こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は156話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
156話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- セーブルの来訪
「殿下が?」
セーブルは何の用事で来たのだろうか?
何かは分からないが、とても嬉しかった。
砂漠で干からびていく中で、雨が降ったような。
「行かなければなりませんね」
優しい美声が聞こえてきた。
後ろを振り返ってみると、レイブンは普段の姿そのままだ。
さっきまでのプレッシャーは跡形もない。
まるで蜃気楼のように。
「・・・はい、そうですね」
「それでは、次はいつお会いできるでしょうか?」
次?
私は「次」という言葉にびっくりした。
どうしても答えられない。
レイブンと二人きりで会ってはいけないという予感がしたから。
「レイブン卿も時間を作るのは難しいでしょうから、私が今後デザイナーを呼んで話を交わすようにします」
「ええ、よろしくお願いします」
彼は未練なく私を放した。
試着室を出ると、鋭い爪に掴まれていた感覚からようやく抜け出せたような気分になる。
さっきのは何だったのだろう?
なんでレイブンは、あんな表情を浮かべたのだろうか?
いっそ怒っていたら理解できたはず。
けれど、彼の瞳に写っていたのは怒りや失望ではなかった。
意味深長に輝いていた瞳。
好意というには暗く、敵意というには温もりのあった目。
相変わらず何かに取り憑かれたような気分で、私は応接間に入った。
部屋の中で立っていたセーブルが慌てて私の方を振り返る。
「アビゲール、いらっしゃいましたか」
彼の声を聞くと胸がホッとする。
なぜこんなに安心できるのか。
セーブルに近づき、彼を抱きしめたかった。
けれど、その程度の理性は残っていたので、私はいつも通りの口調で話す。
「はい、殿下。急いで来られたと聞きましたので、何か問題でもあったのでしょうか?」
「いいえ、特に問題はありません。ただあなたとお茶を飲みたくて」
お茶が飲みたくて私を呼んだ?
何か変ではあったがどうでもよかった。
おかげで試着室から抜け出すことができたのだから。
「はい。私も殿下とお茶を飲みたかったところです」
淡々と頷くセーブルを見ていると、とても落ち着いてきた。
似たような顔だが、やっぱり二人は違う人だよね。
すぐにテーブルの上にお茶とお茶菓子が用意された。
本当にお茶が飲みたくて呼んだわけではないだろうし、何か言いたいことがあるのだろう。
そういえば今日は国政会議があった日じゃないか。
「ところで殿下。今日は国政会議がありませんでしたか?」
「明日に延期されました」
「何かあったのですか?」
「急な案件が発生したため延期させたのです」
その時、ネックレスの方からくすくす笑う声が聞こえてきた。
セーブルの目つきが鋭くなる。
「ヴェリテ、私的な席だ。退け」
「はい、殿下。退きますね」
そう話す声には笑いが混じっていた。
すぐに鏡は静かになり、セーブルは黙々とお茶を飲む。
「殿下、ヴェリテがなぜ笑ったのかご存知ですか?」
「・・・分からないですね」
うーん、セーブルは嘘をついているみたいだけど?
私のいない間に二人で何か話でもしたのかな?
「とにかくアビゲール。先ほどはどこに行っていたのですか?」
セーブルがこっそり話題を変えた。
怪しい・・・。
二人で何か作戦でも立てていたのかな?
後でヴェリテに聞いてみよう。
「少しデザイナーに会ってきました」
「新しい服を作る予定なのですか?」
「それが・・・」
私はしばらく躊躇った。
どうしよう?
レイブンと一緒にいたと話せば嫌がると思うけど・・・。
この前も親しく過ごすなと言っていたから、彼の言葉を無視したように思われるかもしれない。
率直に言うか、それとも適当に言い繕うか、私は悩みに陥った。
短い沈黙の末、私は口を開く。
「この前貰ったプレゼントのお返しをしようと思って、レイブン卿と一緒にいました」
いっそセーブルが起こっても率直に言うことを決心した。
嘘をついても、他人に聞けばバレる内容であり、むしろ不信だけが溜まるに違いないから。
セーブルが私をじっと見つめる。
彼の瞳は湖のように静かだ。
「そうだったのですね。お返しは何にしたのですか?」
あれ?
予想外にセーブルは不快そうではなかった。
率直に言って良かった!
私は少し安堵して口を開く。
「新しく服を合わせるのにアドバイスをしてほしいと言われました。それで生地を選んで・・・」
選んでいる途中で、レイブンがおかしくなった。
あの目つきを思い出すと、また背中が冷たくなる。
「選んで、何かありましたか?」
セーブルが落ち着いた声で聞き返す。
これを何と説明すればいいのだろうか。
私はしばらく言葉を選んで口を開いた。
「生地の話を少ししました。黒の種類でレイブンとセーブルという色があって、不思議ですねという話をしたんですよ」
レイブンが自分のことを代替材と思っていた。
そんな話をすることはできない。
当事者がいない席でそんな話をするのは良心が痛むから。
「そうだったのですね」
セーブルは短く答えた後、紅茶を口に含んだ。
あれ?
何だか表情が少し曇ってる?
やっぱりレイブンと一緒にいたのが嫌なのかな?
「そして、この前から気になっていることがあるのですが」
「仰ってください」
「以前レイブン卿を遠ざけろと言ったじゃないですか。何か特別な理由があるのですか?やはり政治的立場のためでしょうか?」
セイブリアンの来訪のおかげで、レイブンとの危うい雰囲気を脱出することができましたね。
ヴェリテが監視していたのでしょうか?
セイブリアンがレイブンに対してどのような感情を抱いているのか気になります。