こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は100話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
100話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皆へのクッキー
マリは功績と引き換えに多額の報奨金を受け取った。
断ろうとしたが、皇太子はそれを受け入れなかったのだ。
しかし、報奨金とともに罰も下した。
「マリ、これは私が非公式に下す罰だ」
罰を下す理由は、彼女が危険を顧みずに無闇に無理をしたため。
「マリ・フォン・ヒルデルンに一週間獅子宮への出勤を禁じ、今後皇宮を離れる際には必ず護衛騎士が同行しなければならない罰を与える」
マリは面食らった表情で罰を受ける。
(一週間の休暇と護衛騎士をつけるってことでしょ?)
むしろ褒賞に等しい内容だ。
「納得のいかない表情のようだ」
「あ、いえ・・・、そんなことは・・・」
「それなら罰を追加してあげよう」
「え?」
皇太子がニヤリと笑う。
「一週間の謹慎期間中、毎晩私と一緒に食事をすること」
マリは顔が赤くなった。
いや、だからはこれは何の罰?
そんな彼女に皇太子が再び口を開く。
「これでも足りないのかな?それなら追加で・・・」
「じゅ、十分です!」
そのようにして罰を口実にした休暇が決定した。
謹慎とはいえ自宅に留まるような話もなく、出勤さえしなくていいのだから本当に休暇同然だ。
「・・・いいのかな」
マリはぼんやりとベッドに横たわって呟く。
いつも忙しく過ごしていたが、久しぶりに余裕を味わうようになった。
「休暇は私ではなく殿下に必要だと思うけど」
マリは全く休まない皇太子を思い浮かべながら考える。
不眠はかなり好転したが、依然として1日に4時間も寝ずに仕事に集中していた。
勤勉な方に属するマリも舌を巻くほどの仕事量だ。
「少しは肩の荷を下ろしてもいいのに」
ため息をついた彼女は、ふとある事を思いつく。
「今夜は殿下の好きなお菓子を焼いていこう」
どうせすることもないから、マリは久しぶりにお菓子を焼くことにした。
夕食は皇太子が別に言いつけていたのか、獅子宮の料理長が精一杯腕をふるった状態だった。
マリはお腹いっぱいに食事を終えた後、自分が用意したお菓子を取り出す。
「それは?」
皇太子はお菓子を見ながら大きく目を開けた。
マリはなぜか恥ずかしがり屋で視線を避ける。
「その、ただ・・・、時間があって準備してみました。業務をしながら軽く召し上がってください」
「・・・」
皇太子が何も言わずにいると、マリはさらに恥ずかしくなった。
彼女は慎重に口を開く。
「もし望まなかったら、アルモンド子爵かオルン公爵に・・・」
しかし、彼女が話を終える前に皇太子の声が飛び出す。
「いや」
ラエルは触るなと言うように、お菓子の籠を自分の方に引き寄せる。
「これは私のものだ。誰にも与えない」
「・・・」
今の発言は皇太子らしくなかった。
「他の方々と一緒に召し上がると思われたので、一人で召し上がるには多いと思いますが」
「え?あいつらのも混ざっているということか?」
「あ・・・、はい。アルモンド子爵様とオルン公爵様の分も一緒に・・・」
皇太子は固く口をつぐんだ。
鉄仮面を脱いで丸見えになっている絵のような顔に不満の色が浮かぶ。
「あいつらは食べる必要がない。全部私が食べる」
「・・・はい」
まるで国宝でも扱うようにお菓子かごを持っていた皇太子が、ふと思い浮かんだので尋ねた。
「もしかしてキエルハーン、あいつのも作ったんじゃないよね?」
マリは口をつぐんだ。
どうせ作るついでにキエルにも作ったのだ。
「あ・・・、はい。少し」
「少し?」
「はい、ほんの少し」
皇太子の顔がさらに不満になり、マリは急いで「少し」を強調した。
実はたくさん作ったが、そのまま答えてはいけないような気がして。
「なるほど。それでは、そのお菓子も全部私のものだ」
「あの、殿下?」
マリは驚いて彼を見つめたが、皇太子は動揺せず強い声で話す。
「キエルハーン、あいつなんかに君が作ったお菓子は勿体無い。全部私にくれるように」
「殿下、私がもう少し作ってあげますから」
「ダメ、命令だ」
「殿下、殿下にはもう一度お作りしますから・・・」
マリがキエルハーンにお菓子をあげる意思を曲げないと、皇太子は少し眉を顰めた。
「意地悪だね」
実際、彼女が誰にお菓子をあげようが重要なことではない。
自分にくれるだけでも凄くありがたいことだから。
しかし、あのようにキエルハーンの面倒を見ようとする姿を見ると、カッとなってしまう。
ただ意地悪をしたくなっただけだ。
「マリ、こっちへ来て」
「はい、どのようなご用件でしょうか?」
「大したことではない。こっちに来て」
マリは慌てて首を横に振る。
なぜか行ってはいけないような気がしたのだ。
彼女が来ないと皇太子は席から立ち上がり、マリが座った席に近づく。
近くに到着した皇太子が腰を下げて彼女の耳元に唇を持っていった。
「マリ」
「・・・」
「よく聞け」
耳たぶのすぐそばで彼の息遣いが感じられると、マリは呼吸を止めてしまう。
「あなたは私のものだから、あなたが作ったものは全部私のものだ」
そう言った皇太子がそっと彼女の耳たぶを噛む。
「・・・!」
耳たぶから伝わる感触にマリの頭の中が真っ白になった。
まるで電気が全身に流れるような。
「で、殿下」
彼はすぐに彼女を放してくれた。
しかし、生々しく残っている彼の感覚にマリの声が震える。
皇太子も自分の行為に少し驚いたのか咳払いした。
「とにかく、だから私はあなたに私だけを見つめてほしい」
「・・・はい」
マリは自分が何と答えているのかも分からず、ぼんやりと頷いた。
ラエルの独占欲が爆発していますね笑笑。
そろそろキエルのターンでしょうか?
最近全く出番がありませんので。