こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は260話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
260話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 果樹園
使節団がネルゲンに到着したとき、彼らは人間が建てた壮大な建物を見てもあまり感心しなかった。
驚きがなかったといえば嘘だろう。
しかし、それは単に見慣れない建築物に対する感想で、内心自分たちの王国の方がもっと美しいと思っていた。
ネルゲンから贈られた宝石やアクセサリーも多少は良かったが、それも大きな反応はなかった。
沈没した貿易船で簡単に発見できる貴重品。
使節団はみな貴族だから尚更だ。
そんな彼らが一番喜んだのは花と果物だった。
アビゲールはナディアの言葉に従い、使節団を率いて近くの果樹園に来たところだった。
「これは絶景だね」
果樹園に入ったグンヒルドが思わず呟くほど、彼らは大きなショックを受けていた。
秋のリンゴを収穫するために、作業員たちは果樹園を忙しなく行き来している。
収穫の季節を迎えたリンゴはグンヒルドの髪と同じくらい鮮やかな赤色を帯びていた。
「良かったです、収穫が終わる前に来られて」
アビゲールは驚いた使節団に向かって言った。
彼らの驚異的な表情を見ていると、ただただ嬉しかった。
(リンゴ果樹園だなんて、少し気まずいよね)
原作を覚えているため、リンゴはあまり嬉しくない果物の一つ。
しかし、方法がなかった。
もう冬が近づいてくる時期。
水道近くの果樹園はすべて収穫を終え、この果樹園以外には選択肢が残っていなかったのだ。
それでも来て良かったと思った。
人魚たちは四方から漂ってくる甘い匂いに気が気でない様子だ。
「皆さん喜んでいるようで良かったです。リンゴを召し上がりませんか?とても甘いですから」
アビゲールは使用人が持っているかごからリンゴを一つ取り出した。
グンヒルドはそれが毒リンゴであるかのように睨みつける。
その時、ナディアが突然現れ、リンゴを奪った。
リンゴ泥棒は愉快に果物を齧り、シャキシャキと噛む音が軽快に響く。
「わあ、本当に甘い!今まで食べたリンゴの中で一番甘いと思う」
ナディアはあっという間にリンゴを食べ、それから使節団の方を振り返った。
「あなたたちも早く食べてみて。美味しいから」
使節団も内心リンゴが食べたかったところだ。
グンヒルドの顔色を伺って大人しくしていたが、ナディアのおかげで名分ができた。
躊躇っていた人魚たちがこっそりリンゴを取る。
パクリとリンゴを食べる姿は、とても純朴だった。
ナディアが言ったようにリンゴはとても甘くて目が丸くなる。
グンヒルドは使節団を睨みつけたが、引き止めはしなかった。
彼女はイライラするかのように足を運ぶ。
(くそ、私もおかしくなった。なぜアトランシアに帰らずに・・・)
なぜあの時、もう一日滞在すると言ってしまったのだろうか。
人間に希望を抱いてはいけないのに。
彼女は低い塀にどっかりと座り込む。
果樹園の風景が美しく、かえってイライラした。
ところが、ふと何かが近くを彷徨いているのが感じられた。
ブランシュだった。
小さな子供が自分をじっと見上げていると、グンヒルドはビクッとして口を開く。
「何だ?」
「あ、その・・・、寒くないか心配で」
ブランシュは厚いケープをまとったままだった。
他の人間も厚い上着を着ている。
一方、人魚たちはローブを一つだけ巻いたまま。
季節外れの薄着だった。
「海の中に比べると、特に寒いわけでもない」
一生を海で生きていく人魚たちにとって寒さとは慣れた存在だ。
ブランシュはその話を聞いて感心し、両目を宝石のように輝かせる。
「すごいです!そんなに体が丈夫なのも海で過ごされてきたからですか?」
「そういうわけだ」
人魚は身体的に剛健な種族だが、その中でも特に強い者で使節団を構成した。
もともとはナディアを救出するつもりだったので、戦闘を覚悟していた。
第1王女のグンヒルドが来たのも、そのような理由からだ。
ところが、いざ呑気にリンゴを食べているなんて。
そんな中、ブランシュは目を輝かせながら彼女を見ていた。
その尊敬すべき視線にグンヒルドは訳もなく咳き込んだ。
「まあ、あなたたち人間はみんな柔らかいから、私の目にはむしろあなたたちが不思議だよ」
「柔らかい?私はあまりふにゃふにゃじゃないですよ」
自分が見た人間の中で最も柔らかい人間がそう言って、グンヒルドはニヤリと笑う。
「あなたよりタコの方が硬いだろう。私の腕を触ってみて」
「いいのですか?」
グンヒルドは頷いてそっと右腕を差し出す。
ローブの下に現れた腕は、ブランシュの腰と同じくらい太かった。
ブランシュは小さな手で腕に触れる。
腕に力を入れるとブランシュは驚いて言った。
「わあ、本当にすごいですね!すごく硬いです!」
「ふん、お前たち人間とは比べ物にならないよ。あなた程度は指一本でも持ち上げることができる」
グンヒルドはブツブツ言いながらブランシュと話を続ける。
不思議なことに、この子と向き合っていると警戒心が和らぐことを感じることができた。
アビゲールがリンゴを苦手としているのが面白いですね。
白雪姫がモチーフとされているのなら、このリンゴはもしかして・・・?