだろう)

2つの城邑だけが問題ではなかった。

城邑の間に数多くの村もある。

消息が伝わっていない村も多いだろうから、彼らは何も知らずに急流に巻き込まれるだろう。

(どうしよう?いくら急いで避難させると言っても限界がある。このままでは数えきれないほど多くの犠牲者が出るだろう)

この状態で方法は一つだけ。

ダムが崩壊する前に補修すること!

そうしてこそ犠牲者が出ることを防ぐことができた。

「補修作業をすることはできないんですか?」

「すぐ隣にバクシー城があるので資材を用意することはできます。しかし、問題は、あのダムを補修するだけの技術者が近くにいません。そしているとしても、果たして乗り出してくれるのか疑問です。もともと現在ダムの状態が危険なため・・・」

マリは言葉を飲み込んだ。

管理人の言うことが正しかった。

いつ崩壊するか分からないダムだ。

補修作業中に急流に巻き込まれる可能性もあるが、誰が乗り出そうとするだろうか?

ところが、その瞬間だった。

彼女の頭に一つの方法が浮かんだ。

(私が建築家の夢を見た理由がこれだったんだ)

自分なら、夢の能力を受けた自分なら、あのダムを補修する能力があった。

マリは雨漏りが始まったダムを眺める。

見るだけでもぞっとした。

(崩壊までどのくらいかかる?)

それは分からない。

何日かかるのか、それとも1時間後にすぐ崩壊するのか。

今は漏水だが、亀裂につながる瞬間、直ちに崩壊する。

その時期は誰も予測できなかった。

(作業中にダムが決壊すれば、そのまま死亡する)

いくら彼女でも命が惜しくないわけではない。

当然、ためらわずにはいられなかった。

(それでも人々の犠牲を防ぐためには、この方法以外にはない)

顔を背けるにはあまりにも多くの人の命がかかっていた。

マリが覚悟を決めて唇を噛む瞬間、誰かが彼女の肩を強く握る。

ラエルだった。

「駄目だよ」

「・・・」

「君が何を考えているのか分かる。あなたに奇跡を起こす力があることも知っている。それでもダメだよ」

マリは黙った。

ラエルの立場では止めるのが当然だ。

もし立場を変えてラエルが危険なことに出るとしたら、自分も嫌だろう。

いや、どんな手を使ってでも止めようとするのか分からなかった。

「陛下」

「駄目だ」

ラエルの目は彼女への心配で震えていた。

彼女は毎回彼の胸を焦がすようで心が痛かった。

しかし、今回だけはマリも仕方がなかった。

彼女が諦めた瞬間、どれだけ多くの人命が犠牲になるか分からなかったから。

「すみません」

「・・・」

「必ず無事に終わらせます。安全に工事を終える方法があります」

実は嘘だった。

これはギャンブルのような時間との戦いだったから。

いつ崩壊するか分からない状況で、いくら彼女が夢の能力を受けたとしても成功を断言できなかった。

 



 

リン男爵の異様な雰囲気を警戒するマリ。

突然のダム決壊のピンチですが、ラエルを説得することはできるのでしょうか?

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