こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は324話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
324話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 兄弟での食事会②
大きな感動も波乱もなく、無難な食事が終わる。
セイブリアンは立ち上がって言った。
「今度もこのようにお話ができればいいですね、兄さん」
「はい。いつでも呼んでください」
レイブンはにっこり笑って立ち去るセイブリアンの背中に頭を下げる。
無難な食事の席だった。
10年以上対話をしていない人にしては良い席だった。
にもかかわらず、セイブリアンの表情は良くない。
彼はすぐにアビゲイルの執務室を訪れた。
「ああ、あなた。食事はどうでしたか?行けなくてごめんなさい」
アビゲイルの顔を見ると、冷たく冷めた指先に温もりが戻ってくる気分だった。
セイブリアンはかすかに微笑み、彼女を抱きしめる。
体温と触感が彼の不安を和らげた。
「どうしたんですか。何かあったんですか?」
「いいえ。ただあなたに会いたかっただけです」
「あなたも本当に・・・」
口ではそう言いながらも、アビゲイルもやはり照れくさそうに笑っていた。
彼女はセーブルの肩をそっとなでおろして尋ねる。
「レイブン卿とはどんな話をしましたか?」
「ささやかな話をしました。私が戦場に旅立つかもしれないという話とか」
その話が出ると、アビゲイルの顔が一瞬にして落ち葉のように沈んだ。
初耳の話ではない。
数日前、セイブリアンから直接聞いたが、別れを考えるとお腹が痛くなるようだった。
「まだ連合軍側は降伏していないでしょう?」
「はい。彼らが先に攻撃を仕掛けることはありませんが、引き下がらないのです」
敗色が濃いにもかかわらず、連合軍は退く気配がないように見えた。
虚しい希望を抱いているのか、それとも最後のあがきをするのか分からない。
セイブリアンは淡々とした声で話す。
「こちらから先に戦闘をかけて武力で鎮圧すれば簡単に終わることだが・・・」
「無駄な犠牲者だけが増えるでしょう」
武力で勝利を勝ち取る過程で死ぬのは、首脳部ではなく一般兵士たちだ。
アビゲイルはそのような勝利を望んでいなかった。
いくら敵国だとしても、彼らも平凡な人々であるだけだから。
なるべく血を少なく流して戦争が終わることを願ったため、セイブリアンも協定を提案した。
「連合軍は現在、物価に追い込まれたネズミのようなもので小さな褒賞を約束して終戦を要求すれば簡単に越えてくるでしょう」
「そうでしょうね」
その方法が平和であることを知っていながらも、アビゲイルの眉間にはかすかなしわができていた。
西部まで行って帰るのに数週間はかかるだろう。
アビゲイルは早くも彼が恋しくなり始めた。
「セーブルに会いたくてどうしましょう」
「行かない方がいいですか?あなたの望み通りにします」
アビゲールは彼が冗談やお世辞を言っているわけではないことを知っていたので軽く笑った。
「いいえ。ぐっと我慢してみます。出発するならいつ出発しますか?」
「できるだけ早いほうがよさそうなので、2、3日以内に出発したいと思います」
2日、あるいは3日が過ぎれば、この体温も感じられないはずだ。
アビゲールは彼をさらに抱き合って弁解するように言った。
「私があまりにも未熟だと思います。政務のためにちょっと別れることなのに、残念な気持ちがしきりにします」
他でもなく戦場に向かうので、さらに不安だ。
セイブリアンは彼女の背中をなでおろしながら慎重に口を開く。
「実は私もやはり立ち去る気がしません。ついさっき、レイブン卿と話をしたことを思い出したりもするし」
「どんな話をしましたか?」
アビゲイルが意外であるかのように彼を見つめながら聞いた。
セイブリアンは腹いっぱいに積もった泥を吐き出す人のように、ぎゅっぎゅっとした声で話す。
「私が先代の盟約を守るために、ブランシュの代わりに結婚をしたのはご存じでしょう」
「はい、そうでしたね」
「その時、実はレイヴンとあなたを結婚させようという意見もありました」
それを聞くとアビゲイルの顔がすっかりこわばった。
セイブリアンも同様だ。
「レイブンが言ってました。自分がアビゲイル、あなたと結婚することもできただろうと。そんな想像をしたらあなたが狂ったように見たかったです」
セイブリアンは胸の中の温もりがまるで幻想のように感じられた。
放してしまえば彼女が消えそうだったから。
アビゲイルが自分のそばにいない想像をするだけでも世の中のすべての光と空気が消えるようだった。
「もし私が西部に発った間に、あなたがいなくなったらどうしよう。そんな恐れがあります。そんなことがないということは知っているのですが・・・」
愛の前では、一国の王も臆病者に弱者にならざるを得なかった。
杞憂であることを知りながらも振り切ることができなかった。
彼はもはやアビゲールのない人生を想像することができなかった。
彼女がいなかった時間をどう生きるか来ていたのかさえ覚えていなかった。
アビゲイルは答えずに上を見上げる。
彼の目は深い悲しみに染まっていた。
その悲しみにアビゲイルは口を合わせた。
絶対消えないように力を入れて書くように、濃く鮮明なキスで。
セイブリアンは黙黙とそのキスを受け入れる。
しばらくキスをしていた2人がやっとのことで離れた。
アビゲイルははっきりした目で言った。
「消えないですよ」
さっきのキスと同じくらいはっきりした声。
彼女はゆっくりと話し続ける。
「私も一瞬、ぞっとしました。私がレイブン卿と結婚したと想像したら」
レイブンにはおそらく女性恐怖症がないので、結婚当日にそのまま一緒に寝たはずだ。
そうして彼の妻になったと思うとアビゲイルとしても全身が干上がることだけ同じだった。
「でも、私が今までキスしたし、これからもキスする人はセーブルあなただけです」
いつか彼がそうしたように、アビゲイルはセイブリアンの手を引いて自分の首筋に近づける。
「私はここにいます。セイブリアン」
細い首筋の向こうから彼女の鼓動がはっきりと感じられた。
アビゲイルがゆっくりと彼の手を引きずり下ろした。
襟足と鎖骨を通り過ぎ、彼女の心臓があるところの上に手が触れる。
「感じますか?」
脈拍は激しく、はっきりしていた。
その音に合わせてセイブリアンの心臓も激しく動いていた。
「・・・感じられます」
彼はかろうじて口を開けて言った。
この手に触れる温もりが、鼓動が、彼女の存在があまりにも暖かくて頭がくらっとするほどだ。
「心配しないで、セイブリアン。私はいつもあなたのそばにいるんです」
アビゲールは優しく微笑んだ。
それからすぐに少し顔を変えて、はつらつとした声で言った。
「そしてベリテの魔力を込めた鏡を持っていくんじゃないですか?それでお知らせできると思います」
「はい。何とか我慢してみます」
セイブリアンの瞳にも辛うじて生気が戻った。
アビゲイルは彼の頬を包み込みながら言った。
「旅立った間、キスできない分だけキスしてもいいですか?」
お茶目な口調にセイブリアンの目が丸くなる。
するとすぐに意地悪な笑みがよぎった。
アビゲイルの胸の上に止まっていた手が、するすると腰の下に流れた。
彼は愛嬌を振りまくように言った。
「もちろんです。前利子まで払ってはいけないと思いますか?」
「当然もらえると思います」
くすくす笑う笑い声とともに、温かい唇が響いた。
セイブリアンはアビゲイルをさっと抱き上げる。
離れている間、少しでも名残惜しくないように二人は口をそろえて愛をささやいた。
この空間に暖かい空気が流れる中。
窓越しにガラス鳥の羽が輝いていた。
二人のイチャイチャが止まらない!
しばらく会えない二人ですが、その間何もトラブルがないといいのですが・・・。