こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は146話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
146話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 鏡の魔道具
ブランシュがソワソワした視線で私を見た。
「あの、お母様。私、よかったら見学が・・・」
あ、そうだ。
他の用件もあったよね。
「よかったら研究室を見学することはできますか?私もブランシュも魔道具に関心がありまして」
「お二人も禁断の知識を味わいたいのですね。私が案内者になる栄光を受けて嬉しいです」
ダリアは陰惨に笑いながら私たちを2階に導いた。
これ大丈夫かな?
特に禁断の知識などを味わいたいわけではないのだけれど・・・。
2階に入ると最も目立つのは高い天井だ。
外から見た時は3階の高さだったが、どう見てもそれ以上の高さに見える。
随所に奇異な装置と魔法模様が見え、ダリアのように灰色のローブを着た魔法使いたちが忙しなく研究に邁進中だ。
ふ〜ん、2階の規模に比べて働く人の数は少ないのね?
人間の魔法使いの数が少ないと聞いたが、それは本当のようだ。
「わあ、あれは何ですか?」
ブランシュが別世界でも見ているような目で辺りを見回して何処かを指差す。
指の先の方向には大きな全身鏡が。
「あれは真実のドッペルゲンガーという魔道具です。貴婦人たちの話し相手をしてくれます」
へえ?
ヴェリテに似たような種類の魔道具なのかな?
ブランシュも興味津々のようだ。
「ダリア魔法使い様、近くで見ることはできますか?」
「ええ、もちろんです。こちらにお越しください」
ダリアは興奮して私たちを鏡の方に案内した。
ブランシュが私に小さく囁く。
「ヴェリテにお友達が出来たらいいですね」
そうだね。
私たちも友達だが、友達がもっと増えたら嬉しいはずだ。
鏡の前に近づいた後、ブランシュが少し緊張した声で話した。
「こ、こんにちは。私はブランシュ・フリードキンと申します」
すると鏡の表面が少し揺れるように見えた。
そして、男性なのか女性なのか分からない美声が流れる。
「ブランシュお嬢様、こんにちは。今日は天気がとてもいいですね」
へえ、本当に話をするのね。
ヴェリテもこれを見たら喜ぶと思うのだけど。
ブランシュは鏡に向かって会話を続けた。
「あなたのお名前は何ですか?」
「まだ名前はありません。美しいお嬢様」
「褒め言葉をありがとう!鏡さんも声が本当に綺麗ですね」
「・・・」
「えっと、鏡さんは普段何をしながら時間を過ごしていますか?」
「今日も本当に美しいですね、ブランシュお嬢様」
うん?
何かおかしいんだけど。
二人の対話が成立することはあるが、何か違和感が感じられた。
正確に言うと・・・、ちょっと足りない人工知能を相手にする感じ?
人と会話をしている感じがないのだ。
「魂のない魔道具の悲しい限界なのです」
ダリアがこっそり説明を加える。
ブランシュが少し理解できない表情で尋ねた。
「魂がないとは?」
「言葉通りです。人間に許された知能と自我、魂がこの鏡には宿っておりません。そのため、教えておいた言葉を繰り返すのが限界なのです」
あれ?
我が家のヴェリテには自我と知能があるのだけれど?
「さっきの椅子は自分の意志通りに動かなかったのですか?」
「あらかじめ入力しておいた動物の行動を真似するだけです。対話のように高度な知能が必要な行為は不可能です」
それを聞いて頭が少し複雑に。
じゃあ、ヴェリテは一体何だろう?
商人がヴェリテを見て不良品だと言ったことを思い出す。
鏡をチラッと見る。
鏡にはブランシュの姿が映るだけで、ヴェリテのように自分だけの形を維持しているわけでもない。
「もしかして、この鏡の魔道具には他の機能があるのですか?鏡だけの姿を作ったり、他の場所を映したり・・・」
「ありません。空間魔法は上位魔法なので、魔力の祝福を生まれつき持っている人だけが可能です」
ますます頭が痛くなる。
ヴェリテは本当に不良品なの?
ダリアの言葉が正しいなら、私はとてつもない魔道具を持っていると思うのだけど。
「空間を超越する魔道具をご希望ですか?やはり禁断の領域に関心があったのですね。王妃様も私たちの秘密パーティーに一緒に___」
「結構です」
慌ててダリアの言葉を切る。
このままでは怪しい宗教に入門してしまいそうだった。
「とりあえずクリーナーに魔力を補充してもらえますか?見物したいです」
「ああ、分かりました。それでは血の儀式を始めましょう」
血の儀式。
やや殺伐とした名称に私もブランシュも緊張してしまった。
ダリアはそんな中、優雅に手を上げる。
指先が煌めいていた。
よく見ると、彼女は左手の人差し指に特異な爪飾りをつけている。
鷹や鷲の爪に似た装飾だ。
彼女はその飾りで手のひらを引く。
わっ、痛そう!
あっという間に手のひらから血が出てくる。
ダリアが手を下に向けると血が指に流れ込んだ。
そして、彼女は血に濡れた人差し指をクリーナーの瓶の口に入れる。
クリーナーの中に血が1、2滴入るかと思ったら、いつの間にか光が流れ始めた。
ダリアの魔力のようだ。
空き瓶に水を注ぐようにクリーナーの中が魔力で満ち上がり始める。
いつの間にか入口まで魔力が上がると、ダリアは手を離した。
「さあ、できましたよ」
やっぱりヴェリテは特別製なのですね!
自我のある魔道具。
これがダリアに知られたら・・・。
ヴェリテの正体がますます気になります。