こんにちは、ちゃむです。
「夫の言うとおりに愛人を作った」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

99話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- プレゼント②
「ああ、本当に死にそうだ!」
燃え上がるような赤髪に琥珀色の瞳、褐色の肌を持つたくましい青年が、水晶の山の中から体を起こした。
彼は一週間前に村に到着した「夜明けの狼隊」傭兵団の突撃隊長カルロだった。
カルロは、地味な服の上にまったく似合わないフリルのついたエプロンを巻いたまま、水晶の間を歩いていた。
彼は山のように積まれた水晶の中に頭を突っ込み、何かを探すように周囲を見回した。
あちらにも無秩序に散らばる水晶、こちらにも同じ水晶、そして大量の水晶……。
「まるで砂漠で針を探すようなものだな。とにかく姉貴がこの仕事を俺に押し付けたんだ。」
あの時、気づくべきだったのに。
あのずる賢い奴が簡単な仕事をただ任せるはずがない。
ただ単に物を持ってくるだけではなく、「村の村長と親しくなって倉庫に接近し、その後、水晶の山に埋もれている依頼人が望む水晶を探し出す仕事」だと言わなければならなかったんだ!
依頼書に記されていた内容は、「ベイリー村の剣は水晶を探して戻ること」だ。
同行した剣には、魔法石が水晶の近くに行けば振動するという説明も添えられていた。
おかげで水晶のある場所を探すのは難しくなかった。
村を散策している途中、偶然見つけた水晶のある場所は、村の会館の隣にある倉庫だった。
先端が鋭く、細長い紡錘形の柱で構成された村の会館倉庫は、天井が高く、中はかなり広く見えた。
しかし、夜にこっそり忍び込んで水晶だけを探して戻ろうとしたカルロは、そこで新たな騒動に巻き込まれた。
「な、なんでこんなに多いんだ?」
村の会館の倉庫の中には、水晶ばかりが詰まっていた。
ここにも水晶、あそこにも水晶。
夜は色の区別もできず、日の出後にまた探しに入らなければならなかったが、昼間は村長が倉庫を頻繁に出入りするため、簡単には入れなかった。
どうやら毎晩、村の人々が作り出した水晶を村長が集め、倉庫の中に積み上げているようだった。
宿の主人の話によれば、その倉庫は村長が単独で管理しているようだ。
「夜狼隊の傭兵団? 首都のほうで有名な傭兵団じゃないか?」
「村長兄さん、何か知ってるんですね。俺はその傭兵団の突撃隊長、カルロだ!」
「なんだかイケメンだなと思ったが、やっぱり有名人は違うな。銀髪の騎士団の訪問もそうだし、俺たちの村が有名になったって実感するよ。ははは!」
「それもこれも、村長兄さんが村をうまくまとめてくれたおかげさ!」
「はは、お前は言い方も上手いな!」
カルロは偶然を装って村長と親しくなることから始めるしかなかった。
特有の親しみやすさで、カルロは村長と急速に近づいた。
彼は宿の制服を掃除する清掃部の茶色の袖を見て、ふと考えた。
「きれいに管理しないと、呪物の機能が落ちるって?」
「そうさ。でも呪物を掃除する手順は極秘で、俺しか知らない。ちょっと手伝おうか?」
「ありがたいけど、手順を知る必要があるから、道具も一緒に用意してくれ。」
「掃除のときに使うものを渡せばいい。道具より技術が重要なんだ。代わりに、こっそり見てると二度と手伝わないから、俺がどうやるか見ないでくれよ!」
「わかった、わかった。」
こうして今に至った。
「こんな小さな村で金をじゃらじゃら転がすほどの富豪は珍しいが、これで理由がわかったな。倉庫の中が全部銅貨だらけってことは、もともと入っていた物は全部売り払って、こっそり貯め込んだんだな。」
カルロはぶつぶつ言いながら、銅貨の山をひっくり返していた。
「カルロ!掃除は終わったか?」
倉庫の外から村長の声が聞こえてきた。
「ああ、村長兄さん!全部終わった!」
「さて、そろそろ夕飯でも食べに行こう。残りは明日やればいいさ。今日はよく頑張ったから、俺がビールに豚のもも肉のグリルを奢るぞ。貴重なお客さんもご一緒するだろうしな。」
「もも肉のグリル?うん、まあ、うまそうだな。」
カルロはすぐに腰を伸ばし、床に広げていた掃除道具を片付けた。
食事の席には村長とカルロ、そしてエドワードが一緒にいた。
彼らは村で最も古い酒場に集まっていた。
「……彼に掃除を頼んだんですか?」
「ええ、とても器用でさっぱりした友人ですよ!」
「まあ、俺はそんなところさ。」
カルロは口いっぱいに肉をほおばりながら、串を突ついた。
エドワードが意味深な視線でカルロを見つめた。
マクシオンは素早く村長との約束を交わした。
カルロがその場に現れたのは、まったくの偶然だったが、どうせ会うべき人物だったので、むしろ嬉しい状況だ。
しかし、奇妙なことに、あの男に会った後、なぜか不快な気分になった。
記憶を失った未来で、彼と何か気分の悪くなるような出来事があったのだろうか。
あるいは、彼から漂う黒魔法の気配のせいかもしれない。
「私たち、どこかで会ったことがありますか?」
「そんなありきたりなセリフを俺に? いや、ないですね。」
カルロは後頭部をぼりぼりと掻いた。
しかし、なぜ彼から自分のマナが感じられるのか。
確かに彼の体には魔法の痕跡が残っていた。
未来の自分は、何の縁であの男に魔法をかけたのだろうか。
彼が法律に引っかかった理由は分からないが、どうやら良い理由ではなさそうだ。
カルロを観察していたエドワードが口を開いた。
「夜明け狼隊の傭兵団の突撃隊長が、はるばる首都からここまで来て、なぜ洞窟の清掃を依頼されたのでしょうか?」
沈黙。
エドワードの質問に、カルロが目を泳がせながら喉を鳴らし、ゆっくりと肉を口に運んだ。
「え…… つまり、その……。」
「傭兵というのは依頼を受けて生計を立てる仕事なので、目を離す暇もなく忙しいものです。我々の騎士団はここで少し休憩しているだけで、余裕のある状態ですよ。」
「まあ、それならそうでしょうね。騎士団は休んでいたわけですね。」
カルロが何も考えずに肉をむしゃむしゃと食べていた。
エドワードがいつものように微笑を浮かべながら話し始めた。
「私にいい考えがあります。」
「いい考えですか?」
「洞窟の掃除なら、私たちの傭兵団が得意です。村長、私たちが村に滞在している間、いろいろとお世話になりますし、そのお返しとしてその仕事を私たちが引き受けましょう。村長と私は祝福を分かち合う間柄ですから、信頼は保証されているはずです。」
「なんと!そうですね! 銀光の騎士団が手伝ってくださるなら、家門の名誉です!」
村長は感激した様子で言った。
彼らの反応にカルロは目に見えて慌てた。
「え、え?そ、それは重要な技術が必要で、私にしかできない仕事なんですが……。」
「その技術なら私たちも持っています。」
「そ、それが本当にあるのか?」
カルロは信じられないというように尋ねた。
「銀光の騎士団にそんな技術がないと思いますか?」
「いや、だからその…… その技術が本当に存在するのか?」
「当然のことです。反応が妙ですね。まるでそれが存在しないもののように振る舞っていたようですが。」
エドワードの冷静な反応にカルロは驚愕した。
「えっ…… 本当に。」
自分の頭を掻いていたカルロは動きを止め、驚いた表情で固まった。
「いや、驚くことじゃない。それは私の仕事だ。」
「村全体のルーンがそこに集められています。一人でやるには量が多いかもしれません。」
「騎士団全員が入るには倉庫が少し狭いので、私がやるのが正解ですよ!」
「私たちも礼儀として手伝うつもりなので、大丈夫ですよ。」
カルロは鋭い目つきでエドワードを見つめた。
空中で見えない火花が散った。
「それなら良い方法があります!」
村長が膝を軽く叩き、口を開いた。
「一緒に手伝っていただけませんか? それならカルロ殿が一人でやるよりも、はるかに早く終わるでしょう!」
「えっ……。」
カルロが考えている間に、エドワードが素早く入り込んできた。
「提案を受け入れてくださり、ありがとうございます。村長が示してくれた厚意に少しでも報いることができると思うと、気持ちが楽になりますね。」
「ありがとうございます。まったく、都にはカッコよくて親切な人しかいないようですね。」
「お、おお……。」
カルロは目を大きく開き、鼻を殴られたように驚きながらエドワードを見つめた。
エドワードは余裕のある仕草でビールジョッキを持ち上げた。






