こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は185話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
185話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 王室騎士団⑤
バルハンは悩んだが、手術を進めることにした。
手術が非常に危険ではあったが、放っておいても死亡する状態だ。
一績の望みがあるなら、試してみるのが正しかった。
ただ、手術自体があまりにも危険なのが問題だ。
「胃の一部、小腸の一部と膵臓を切ってまた繋ぐということですか?」
「はい、膿瘍は手術的にきれいに取り除けば治療できます。ただ、侯爵の場合は、あまりにも深いところに問題が生じて、あの臓器を切り取らなければ接近することができません」
バルハンはマリの説明を聞いて顔が白くなった。
何の手術をするというのか理解もできなかった。
一方、マリも顔色が明るくないのは同じ。
成功確率より失敗確率がはるかに高かったためだ。
しかし、彼女は決然とした表情で意志を固めた。
(必ず生かす)
そうやって城内の医務室に設けられた部屋で手術しようとしたら、バルハンが彼女に理解できないと言わんばかりに尋ねる。
「どうしてこんな無理なことをしようとするのですか?私の心を変えようとしているのですか?」
「・・・」
「もちろん私としては、何といってもありがたいのですが、父を治すこととは別に、私の考えは変わらないでしょう」
「知っています」
「それならどうして?」
マリは手術の準備をしながら口を開いた。
「正直に言うと、初めはハワード侯爵を治療することで伯爵の心を動かそうとした意図がなくはなかったのです」
「・・・」
バハルンは静かに彼女の言うことを聞く。
「しかし、それは違うと結論付けました」
彼女はすぐにその意図を諦めた。
死んでいく患者を通じて何かを意図するということが正しくないと感じたからだ。
「それではどうして?」
「ただ治療したいという気がしたからです。こんなに多くの人が悲しんで伯爵も苦しむ姿を見ると、危険な手術でも何とかして侯爵を治したいという気持ちになりました」
「・・・」
バルハンは拳を握りしめる。
彼は何を言おうとしているのかしばらくためらった後、口を開いた。
「・・・聞いていた話と同じですね」
バハルンは彼女のことを聞いたことを思い出した。
皇居の天使。
聖人ヒルデルガルトの再臨。
帝国の聖女。
いずれも東帝国でマリ・フォン・ヒルデルンが得た名前だ。
そして、過去のモリナ王女の話が思い浮かんだ。
まさにクローヤン王国の顔のない聖女。
その時、彼女が見せてくれた姿は今の彼女の姿と変わらなかった。
たとえ政治的見解は完全に違ったとしても、他人のための姿はバルハンがあれほど望んで望んだモリナ王女の姿そのままだった。
「手術を始めます。準備してください」
マリは他の医者と一緒に手術台に立つ。
彼女はメスを動かした。
血が飛び出る生と死が分かれる手術が始まった。
バルハンは固い表情で彼女の手術を見守る。
予想通り手術は容易ではなかった。
そもそも高難度の手術だったし、手術環境も良くなかった。
何より悪かったのはハワード侯爵の状態だ。
手術を進めながら侯爵は何度も死の危機を迎え、マリは歯を食いしばってその難関を切り抜ける。
「止血用の糸ください!」
「視野を確保してください!時間が足りません!」
手術補助は王城で同行した最高実力の医師が行った。
そのように手術は長々と7時間以上行われ、数多くの危機を越えてマリは完全にへとへとになった。
そしてやがて、疲れた顔でマリが言った。
「お疲れ様でした」
手術を終える宣告だ。
「成功・・・したのですか?」
王室騎士団の団長であり、侯爵の養子バルハン伯爵が震える声で尋ねる。
マリは静かにうなずいた。
「はい、経過を見守る必要はありますが、おそらく大きな無理なく回復できるでしょう」
「・・・」
バルハン伯爵の目がぐらぐらと揺れた。
奇跡的に成功したのだ。
彼を揺さぶるのは、父親が生き返ったことに対する感謝だけではなかった。
彼は手術の全過程を見守った。
そのため、彼女が7時間を超える時間の間、どれほど必死に努力したのか、どれほど切実に父親を助けようとしたのかを知っていた。
いくら固いバルハンとはいえ、そんな彼女の姿を見て何の感情も感じずにはいられなかった。
「・・・ありがとうございます。本当に・・・ありがとうございます」
バルハンはひざまずいて感謝の意を表した。
しかし、マリは首を横に振りながら話すだけだ。
「いいえ。手術が無事に終わって私も嬉しいです」
彼女は一日ほど侯爵を調べた後、状態が安定すると同行した医師に追加の治療を預けてコモン城に帰る馬車に乗った。
ところが去る直前、バルハンが固い顔で彼女を追いかけてきた。
何か彼が言いたいことがあることを直感したマリは、周囲を離れて単独面談する。
「どうして何も言わずに立ち去るんですか?」
マリはしばらく黙って彼を見た。
バルハンは歯を食いしばってもう一度尋ねる。
「私に言いたいことがあるじゃないですか?なぜ・・・何も言わずに去るのですか?」
マリも口を開いた。
「言うべきことはこの前に全部言ったと思います」
「・・・」
「私は伯爵と向かう方向が違います。それでもクローヤン王国民のための気持ちだけは同じだと思います。そうじゃないですか?」
政治的志向点は全く違うが、2人が究極的に望むことは同じだ。
「でもそうだと伯爵に私がを強要することはできないと思います。一言で伯爵の信念が変わることもないでしょう」
「・・・それでは?」
伯爵は混乱した目つきで尋ねる。
「ただこれから私を見守ってください」
「見守るですか?」
「はい、私がマリ・フォン・ヒルデルンであり、モリナである私が本当にクローヤン王国民のための存在なのか、信頼できる存在なのか見守ってください」
「・・・」
「そのように見守って伯爵の心に私に対する信頼が心からできれば、その時は私に従ってください」
そう言い終えたマリは、コモン城に戻った。
バルハンは彼女が去った場所を長い間じっと見ていた。
マリはコモン城に戻り、再び政務を執った。
1週間ほど後に医者から手紙が届いたが、ハワード侯爵は完全に健康を取り戻したと言い。
「よかった」
無理の甲斐があった。
「ハワード侯爵が近いうちに訪問して感謝の挨拶を申し上げるそうです」
リン男爵が報告する。
「今回のことで密かに帝国に反感を抱いた王国貴族の一部が心を変えたようです。さすが閣下、すごいです」
リン男爵は笑いながらマリに感心した。
「あ・・・はい。良かったです」
マーは気まずい顔をした。
妙にあのきれいな男に向き合うと不便な気持ちになるのだ。
その時、ポンティル男爵が不満そうに言った。
「それでも、私はこの前のようなことには反対です。クローヤン地方のあちこちは危険極まりないので、ここコモン城から離れることは熟考してください。閣下はまもなく皇后さまとなる尊い身なのですから」
ハワード侯爵を治療する前に王室の騎士団と向き合ったことを話しているようだ。
マリはバルハン伯爵が自分を害するはずがないということを知っているが、ポンティル男爵の立場ではドキッとしたことに違いなかった。
「警護人員を増やさなければならないようです。近衛騎士団だけでは足りません」
マリはうなずいた。
ただでさえ、この部分について彼女も考えがあった。
「はい、騎士をもっと拡充しなければならないようです。近衛騎士の方々だけでは確かに業務が過重です」
「そのとおりです。それじゃ、すぐ首都に連絡を・・・」
「いいえ、首都には連絡しないでください」
「それでは?」
ポンティル男爵は怪設な顔をした。
「ここクローヤン地方の王国民の中から騎士を募集します」
「・・・」
ポンティル男爵はとんでもない顔をした。
「それはだめです!王国民をどうやって信じて彼らに任せられるというんですか?」
ポンティル男爵の心配は妥当だ。
かなり安定したというが、それでもまだ彼らを信頼することができなかった。
もし不意のことでも起こしたら?
しかし、マリは強硬に主張する。
「帝国と王国が本当に一つになるためには、一方的な関係が続いてはいけません。もちろん危険負担がないわけではありませんが、これは必ずしなければならないことです」
「ですが・・・」
ポンティル男爵は反対したが、マリは考えを曲げなかった。
結局、マリの警護だけは近衛騎士団で専担することで妥協し、騎士を募集することにした。
騎士団の募集には思ったより多くの人が集まった。
良い条件に苛酷なこともあるが、それだけ帝国に対する反感が薄れたと見るのが正しかった。
これまでのマリの努力が実を結んだのだ。
「騎士団だけでなく行政官も拡充しなければならないですね」
現在、クローヤン地方の行政官は大部分帝国から派遣されている。
マリはこれを機に、国民を行政官として大幅に採用することを決めた。
このようなマリーの決定は、王国民の大きな支持を得た。
当然の反応だ。
騎士団と官吏を王国民の中から選ぶのは、彼らを単に統治対象と考えるのではなく、本当に一つと考えるという意味でもあったからだ。
これまでのマリの行動と合わせて、今回のことは再び彼女に対する支持を高める結果を生んだ。
ただそんな中、一つ思いもよらない問題が起きる。
「閣下、大変です!」
「どうしたんですか?」
ポンティル男爵の深刻な表情にマリは怪認な顔をした。
「何か悪いことでも起きたんですか?」
「いや、よくないことではないですが・・・いいえ、よくないのが正しい・・・」
どれほど当惑したのか、ポンティル男爵はしどろもどろになった説を述べた。
「大丈夫だから落ち着いて話してください」
しかし、続いた男爵の言葉にマリも落ち着きを維持することができなかった。
「バルハン伯爵が書記官採用に志願しました!」
「・・・」
マリは持っていたペンを落とす。
王室騎士団のバルハン伯爵が支援を?
それも騎士でもない、書記官で?
無事に手術を成功したマリ。
バハルン伯爵が書記官として応募した理由とは?