こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は181話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
181話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 王室騎士団
翌日、目を覚ましたマリは顔をこわばらせた。
前日、ラエルのことを考えてわくわくした表情は跡形もない。
「いよいよ今日だね」
マリの顔が決戦を控えた戦士のように決然としていた。
(うまくやらないと。ミスがあってはいけない)
今日は彼女の行動に非常に重要なことが計画されていた。
執務室で会ったポンティル男爵も慎重な表情を浮かべている。
「準備はすべて終わりました。そのまま進めますか?」
「はい」
「危ないかもしれません」
ポンティル男爵は心配そうな声で言った。
「前王室の騎士団が予測に反して動くと、どのような危険が発生するか分かりません。命を失うかもしれません。彼らは本当に閣下を害そうとしています」
マリは首を横に振る。
「知っています。しかし、進めなければなりません」
ポンティル男爵はため息をつく。
皇帝も彼女の意地を破ることができないのに、彼ができるはずがなかった。
「それでは、そのまま進めます」
マリを乗せた馬車が王城を抜け出る。
目的地は近くのクレアン領地。
これまで予定されていた巡視船を行く途中だ。
ポンティル男爵と約30人の近衛騎士は固い表情で馬車の周りを警護した。
(今回の巡覗で暗殺を試みると)
ポンティル男爵は最近入手した情報を思い出す。
たまたま彼らは元王室騎士団の暗殺計画を手に入れることができた。
一般的には当然日程をキャンセルしなけれはならないが、マリーは逆に動いた。
今回の暗殺を企てて、王の実騎士団の尻尾をつかむことにしたのだ。
(問題は危険すぎるということだよ)
ポンティル男爵はため息をついた。
事前に情報を入手し、厳重に警護しているため、問題が生じる確率は少ない。
しかし、世の中のことは分からないことなので、どんな突発変数が発生するか分からなかった。
(正確に予測できないから)
彼らはおおよその暗殺計画を入手していた。
しかし、王室騎士団がそのまま計画を施行するかどうかは明確ではない。
計画を変更して突然暗殺を試みると、マリはそのまま危険に晒されることになる。
(緊張を緩めないようにしよう。閣下が危険を甘受したので、今回のことで必ず王室騎士団の尻尾をつかまなければならない)
その覚悟でポンティル男爵はマリのそばを守った。
しかし、そのような緊張と違って、巡視中に特別なことは起きなかった。
マリは自分を歓迎する王国民と親しく対話を交わし、領主と簡単な晩餐をした後、帰る途中に上がった。
「もうすぐ山道です、副団長」
部下の話を間いたポンティル男爵の目が意味深長に沈んだ。
彼らが入手した情報によると、王室騎士団はまさにこの山道で暗殺を試みる計画だという。
「そう、備えておくように」
彼らは馬車を鉄壁のように護衛して山道を移動する。
暗殺どころか、針すら通らない鉄壁のような護衛だった。
ところが山道を半分ほと通っている時、思いもよらないことが起きた。
クルルン!
「・・・」
耳が裂けるような大声が響く。
まるで山が崩れるような音だった。
「これはどういうこと?」
ポンティル男爵は驚いてあたりを見回す。
隣の騎士が慌てて指を上げた。
「副団長!あれを!」
その指に沿って覗線を向けたポンティルの目が裂けるように大きくなった。
巨大な岩だった。
まるで家ほどの大きさの岩が絶壁を転げ落ちている。
「落石攻撃!?」
思いもよらなかった方法だ。
そしてその瞬間、岩がそのまま突き刺さった。
まさにマリが乗っていた馬車に向かって!
クアジク!
恐ろしい音とともに馬車が潰される。
形も残さずに壊れたのだ。
中からは悲鳴すらも漏れなかった。
「・・・」
場内が死ぬような沈黙に沈んだ。
あまりにも突然の惨事に、人々は体が麻痺して何の反応もできないようだった。
「成功した!」
絶壁の上で岩を転がした人たちが低く叫んだ。
「早くここを抜け出そう。間もなく近衛騎士がやって来るぞ!」
彼らは反帝国団体である元王室騎士団の一員だった。
急速に民心を得た総督ヒルデルン子爵は、彼らにとって最も脅威となる敵。
そのため、このように暗殺を試みたのだ。
「帝国の犬なんてクローヤン王国にいらない。私たちにはモリナ王女さえいればいい」
今回の暗殺を主導した騎士マドレーヌは、歯を食いしばって考えた。
もちろん、彼もクローヤン地方に多くの善行を施したヒルデルン子爵を暗殺することが気にならなかったわけではない。
しかし、クローヤン王国のために、そしていつかは帰ってくる彼らの真の主人モリナ王女のために、やむを得ない選択をしたのだった。
「早く急ごう」
ところが、彼が早く山道を下る瞬間、思いもよらないことが彼を待った。
「止まれ」
「・・・」
マドレーヌの目が裂けるように大きくなった。
あらかじめ用意しておいた逃走路に帝国近衛騎士たちが待機していたのだ!
「ど、どうやって?」
「罠を仕掛けていたのは君たちだけじゃない。余計な抵抗をしないでひざまずきなさい」
マドレーヌの顔色が青ざめる。
そもそもあの馬車には彼らが狙っていた総督が乗っていなかったのだ。
マドレーヌは急いで状況を観察した。
正面を遮った帝国近衛騎士の数は10人を超えていた。
一人一人が自分を上回る実力者だが、あれだけの数字だと答えがない。
「来い、帝国の犬!」
彼は短刀を近衛騎士たちに向け、反対方向に逃走する。
カン!
「別に難しい道を」
軽く短刀を阻んだ近衛騎士があらかじめ装填した石弓を狙った。
自分たちが一番大事にして尊敬するマリを殺害しようとしたのだ。
近衛騎士は、限りなく冷たい目で石弓を発射する。
パァッ!
石弓は一気に逃走していたマドレーヌのふくらはぎを突き刺した。
マドレーヌは悲鳴を上げて床に倒れる。
「<ぅ!」
マドレーヌはこれ以上の逃走を諦めた。
その代わり、床に倒れたまま、よろめいた笑みを浮かべながら言った。
「日を決めても遅れた。ヒルデルン子爵はもう死んだから。君たちの帝国は永遠に我々のクローヤン王国を手に入れることはできないだろう」
彼は短刀を取り出し、自分で首を刺そうとして叫んだ。
「クローヤン王国万歳!モリナ王女万歳!」
ところがその瞬間、全く予想できなかった声が響き渡る。
「ちょっと!止まってください!あなたに言いたいことがあります!」
「・・・」
マドレーヌの体がこわばる。
彼が狙っていたマリが山道で姿を現したのだ。
騎士たちは彼が立ち止まった隙を利用して素早く彼を制圧した。
床に激しく倒れたマドレーヌは、虚しい表情をした。
万全を期したが、結局彼女の手のひらで遊んでばかりいたのだ。
「私を捕まえて尋問しても無駄だ。何も話さないから。そのまま殺せ」
マドレーヌは彼女をにらみつけながら言った。
マリは憎しみに満ちた目にため息をつく。
敵対感が大きいと予想はしていたが、思ったよりも酷かった。
「ポンティル男爵様」
「はい、閣下」
彼女の呼びかけにより、近衛騎士団の副団長であるポンティル男爵がマドレーヌに近づいた。
自分を尋問しようとしているのだと思った彼は、がさがさと声を上げた。
「いくら尋問しても無駄だ!無駄骨を折らず殺せ!」
「誰が殺すと?素直に殺すことはできない」
冷たく話したポンティル男爵は倒れたマドレーヌに向かって身をかがめた。
迫り来る苦痛にマドレーヌが目をぎゅっと閉じた瞬間、予想外のことが起きる。
ポンティル男爵が血が流れるマドレーヌのふくらはぎから石弓を抜き、包帯を巻いて治療をしたのだ。
「な、何をしている?」
マドレーヌは思いもよらない状況に驚き、ポンティル男爵を見た。
ポンティル男爵は気に入らないかのようにうなり声を上げた。
「閣下に感謝しなさい。あえて閣下の命を狙った奴の首をすぐに切ってしまいたいが、閣下が望まないから」
「・・・それはどういうこと?」
マドレーヌは不思議そうな表情でマリを見る。
いったい何を企んでいるのか分からなかった。
「私はあなたを処刑するつもりはありません。だからといって尋問するつもりもありません」
「じゃあ、私をどうするつもりなの?」
「私はあなたをこのまま放っておくつもりです」
「・・・何?」
マドレーヌの目が大きくなる。
自分の命を狙った暗殺者を放ってくれるって?
信じられなかった。
「何を企んでいるのか?まさか命を助けてくれるからといって私が感謝の気持ちを抱くと思うんじゃないよね?」
マリは首を横に振る。
当然、そのような期待はしていない。
「代わりにあなたに一つお願いがあります」
「何?」
「バルハン伯爵に私の話を伝えてください」
「・・・」
バルハン伯爵。
クローヤン王国が健在する頃、王室騎士団の団長であり、現在は反帝国活動を率いる主導者だった。
あまりにも密かに隠れていて、帝国は全く彼の所在を把握できていない。
「私が・・・あなたの言うことを聞いてくれると思うか?」
「聞いてくれなかったら仕方ないですね。それでも悪い話ではないので、なるべく伝えてほしいです」
そして彼女は言った。
「私が伝えたい言葉はこれです。私、マリ・フォン・ヒルデルンは、バルハン伯爵との出会いを求めます。クローヤン地方の平和と繁栄を相談のために」
「・・・」
マドレーヌの顔が荒唐無稽に変わる。
今何と話しているのか分からなかった。
帝国と王室の騎士団が平和と繁栄のための会合を持とうって?
冗談もこんな冗談はなかった。
しかし、マリの顔は真剣だ。
空言ではないのだ。
「放してください、男爵様」
「はい、閣下」
彼らは本当にマドレーヌを解放してくれた。
マドレーヌは本当に自分を助けてくれるのか、気が動転してすぐに消える。
それを見て、ポンティル男爵は眉をひそめた。
「ただ尋問して王室の騎士団の正体を明らかにしたほうがいいのではないですか?正体を明かしてから討伐するのが一番良さそうですが」
マリは同意しなかった。
それは下策だ。
「彼らを討伐するのは難しいことではないでしょう。しかし、そのように強圧的に解決しても、第2の王室騎士団を作るだけです。すべて根本的に彼らの心を得なければなりません」
「簡単ではないでしょう」
もちろんマリも知っている。
容易ではないことだということを。
ポンティル男爵が言ったように、カで討伐する方がはるかに簡単だろう。
(それでも、それはダメだよ。力で討伐すれば、きっと第2の王室騎士団が現れるだろう)
カで押すと、さらなる反発を招くだけ。
そのため、彼らの心を得なければならなかった。
容易ではないだろうが、彼女は必死に努力してみることにした。
すべてが完璧に安定し、ラエルに堂々と自分の正体を明らかにしたかったから。
「もう最後の関門です。閣下、少々お待ちください」
マリは目をそらして皇居のある方を見る。
早くすべての仕事が仕上がってほしい。
それで彼と永遠に一緒にいたかった。
その後、マリは政務を見て王室騎士団の連絡を待つ。
しかし一日が経ってこの枠組みが過ぎ、一週間以上が過ぎたが、何の便りもなかった。
「バルハン伯爵が連絡してくると思いますか?」
ポンティル男爵は懐疑的な声で尋ねる。
「私もよく分かりません」
マリは率直に答えた。
彼女が心で接近しようとしたからといって、相手もそうしろということはないから。
(実際、これまでの王室騎士団の行動を見れば私の提案に応じる可能性は低い)
前任総督の命を奪ったのも王室の騎士団だ。
ひたすらモリナ王女だけを追従し、帝国に敵憤心を燃やす彼らが、マリの意見に従う可能性は低かった。
(それでも待ってみよう)
マリはクローヤン地方のために連絡を待っていた。
しかし、時間が経っても連絡は全くなく、緊張感だけがますます大きくなる。
提案を無視したということは、今後も彼女を暗殺し続けるという意味だったからだ。
(やっばり簡単ではないね)
マリは苦笑いした。
毅然としたふりをしているが、命を脅かされる状況なので大変だという気がした。
まるで刃の上を歩いているようだ。
やめて皇居に帰りたいという気さえしたが、マリはそうすることができなかった。
ラエルからの手紙だけが彼女の息抜きをしてくれる。
「ラエル陛下」
彼の名前をつぶやきながら、依然として自分のことを気にかけている手紙を見ていた。
マリは、彼が心配することを恐れて暗殺の脅威にさらされていることを正確に知らせなかった。
王室の騎士団に暗殺の脅威を受けていることを知れば、彼が自分をここに置いておくはずがなかったからだ。
総督である彼女が情報を制限するので、距離が遠い皇居では正確な事情を知ることは難しかった。
しかし、正確な事情を知らないにもかかわらずラエルの手紙には自分を心配する気持ちが満ちていた。
急な仕事が仕上がると、すぐにでも駆けつける勢いだ。
(心配してくれてありがとう。私、頑張ります)
マリが手紙を仕上げる瞬間だった。
女中がためらいながらマリに近づく。
「閣下、手紙が一通届きました」
「手紙が?誰から?」
「それが差出人が書かれていなくて」
マリは不思議そうに手紙を開いた。
そして、ぎょっと目が大きくなった。
<君の提案を受け入れるよ。私が指定した場所に出るように>
王室騎士団のバルハン伯爵であることは明らかだ。
彼がついに返事を送ったのだ。
しかし、彼女は続く内容を見た瞬間、硬直して体を固めるしかなかった。
<一人で出るように。他の人を同行させる際の会話はない>
マリの指先がぶるぶる震えた。
(私一人で出てこいって?)
話にならない。
彼らは自分の命を狙う者たちだ。
一人で彼らのところに行くのは、獅子の群れに身を投げた負けるより危険なことだった。
マリは震える目で手紙を見る。
彼女の目つきが苦悩に染まった。
ついに王室騎士団との接触!
マリはバハルン伯爵の呼び出しに応じるのでしょうか?