こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は259話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
259話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side ギデオン
暖炉の火が静かに燃えていた。
薪が燃える音だけが聞こえてきて、部屋の中には誰もいないように見える。
しかし暖炉のそばに人の影が長く垂れ下がっていた。
炎が作り出す影と光源が顔の上で絶えず席を変えている。
ギデオンはその明かりを見つめていた。
テーブルの上には先ほどまで作業していた楽譜がたくさんある。
月光、即興幻想曲、カルメン変奏曲・・・、楽譜を描いているうちに嫌気がさしたかのようにペンで無残に砕かれた跡も。
「ギデオン、入ってもいいか?」
その時、慎重な声が聞こえてきた。
ギデオンはビクッとして口を開く。
「はい、お父さん」
彼は振り返らずに言った。
しばらくして、マクラウド子爵が中に入ってくる。
彼はかなり老衰した男で、ギデオンの父親というよりは祖父に似ていた。
6番目の息子なので、そういうこともあり得る。
「どうしたのですか?」
「あの、それが・・・、お前に婚礼の提案が入ってきて」
子爵が少し怯えたような目で言った。
顔と同じくらい性格もおとなしい人だ。
ギデオンは、まだ暖炉の方を見ている。
「いいって言ったじゃないですか」
「分かっているが、今度は本当に良い家柄から連絡が入って・・・」
「いいって言ったじゃん!」
ギデオンは大声で叫びながら立ち上がった。
その勢いで椅子が倒れそうなくらいに。
子爵はその姿を見て驚いて身をすくめる。
老年の子爵があれほど震えているにもかかわらず、ギデオンは怒りを隠さなかった。
両目から癇癪と怒りが込み上げている。
子爵は視線を避けたまま、ブルブル震えながら口を開く。
「ごめんね、ごめんね。私が悪かった」
もう少し怒鳴れば跪く勢いだ。
その震える姿にギデオンの声が少し和らぐ。
「お父さん、私は本当に結婚するつもりはありません」
笑っているがどこか殺伐とした気運が漂っていた。
彼は子爵に近づき、肩をギュッと握る。
「いい家柄?どこですか?どの国のお姫様でしょうか?」
「そうじゃないんだけど・・・」
「姫ほどでなければ、二度と話さないでください」
「わ、分かった。すまないな。もう休みなさい」
子爵は慌てて言葉を飲み込んだ後、部屋を出ようとした。
そうするうちにしばらく立ち止まり、迷った末に口を開く。
「ギデオン・・・、本当に何事もなかったんだろう?」
「・・・」
「あの日以後、お前が変わり過ぎて・・・」
「出て行ってください」
最後の警告だった。
子爵もそれに気づき、素早く部屋を出ていく。
ギデオンは歯軋りをしながらソファに戻った。
「ただでさえ気にすることが多いのに、イライラする」
アビゲールが救助され、さらにアトランシアから使節団までやってきた今、ギデオンの頭は忙しく回っていた。
アビゲールの暗殺に失敗したのは非常に残念なことだった。
人魚が現れて彼女を救ってくれるとは予想もできなかった。
不幸中の幸いと言えば、自分の犯行であることに気づかれていないこと。
もちろん、最初から尻尾が捕まらないように上手く処理していたが。
「赤毛の暗殺者など、どれだけ探してもいないだろう」
ギデオンはポケットから小さな薬瓶を2本取り出した。
一つは表面が黒く焼けて中身を確認できず、一つは赤ワイン色。
「あいつら、大したことない薬をあんなに高く売るなんて」
どちらの薬も闇商人を通じてやっと手に入れた魔法薬だ。
赤ワイン色の薬は見た目を変える魔法がかかっている。
アビゲールを殺そうとした時、彼はこの薬を飲んだ。
そのため、赤毛の人を見つけることができなかったのだ。
高い値段で買った薬なのに失敗するなんて。
「・・・これから直接乗り出すべきか」
なるべく自分は姿を消したかったが、今回訪れたチャンスを逃すことはできない。
使節団がすぐに退散する勢いだったので計画が水の泡になると思っていたが、幸い二日間滞在すると聞いた。
彼にとって使節団の訪問は思いがけない幸運だった。
敵国の使節団が訪れた時期。
騒動になっても疑いの矢は明らかに使節団に向かうはずだ。
「誰かを殺すには最高の時期でもある」
ギデオンは長い間黒い薬瓶を揺らした。
そして2種類の薬をポケットに入れて部屋を出ていく。
一瞬ギデオンが誰だったのか忘れていました。
アビゲールを船から落としたのが彼だったとは・・・。
使節団との交流を狙ってくるのは要注意ですね。