偶然助けただけなので、責任は取りません

偶然助けただけなので、責任は取りません【46話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「偶然助けただけなので、責任は取りません」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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46話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 予期せぬ訪問者

1時間前。

「結婚まであと1か月なのに、別行動?」

「おやまあ……」

かつてないほど大きく開かれた宴会。

人々の関心はホンテインとその花嫁に集中していた。

新郎であるホンテイン公が、元恋人でありかつては悪縁の花嫁候補にまで挙げられていた、ある後継者の愛人と入場してきたせいだった。

誰が見てもおかしな状況だ。

婚姻はひと月も経っていない状態。

どんな言い訳をつけても理解できない話だ。

それでもそのときまでは人々はこう思っていた。

「ウェンダム公爵と一緒に入ってくるだろう。」と。

しかし……。

不憫な新婦は一人で入場した。

「ペリア様、ご入場です!」

そう叫んだ侍従は、自分の声が会場中に響き渡ったことに少し誇らしさを感じたようだった。

名札には特に装飾もなく、後ろに「ウェンダム」の姓もつけず、「ペリア」という名前だけが記されていた。

その侍従は実際にはキャリア30年以上のベテランだったが、それでもこのような重要な場面でこれほど堂々と呼び上げるのは珍しいことだった。

当然、他の貴族たちもこのとんでもない状況に当惑を隠せなかった。

『挑発するつもりか?』

なんとこの非常識な花嫁は状況の安定を通り越し、まるで極端に演出するかのように、とても派手で美しかった。

格式にそぐわない服装であり、あまりにも派手すぎたのも確かだった。

しかし、事態がここまで大きく展開しているため、花嫁の服装を咎めるような余裕はなかった。

そして、実際……とても美しかった。

会場全体には強い照明が照らされていたが、花嫁には個人用の照明が何十個も当たっているように、より一層際立って見えた。

決してふわふわしていたり、特別に華やかなパターンでも、宝石がたくさん飾られているわけでもなかった。

彼女が着ていたドレスは、どこにでもありそうなマーメイドラインのドレスだった。

ただ、使われた原石が特別だっただけ。

波が砂浜に打ち寄せたときに砕けて広がる水しぶき。

そのときの海の泡は、世界のすべての清らかな光を含んで眩しく輝く。

原石はまるで、その瞬間の泡をそのまま糸で編んだかのようだった。

とても小さな宝石が全体にびっしりと縫い付けられたドレスのようで、照明の下ではまるでダイヤモンドのように輝いていた。

そして裾はどうだろう。

まるで青い波が押し寄せるかのように、ゆらゆらと上に向かって色が移ろい、また消えてを繰り返しているのだ。

……こんなドレスが突然どこから現れたというのか。

『こんな魔法の原石をなんで持ってるの? まさか……!』

高価な芸術品には値がつけられない。

もちろん、高級魔法原石もそうだった。

それは脱税や資産増加の手段としても使えるという意味だ。

現金化も容易で、保管にも困らない原石を資金洗浄に使っていた若い魔法使いがいたということ。

そしてその魔法使いが、大胆にも貴重な原石を差し出したという話だった。

これは、その宴会場の誰もが気づいていなかった裏事情だった。

ともあれ、そうして作られたドレスは、セイビアとユーリスの意見が均等に反映され、背中が開き、鎖骨もくっきり見え、シルエットもそのまま見せつけることで、役目を十分に果たしていた。

しかし、当初の作戦立案者の意図とは異なる方向に効果が出ていた。

花嫁の美しさと非日常的な状況が際立ち、あたかも豪奢な主人公のように見せる演出となっていたのだ!

品性が備わっていなかった貴婦人たちの心は大きく揺さぶられた。

さらに花嫁は新郎のそばに近寄ることもできず、恥ずかしそうにうつむき、なんだか一人で赤くなっているだけで精一杯のようだった。

もちろん、みんなを魅了することはできなかった。

尊敬するホンテイン公が、外見以外は何もない女性と結婚することが不満だった若者たちは、三々五々集まってひそひそ話して笑っていた。

「料理が上手いのは三年、美しいのは三日……うわっ!」

……その中の何人かは、母親たちに頭をはたかれて慌てたが、浮気する男と、家柄が低くて何も言えない花嫁。

フェリの姿はあまりに哀れで、思わず同情を誘った。

「かわいそうに。」

今年八十歳になる一人の上品な貴婦人は、自分の過去を思い出したのか、涙をひとしずくハンカチでそっと拭った。

こうしてフェリが西帝国の貴婦人たちの心を容赦なく奪ったが……それでも花嫁に先に近づく者はいなかった。

不幸な結婚生活が予定されている女性とはいえ、相手はあのウェンドムだからだ。

そしてその時、宴会場の入口が騒がしくなった。

「いや、これは聞いたことも見たこともない……!」

「一体どういうことですか?」

「お待ちください。これは我々の側から……」

その時、ホンテインの隣にいたセイビアが静かに立ち上がった。

彼女の声は大きくなかったが、すべての人々の注意を惹きつける力があった。

「私が直接招待した貴族たちです。」

「奥様、どなたを……?」

隣にいた夫の公爵が尋ねたが、セイビアは答えず無視した。

そして扉が開いた。

あれほど騒がしかった宴会場が、一瞬で静かになった。

遅れてやっと、緊張した侍従が本来の声量の半分にも満たない声で叫んだ。

「……東帝国のエクジャー公爵様とフェノックス卿がご到着です。」

しかしその紹介は、宴会場にいる全員の耳にくっきりと響き渡った。

存在だけでもキラキラと輝き、皆の視線を集める華やかな男。

パンデリニアンのエクジャーは前髪をかき上げながらホンテインを見つめた。

扉が開き、皆が静かになったその時。

フェノックスは、この大勢の中からどうやって私を見つけたのか、まっすぐこちらへ向かって歩いてきた。

少し離れたところで、数人の若者たちが集まっている場所から、こんな声が聞こえてきた。

「なんだよこれ……いくら交流が始まったとはいえ、あんな人たちが突然現れるなんて。」

本来は仲間内でだけ聞こえるようにひそひそと話していた声だったが、彼らの近くにいた貴族の一人にははっきりと聞こえてしまった。

「いや、それでも二つの帝国の和解の象徴と考えれば……セイビア様が招待したとしても、それほど問題になることではないでしょう。もう我々は敵国じゃないですし……」

「それより!予備の花嫁は一体どういうつもりなんですか?!」

「まだ花嫁が招待したという確証もないでしょう?」

「見てくださいよ。フェノックス卿が今まさにあの人のところに行ったじゃないですか。魔具の守護者を連れてきてもあれよりはマシですよ!なんて非常識なんだ!」

そう、まったくだ!

あんた誰にでもそんなこと言うの?!

内心であの若者の言葉に賛同した。

その間に私の目の前まで来たフェノックスは、久しぶりだと言わんばかりに皆の前で私を抱きしめようとしていた。

私はとっさにフェノックスの顔を押しのけて拒んだ。

彼はなぜ私が彼を押すのか分からない様子で一瞬戸惑ったが、すぐに笑った。

「え、何ですか?なんで現れたんですか!」

「なんで現れた、って。」

「それと、どこが男性的なんですか、いきなりハグしようとするなんて!」

私は思わず声を張り上げてフェノックスの腕をはたいた。

「何が男性的だって?異性でも同僚ならこのくらいはするよ。今どき何時代だと思ってるんだ……。」

「フェノックス卿の仲間じゃないんですか?」

「そうだけど、それでも君と一緒に……どこへ行くのかな?」

私はフェノックスの手首をつかんで引っ張った。

周囲の視線を気にして、ただ早足でテラスへと歩いていった。

やはりわざわざ引っ張っていく必要もなかった。

フェノックスは当然のようについてきていたからだ。

 



 

 

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