こんにちは、ちゃむです。
「偶然助けただけなので、責任は取りません」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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44話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ユーリスの目的③
そのとき、ロックサルを狙うユーリスを見て、いろいろなことを考えた後だった。
そうしてうたた寝していた私は、レリオンと共に入ってきたロックサルを見て息が詰まり、ひどく動揺してしまった。
そして目を覚ましたとき、私のそばにいたのがユーリスだった。
「お母さんに会いたい」と言って泣きじゃくる私に、ユーリスはその瞳で慰めてくれた。
この紫色の瞳。
私たちの瞳は、母から愛された証だと。
まだこの世に生まれていない胎児でも、命を懸けても惜しくないほど愛さなければ遺伝されるという言い伝えがあると話していた……。
そして、そんなふうに私を慰めてくれたユーリス自身も、人工的に作られた紫色の瞳を持っていた。
彼女の魔法的な才能も、母親から受け継いだという証拠。
そしてユーリスの身元調査を終えてからはっきり分かった。
あのとき私にくれた慰めは、自分自身を慰めるためのものでもあったということ。
親を失い、いつかはロックサルに復讐してやると心に決めた幼い子が、自分の目の前で同じように思い悩む私を見て、そうやって自分を奮い立たせてきたんだ。
一人で資金を集めて、一人で魔法の実力を磨きながら、そうしてずっと。
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「それと、派手なドレスを着ろってさ。」
『過剰に美しいのは罪だよね。』
私が能力がないように見えるのは顔がきれいだからとか、男に媚びる妖精みたいなイメージがついているからってだけでしょ。
『今考えても理不尽!』
馬鹿げたことを言いながら、露出の多いドレスを着ろという冗談を言ってきたこともそうだった。
他でもない、閉幕のパーティーだ。
そんな重要な場で、花嫁が少しでも非難されたらどうするつもり?
その言葉を聞いた花嫁の私は、いつもよりほんの少し……いや、ほんの少しでも派手な服を選んでいたらどうなってた?
本当にありとあらゆる陰口を叩かれていたに違いない。
「私がホンテインと結婚しないことを望んでいたんでしょ? 苦労するってわかってたから。」
ユーリスの目的はそれだった。
私を貶めること。
もちろん、今さら結婚したことが無かったことになるわけではない。
それでも未練がましく、この奇妙な結婚に少しでも綻びができればいいのにと思っていた。
花嫁側に問題があると知られてすぐに離婚できるように。
友達がクズみたいなやつと結婚するなら止めたくなるのは当然だから。
『予備の花嫁として暮らすのはどう?ホンテイン公は優しい?』
君が私を友達だと思っていたから……
「だから、手を取ろう。」
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ユーリスが少し落ち着いた後、私はゆっくり口を開いた。
「私は君のご両親が調査していた……塔で得たすべての正確な詳細データが欲しい。あなたも利用されたんでしょ、そうでしょ?」
装置でも、搬出記録でも、実験で使われた道具でもいい。
明らかにその時に潜入していた者しか得られないような、具体的なデータが必要だった。
ユーリスは鋭く答えた。
「私はまだ同意してない。」
「え〜」
するくせに。
私は目の前でモジモジしていたら、軽くぺちんと叩かれた。
そしてユーリスは腕を組み、口を開いた。
「あなたが何者か、私はまだ知らない。」
「……私は、あの塔での実験体だよ。」
「そう、だから……」
ユーリスは一人で勝手に合理的な事実を推理していた。
偽のフェリアン令嬢に、フェリアン令嬢の成長予測顔が適用されたように、私も人為的に改造された顔だったのかと。
私はだいたいうなずきながらつけ加えた。
「それと君のご両親が最後に調査していたのは、エクジャー領地の塔で暮らしていたんだ。」
しばらく悩んでいたユリスが、結局は堪えきれずにその情報を引き出すフリをして条件をさらに出してきた。
本当にずる賢い子だ。どうせ従うつもりだったくせに!
「塔にいたっていう君の話が本当なら、条件全部君に協力する。」
「何の?」
「私が見つけて殺すべき奴らはロックサルだけじゃないから。」
「何?」
「うちの両親の死に直接関与しているのは……あのフェリア嬢が拉致されて拷問されたとき、塔で働いていたやつらだから。」
ん?
ちょっと待て、それ……たぶん……。
「私はあいつらを全員見つけ出して殺してやる。だけど……やっぱりロックサルの庇護のもとで完全に身分を洗浄し終えたのか、誰もちゃんと見つけられなかった。どこに隠れたのかについての手がかりひとつ残ってなくて……。」
「………」
私の沈黙をどう解釈したのか、ユーリスは自分の苛立ちを抑えながら言った。
「そいつらを見つけ出すのに、あんたも協力してよ。」
「……」
ユーリスには絶好のチャンスだった。
彼らの実物を直接見た人が初めて現れたのだから。
これまでまったく手がかりを得られなかったユーリス。
そんな彼女にとって、奴らと一緒に生活していた私が最後の希望も同然だった。
でも……それが………
私はこれをどう言えばいいのか悩んでいると、ユーリスが慎重にもう一つの条件を付け加えた。
「もし、本当に奴らのうち誰かを見つけたら……」
ユーリスの声が少し真剣になった。そして続けた。
「私の人生をあなたにあげる。」
「それをどこで……」
「どんな汚い方法で使ってもいい。暗殺者でも、テロリストでも。どんなクズでもいいから協力してくれ。」
「あなた……」
私をいったい何者だと思ってるの?
私は深く息を吐いて尋ねた。
「探さなきゃいけないその人たち、正確に誰かは分かってるの?」
「外見や身体的な特徴はすべて記録してある。」
「例えば?」
私の質問に、ユーリスはすらすらと特徴を挙げた。
まるで私が何かを知りたがっていると見抜いているかのように。
「……大きな頭に、身長は2メートルを超えていて、こめかみのあたりから耳、そしてあごの下まで曲線状につながる長い傷跡がある男。傷跡は赤色で、異様に耳が大きくて分厚い。」
その見た目では、この世界で隠れることすら難しいだろう!
しかし、ユーリスが見つけられなかった理由があった。
なぜか?
あいつは、すでに我が王国で捕まって十年以上経っていたからだ!
私を廃棄するためにその塔から私を追い出し、幼い私を苦しめることに積極的に加担したり、あるいは黙認していたクズどもの存在を、陛下は許さなかった。
特に王国とフェリアン公女の関係性が露見しないように、一人残らず処理しなければならなかった。
そのおかげで、彼らのほとんどは今も王国の秘密地下牢に収監されているというわけだ。
そしてそのボス?
私はそいつがどの牢屋に入っているかまで知っている。今日は食事抜きの日だということも。
「………」
これをどう説明すればいいのか……。
私は悩んでから言った。
「その男は……ああ、ロックサルに対抗するために作られた……うちの秘密組織でこの前に造られた男だ。」
「え?ちょ……ちょっと待って。詳しく……」
「今のうちに全部説明してあげるよ。他に誰がいるかも言ってみて。」
ユーリスは私の言葉を信じられないという目つきだったが、それでも他の男の外見情報を口にした。
赤い髪、髪に隠れて見えないが、後頭部に刺青があり、などなど。
「……そいつ、私が七年前に取り逃がした奴だ。」
ユーリスは我慢できずに叫ぶように声を上げた。
「ウソつかないで、詐欺師!」
「いや、ホントだって!」
私はその二人だけでなく、他の奴らの特徴も並べながら、すでにうちの組織ではすべて確認済みの人物たちだと伝えた。
「もし運命を与えるなら受け取るけど……とにかく、死んだ奴らを除けばすでに捕まえたよ。」
「………」
「一人も逃すことはないから、そんなに心配しなくていい。ゆっくり持って行けばいいさ。」
「………」
「……サービスで拷問の時間も保証してあげる。」
私がそう言うと、ずっと不満でいっぱいだったユーリスの瞳がだんだん潤んできた。
私はユーリスを引き寄せて胸に抱きしめ、軽く叩いてやった。
とても長い間一人で戦ってきた友を。
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