こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は155話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
155話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- みんな違う色
何でも。
何でもいいと言っておいて、結果が出たら必ずしもこれではないと言われる可能性が高い。
私はじっくりとレイブンに会話を試みた。
「華やかに見せたいですか?それとも落ち着いた系列がいいですか?」
「うーん、落ち着いた方がいいと思います」
こうなると思ったよ。
あのまま受け入れて変になるとお互いに困るのだから。
「それでは無彩色系はどうですか?白、灰色、黒の中ではどれが好みでしょうか?」
「黒色がいいです」
よしよし、そろそろ纏まってきた。
私は見本の間から黒い生地をいくつか選んで机の上に置いた。
どんな生地にするのがいいかな?
最近の流行は何だっけ?
全部似ているように見える生地だが材質によって感じが異なり、同じ素材でも微妙に色が違う。
悩んでいるとレイブンが声をかけてきた。
「王妃様。何を悩んでいるのか、伺ってもよろしいでしょうか?」
「どっちが公爵様に似合うか考え中でした」
「失礼ですが、私の目にはどちらも同じ黒に見えます・・・」
「いいえ、似ているように見えますが、同じ色ではありません」
私はレイブンの手に生地を置く。
彼は注意深く眺めたが、依然として違いが分かっていない表情だった。
照明のせいかな。
私は生地を持っていき、窓際に近寄った。
そして生地を日光の下で照らす。
「これで少しは違いが分かると思います」
「ああ、確かに色が少し違うように見えます」
片方は日光を浴びても濃い黒で、片方は微かに緑色を帯びていた。
注意して見なければ似ているが、結局は別の色なのだ。
「黒にも種類があるなんて不思議ですね」
「はい、黒にも色々な名前があります。ブルラック、インク、オイル、メタル、ジェイド、そして・・・」
いくつかの名前を並べるうちに、私はふと口をつぐんだ。
ある考えが浮かんだためだった。
レイブンがじっと私の話を待っている。
私は他の人に聞こえないように声を低くした。
「黒の中にはレイブンとセーブルという色もあります。一見同じ色ですが、違う色なのですよ」
世の中には数多くの色があり、それぞれの名前がある。
その差があまりにも微細なので、人々は通常大きな分類で色を束ねていた。
けれど、結局はみんな違う色だ。
似たような色はあっても同じ色はない。
同じ色なら、敢えて他の名前を決めるはずがないのだから。
「世の中に同じ色はありません。人も同じです。だから・・・」
私は躊躇いながらレイブンを凝視した。
彼はセーブルに似ているが、全く違う顔で私を見ている。
「自分を代替材だと思わないでください。レイブンはレイブンなのですから」
レイブンに話したかった話をとうとう切り出してしまった。
言っておいて後悔してしまう。
行き過ぎたお節介ではなかっただろうか。
けれど、彼に慰労の言葉を伝えたかったのだ。
私のせいで腹が立ったり傷ついたりしないでほしい。
私はそっと頭を上げてレイブンの顔色を伺う。
その瞬間、私は小さなネズミになったようだった。
彼の瞳があまりにもゾッとし、私はそのまま固まってしまう。
レイブンの金色の眼がくっきりと見えた。
猛禽類のような目つき。
その目つきが私を直視すると息が詰まった。
鷹に晒されたネズミになったような気分に。
鋭いクチバシと爪で裂かれるネズミ。
レイブンがこのように荒っぽい気配を見せるのを初めて見た。
怒っているのだろうか。
いや、彼の目つきには憎悪がない。
驚き、興味、そして正体不明の何かで瞳が光っているだけ。
その「何か」の正体を知る術がなかったが危険だということは分かった。
まもなくレイブンの口元が斜めに上がる。
いつものような優しい微笑。
しかし、純粋な好意は感じられなかった。
「王妃様は面白い方ですね」
私の前に立っている人は本当にレイブンなのだろうか?
レイブンの仮面をかぶった誰かではなくて?
全く知らない人を相手にしているような気分だった。
空気さえ変質したように思える。
砂漠の空気のようだ。
彼の視線は暴力的なほど熱い日差しに似ている。
「国王殿下が王妃様を寵愛する理由が分かる気がします」
彼の口から言葉が流れるたびに空気が薄くなるようだった。
思わず一歩退く。
するとレイブンも私に一歩近づいた。
「それで私に似合う色は何でしょうか?」
「あの、それは・・・」
何も言えない。
口の中がごちゃごちゃした砂でいっぱいになったようだった。
固くなっていたその時、ドアが開く音がした。
「王妃様」
聞きなれた声が聞こえてくると、ようやく空気が元に戻る。
慌てて後ろを振り向くと侍従が立っていた。
「お忙しいところ申し訳ございません。国王殿下が訪ねてこられましたので・・・」
レイブンの逆鱗?に触れたアビゲール。
レイブンの感情が全く読めませんが、好意的に捉えるのは難しいでしょう。
ピンチの時に訪れたセイブリアンの来訪。
ヴェリテからの報告を受けて来たのでしょうか?