こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は264話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
264話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 果樹園⑤
静かに行列が続く中、馬車はいつの間にか宮殿に到着した。
その瞬間、人魚たちが素早く飛び出してくる。
「よくこんなものに乗れるな!」
「吐きそう・・・!」
顔色が青ざめているので、みんな調子が悪そうに違いない。
アビゲールは途方に暮れて言った。
「それでは今後の日程はキャンセルしますか?温室の花園に行こうかと思ったのですが・・・」
「花園」という言葉に人魚たちの目が光る。
グンヒルドはしばらく黙っていたが、ぶっきらぼうに言った。
「たかがこのような馬車などに負ける我々ではない。花園に行こう」
幸い元気そうなのでアビゲールは微笑んだ。
彼女は使節団を率いて温室の花園に入る。
中に入ると暖かい温もりと花の匂いが訪問客を迎えてくれた。
人魚たちはいつ病気だったかのように顔がパッと咲く。
普段から美しい温室の花園は、いつにも増して華やかで眩しい。
四季折々の花が色とりどりに咲き乱れていて、人魚たちはうっとりと花を眺めた。
セイブリアンは無愛想な顔で彼らの顔色を伺っていたが、内心は微笑ましい気持ちでいる。
「幸い気に入ったようだね」
すべてアビゲールがよく準備してくれたおかげだ。
チラッと周りを見回すと、アビゲールとブランシュも明るい笑顔で花を見ていた。
そういえば、アビゲールにまともな花の贈り物を一度もした覚えがない。
彼は密かに使用人を呼んだ。
「静かに庭師を呼んでくるように」
セイブリアンは命令を下した後、花園の裏側に足を運ぶ。
すぐに庭師が到着すると、セイブリアンは厳粛な声で言った。
「花束が必要だ」
「どんな花が欲しいのでしょうか?」
その言葉にセイブリアンは静かに温室の花園を見回す。
色とりどりの花が絢爛と咲いた中で、白いユリが特に目に入った。
「あれにしよう」
アビゲールの髪色に似た花だからだろうか、なんとなく目に入ったのだ。
庭師はすぐに豊かな花束を作る。
「ビビはこの花が好きだろうか」
百合の花束を持って笑うアビゲールを想像すると、思わず口元に笑みが浮かぶ。
セイブリアンは侍従にアビゲールを密かに呼んで欲しいと命じた。
今は厳然と国政の世話をしているところなので、あからさまにプレゼントをあげることはできない。
侍従もその意味に気づき、静かに足を運んだ。
その間、アビゲールは使節団と一緒にいた。
ブランシュが花について熱心に説明している。
「この花はリシアンシャスです、花言葉は変わらない愛だそうです」
グンヒルドは一歩退いたところで何気なくブランシュの話を聞いていた。
その姿を見たブランシュは、小さなサルビアの植木鉢を一つ取って彼女に手渡す。
「これはサルビアという花ですが、花言葉は情熱だそうです!グンヒルド様の髪色とよく似合うと思います」
その言葉どおり強烈な赤色がそっくりだった。
人魚たちは羨ましげな視線を送っている。
グンヒルドも嫌ではないのか、グズグズしながらそれを受け取った。
そして恥ずかしい気持ちで背を向け、横にあるかすみ草をそっと取り上げる。
「じゃあ、これは?これは何の意味がある?」
「あ、これはかすみ草ですね。清い心という意味もあり、死という意味もあります」
「死?気に入った」
人魚たちはブランシュの説明に精一杯耳を傾けている。
アビゲールが嬉しそうにその姿を眺めていると、セイブリアンの侍従が近づいてきた。
「王妃様、国王様がお探しです」
「殿下が?」
どういうことかと思って、アビゲールは首をかしげる。
まさか今ここでキスをしようというわけではないだろう。
心配半分、期待半分で、彼女は侍従の案内に従って花園の裏側に向かった。
つま先に芝生が踏まれ、そうするうちにふとアビゲールは立ち止まる。
突然霜降りでもしたかのように空気が変わっていた。
妙に息が詰まり、痺れる空気の間から多くの人の声が聞こえてくる。
切羽詰まった声。
満開の花の群れの間から驚愕した顔が見えた。
「殿下?」
彼らは倒れた誰かを取り囲んでいた。
セイブリアンが地面に倒れている。
胸に抱いていた百合は、彼の周りに散らばったままだ。
「セイブリアン?」
もう一度呼んでみても彼は起きない。
隣に立っていたミラードは、青ざめた顔でどもった。
「殿下が、殿下が・・・」
アビゲールはぼんやりとその話を聞いていた。
花園に満開した花々のため、花の香りが濃い。
その花の香りに息が詰まって死んでしまうほどに。
・・・え?
まさかのセイブリアンの死。
原因は間違いなく、あのリンゴでしょう。