家族ごっこはもうやめます

家族ごっこはもうやめます【168話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【家族ごっこはもうやめます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

168話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 赤ちゃんになったナビア③

ラルクは急いで気を取り直し、自分の足にしがみついている赤ちゃんをそっと抱き上げた。

赤くなった目元と膨らんだ頬がとても可愛らしい赤ちゃんは、大粒の涙をぽろぽろと流していた。

『あれ、このとんでもなく可愛い子は、うちの娘に間違いない気がするけど……』

しかし、彼の娘は9歳であり、10ヶ月の赤ちゃんではなかった。

『変身魔法も感じられないけど?じゃあ、この子は誰だ?』

彼はまさかと思いながら、口を開いた。

「……ナビア?」

ナビアはすすり泣きながら、自分の状況を積極的に説明した。

「ううっ、そうだよ!私はナビア、赤ちゃんなんだ!」

どうしてこんなに泣いているのか分からないが、空が崩れてきそうなほど泣いているようだった。

ラルクは本能的にナビアを抱きしめた。

こういう時、赤ちゃんの背中を優しく叩いてあやすべきだということをしっかり心得ていた。

「大丈夫だよ、ナビア。大丈夫。お父さんがいるから。こんなことで驚くなんて。」

彼は無意識のうちに、いつもの冷静な娘を思い浮かべながら優しくあやしていたが、全く通じなかった。

「うわぁぁん! 私、どうしたらいいの!」

ナビアは涙を止めるどころか、今度はお父さんの首にしがみついてさらに泣き叫んだ。

「私、ナビアだよ。お父さん、ここにいるんだよね?」

「うわぁぁん!どうしたらいいの! ひぃん!」

その程度の慰めでは、ナビアのパニックは収まることはなかった。

ラルクは娘があまりにも激しく泣くので、もう慰めるのを諦めることにした。

「……そうだな、泣け、泣くんだ。」

『泣きたいなら泣けばいい。私も泣きたい。いったいこれはどういうことなんだ!』

ラルクは泣き続けるナビアをあやしながら、冷や汗をかいていた。

それでも、微かに震える唇を持ち上げて笑顔を作ろうとした。

泣きじゃくりながら彼の服を掴んで離さない娘は、少しも大人しくなる気配がなかった。

涙をぽろぽろと流しながら不格好な表情で泣く姿が……

どうしてこんなに可愛いんだろう?

ラルクは泣きじゃくる娘の頬を軽くつねって、やれやれという表情を浮かべた。

「おやおや、うちの小さなナビア。いつになったら泣き止むのかね?そのうち目が腫れすぎて夜にフクロウになってしまうかもよ。」

彼は冗談を言うのを止めたほうが良いと思った。

しかし、ラルクの幼稚な冗談が意外にもツボに入ったのか、ナビアは泣きながらも少しだけ気が紛れているようだった。

泣きじゃくるナビアの唇を、軽くつまんで叩いてみた。

「私、深刻なの!」(「私は本当に深刻な状況なんですよ!」)

「あーよしよし。」

「乱暴しないで!」(「そんな乱暴に扱わないでください!」)

赤ちゃんが叩かれるのは、どれだけ痛いと思ってるの!

ラルクはわざと眉毛を下げて悲しいふりをした。

「本当に痛いんだけど?」

しかし、そんなに可愛らしい唇が本当に怒ることなどできるはずもなく、むしろ上に上がろうとする唇を抑えるのが難しいほどだった。

赤ちゃんになったナビアの様子があまりにも愛らしく、しかもどこか滑稽で、ただ見ているだけでも自然と笑みがこぼれてしまった。

「どうなさいましたか?」

すると、間もなく使用人たちが慌てた様子で集まり始めた。

赤ちゃんの泣き声を聞きつけ、3階へと駆けつけた使用人たち。

中にはクリードの姿も。

マーガレットが困惑した表情で部屋に入り、言った。

「赤ちゃんの泣き声が聞こえたけど……あら?」

スレイマンとサルレットも後に続き、目を丸くして驚いた。

「えっ? 主君、腕の中に……?」

「本当に赤ちゃんがいるなんて……!」

使用人たちはすぐに、ラルクの腕に抱かれた赤ちゃんが予想以上に幼いことに気づいた。

「まさか、お嬢様?」

ナビアはまだ涙をぽろぽろと流しながら静かに泣き続けていた。

「一体、世の中で何が起きたのですか?」

「ご主人様! またお嬢様に何かいたずらをされたのですか?」

「いつ私が何をしたと言うんだ? ‘また’ なんて言われる筋合いはないぞ。」

「いえ、そう思っただけで……。」

ナビアは周りに知っている顔がたくさんあることに安心し、ラルクの体から漂う温かい香りに包まれて、自信を取り戻していくような気がした。

そして少しずつ心が落ち着いてきた。

ラルクはナビアがすすり泣きながらも泣き止んでいくのを感じると、優しくその顔を覗き込み、尋ねた。

「もう大丈夫か?」

「ううん……。」

ナビアは鼻をすするようにしながら、ラルクの首をしっかりと抱きしめた。

ラルクは胸がじんわりと暖かくなった。

娘から漂う赤ちゃんの香りと、自分に全幅の信頼を寄せるその姿が、たまらなく愛おしかった。

その小さな体を抱きしめながら、ラルクは大きな責任感と同時に、どこか感動のようなものを感じていた。

その光景を見守っていた使用人たちは、羨ましそうで複雑な表情を浮かべていた。

『私も抱っこしてみたい……。』

彼らがそわそわと動き、ナビアに手を伸ばそうとすると、ラルクは鋭い目つきでにらみつけ、近づかないように強く圧をかけた。

『近づけば……死ぬぞ。』

ラルクはナビアを独占するように抱きかかえ、その背中を優しくトントンと叩いていた。

そして慎重に尋ねる。

「どうして赤ちゃんになっちゃったんだ、ナビア?」

ナビアは少し困惑しながらも真剣な目つきで答えた。

「……時計が原因なんです……。」

『悪い時計のせいだと思う。私がこんな目に遭ったのは、あの時計のせいだ。』

はっとする。

ナビアは驚いた表情を浮かべながら、すすり泣く声を止めた。

『また赤ちゃんみたいに泣いちゃったじゃない!お願いだからしっかりして!』

これ以上恥ずかしい記憶を作りたくないのだから!

周りではみんなが柔らかい表情でナビアを見つめていた。

赤ちゃんになったナビアは、正直な気持ちと考えがそのまま顔に出てしまい、どこか愛嬌のある様子だった。

大人よりも素直で幼いナビアに対して、ラルクも使用人たちも内心ではその可愛さに少しほっとしていた。

もちろん、彼女に大きな問題が起これば困るという思いはあったが。

ラルクは笑みを必死に抑えながら、あえて真剣なふりをして言った。

「まずはナビアをミネルバに診てもらい、私も彼女の状態を確認してみるよ。」

ぐぅるる。

ナビアのお腹が鳴ると、ラルクは自然に口元をほころばせた。

「赤ちゃん用の食事も準備しておいてくれ。」

ナビアの状況について話し合う家門会議がラルクの執務室で開かれた。

参加者はラルク、ナビア、マーガレット、スレイマン、ミネルバ、サルレット、そして少し気まずそうな表情のクリードまでの7人。

エルキンにはこの事態を後ほど伝える予定だった。

ナビアは、依然として世界で最も安全な場所にいると感じていた。

 



 

 

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