こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は110話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
110話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 首都に訪れる災い②
(まずヨハネフ三世の陰謀を先に暴かないと)
マリは固く決心した。
もちろん、彼女はヨハネフ三世を信じていない。
賭けに勝ったからといって、彼がすべてを諦めるとは思っていない。
それどころか、彼女はヨハンの陰謀に国民が苦しむのを見たくなかった。
マリは自分と皇太子、帝国民のためにヨハンの陰謀を阻止することをもう一度誓って皇太子を眺める。
「殿下」
「どうした?」
マリは何かを言おうとして黙り込む。
皇太子は書類を見てチラリと彼女を見た。
マリは返事の代わりに微笑む。
何かいつもと違う彼女の笑顔に、ラエルは怪訝な表情を浮かべる。
「何で笑うの?」
「何となくです」
マリがそのように笑った理由、それはふと頭の中に浮かんだ考えのためだ。
正体を隠すことなく彼の隣に立って幸せそうな想像。
そんな想像をしたら無駄に笑いが出た。
(いつかきっと彼のそばに堂々と立つことができれば・・・)
そう思って彼女は口を開く。
「それでは行ってきます」
マリは皇太子の許可を得て、まず財務府に行って皇室の財政状況を調べた。
やはり、これといった問題はない。
その後は首都の商取引の現状を見ていくことに。
「まずシュレーアン大公家に行こう」
首都の商取引を掌握している家門は、他ならぬアリエル公女のシュレーアン大公家だ。
シュレーアン大公家が帝国三大貴族である理由は、シュレーアン領地の大公でもあったが、帝国全域にわたって商取引を掌握したためだった。
しかし、シュレーアン大公家に到着した彼女は難関にぶつかる。
大公と会うこと自体ができなかったのだ。
「大公がカタラク伯爵と会っているですって?」
しかも、大公が会っている人物も忌まわしい。
よりによって陰謀の主体であるカタラク伯爵と会っている?
「はい、ヒルデルン卿。おそらく用事が長くかかりそうなので、大公から別途お時間をいただくのは難しいと思います。代わりに実務を担当する私がお手伝いさせていただきます」
シュレーアン大公の補佐官の言葉に、マリは頷いた。
(なぜカタラク伯爵とシュレーアン大公が?)
もちろん二人とも大物だから会うとしても不思議ではない。
しかし、マリは訳もなく気になった。
(どういうことなのか調べてみないと)
マリは補佐官と共に商取引の現状を確認する。
几帳面に内訳を確認したが、やはり特別な問題はなかった。
「商取引側の問題じゃないのかな?」
マリは夢を思い浮かべながら苦心する。
そのように考え込んで大公家の庭を散歩していたとき。
マリは意外な人物に向き合った。
「あら、またお会いしましたね。やはり私たちは運命のようです」
「・・・」
人好ましい微笑み、ヨハネフ三世が偽装したカタラク伯爵だ!
「先日お会いしましたが、またお会いできて嬉しいです。私の心の中のフィアンセよ」
ヨハネフ三世は、マリの前で片膝をついてマリの手の甲にキスをした。
彼女は急いで彼に捕まった手を抜きながら口を開く。
「私の心の中のフィアンセ?それはどういう意味でしょう?」
「言いませんでしたか?私があなたを望んでいると」
そして、ヨハンはしなやかに言った。
「そしてフィアンセという言葉が間違っているわけではありません。どうせあなたは私のものになるでしょうから」
彼女はヨハンが先日行った賭けについて話していることに気づく。
マリは固い口調で言った。
「そんなことはありません。ところで何に陰謀を企てるために大公家に来たのですか?」
「陰謀?大公殿下とは一緒に楽しむことがあって訪れただけです」
天下のヨハネフ三世が?信じられない話だ。
「一緒に楽しむ」こと?それはどういう意味だろう?
「ところで素晴らしいですね。何日も経たないうちにシュレーアン大公家にいらっしゃるなんて。やはり王女は私が認めるに値する人物です」
「・・・!」
意味深長な話だった。
彼は自分の口から陰謀の尻尾を曝け出したのだから。
(やっぱり商取引側の問題を起こそうとするのは正しいのね。でも一体なんだろう?)
ところが、その時ヨハンは肩をすくめた。
「方向をよく決めたのは事実ですが、目的地は間違って到着しましたね。ここじゃないのに」
「それはどういう意味ですか?」
「そうですね。何でしょうか?」
ヨハンはニッコリと笑う。
「それでも恋慕する王女が苦労しているのを見ると、私の心が裂けそうになります。ですから特別に申し上げます」
彼は空を見上げた。
「実は昨日また予言を受けました。この帝国首都のあちこちに火薬が埋設されていて、ドカンと爆発する予言を」
「・・・」
「おそらく、その火薬が爆発するまで時間はあまり残っていないでしょう。火薬が爆発したら、どれほど大きな災いになるか分かりませんね」
ヨハンは穏やかな口調で話た。
「時間があまりないので急いでください」
久しぶりの明晰夢。
ですが、どんな能力を与えられるのか見当もつきません。
ヨハンの意味深な発言。
火薬の内容とは?