こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は278話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
278話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ブランシュの決意④
早朝。
ドレスルームにはかすかな夜明けの光が漂っていた。
今日はセーブルとブランシュが暗行に出かける日。
目立たず、安全に行ってくることを条件に。
腕のいい護衛騎士2人を後衛につけ、ブランシュの隣はセーブルが守ることにした。
ミラードは代わりに暗行に出ると言ったが、セーブルは必ず自分がブランシュのそばを守らなければならないと意地を張った。
むしろ私がついて行った方がいいんじゃないかな。
そう悩んでいたところ、試着室のドアが開く。
「どうでしょうか?」
セーブルは普段の煌びやかな制服の代わりに、端正に見える茶色のフロックコートを着ていた。
そして前髪を下ろして少し乱した後、度のないメガネをかけている。
彼は私に注意深く尋ねた。
「変ではないでしょうか?」
私は眼鏡をかけたセーブルを見て固まってしまう。
あ、いや・・・、眼観にあんな効果があったつけ?
普段は可愛かったが、今はセクシーな感じが漂っていた。
タンビじゃなくて黒ヒョウみたいだけど?
「お、お似合いです」
心臓がむしゃむしゃと音を立てる。
彼は私の返事に嬉しそうに笑った。
微笑みながら、眼観越しに涙点が見える。
「良かったです」
いつも見る顔なのに、なんで毎日のように新鮮なんだろうか?
最初は顔を見ると怒りがこみ上げてきて、食事ができないほどだったが、今はセーブルがとても綺麗に見えた。
うちの夫は客観的にも可愛い。
ブランシュほどではないけど。
セーブルが変装した姿を見ると、ブランシュはどうなのかさらに楽しみだった。
その時、ブランシュの声が聞こえてきた。
「お母様、私着替え終わりました!」
それと同時に隣の部屋で小さなシルエットがちらりと姿を現す。
ブランシュは大いに期待した顔で尋ねた。
「私はどうですか?」
私は口を塞いでブランシュを見つめる。
普段のブランシュのスタイルとは明確に違うが、どんな服を着てもブランシュの可愛さは防ぐ方法がなかった。
今、ブランシュは男の子が着そうな服装をしていた。
編みストッキング、リネンシャツ、そして、ひざまで下がってくるブリッジスとマッチした髪を結い上げて固定した後、小さな帽子をかぶっていたのでショートカットのように見える。
元々は探偵の服装などを着せたかった。
シャーロック・ホームズが足りず、よく知られている「ディアストーカー 」を使ってもよく似合うはずだが・・・。
1800年代後半に作られた帽子だから、あまりにも目立つだろう。
はあ、いつかは近代時代の服も作りたい。
いずれにせよ、この程度なら目立たないし、お姫様のようでもない。
最大限姿を隠すために男装を選んだが・・・。
「とてもお似合いです。ブランシュ!」
「ズポンを試着するのは初めてですが、ちょっと不思議な感じですね」
ブランシュは恥ずかしそうに膝をいじくり回した。
ひざ丈のショートパンツをはいたのがとても可愛らしい。
ぐすん、もっと多様な服を作ってあげたいが、いつ頃可能だろうか。
「ヴェリテ、私はどう?似合ってる?」
ブランシュは鏡の前でぐるぐる回った。
ああっ、ブランシュ!
私は唇をかみしめながら、心の中で夜光棒を百回振る。
そんな中、ベリテが静かだね?
ちらりと鏡を見ると,ベリテは顔を赤らめ,何も言えなかった。
「そ、う、う・・・、綺麗でかっこういい。す、すごく似合っているよ」
「本当?ありがとう」
ブランシュはへヘと笑いながら言った。
ベリテ・・・、前からちょっと怪しいな?
なんとなくサラサラとした雰囲気を漂わせる2人の子供を眺めていたところ、ベリテと目が合う。
「ああ、アビゲイル!あとは魔法の薬をあげないと」
この子今わざと話を変えてるんじゃないの?
根掘り葉掘り聞いてみたいが、ひとまず急用があるので先送りすることに。
私はポケットから魔法薬を取り出した。
「これを使えば瞳と髪の毛の色を変えることができるそうです」
いくら変装をしても二人が一緒に出れば目につきそうで、魔法館で製造してきたのだ。
「顔を変える薬も作れるけど・・・」
ダリアの話を聞いてみると、顔を変えたり、他人の姿を借りたりする魔法は、かなり大きなリスクを伴った。
[他者のペルソナを借りるには、元の所有者の生命のしずくを必要とします。日が昇る時間の間、仮面を借りるには、主人の命が失われるでしょう]
ダリアが非常に難しい表現を使っていて分かりにくかったが、要点だけ整理するとこうだ。
[他人の姿を借りるためには相手の血が必要だが、半日以上姿を変えるほどの血を抜き取れば対象の命が危険だ]
暗行一度出たからといって人を殺すことはできないので、次善策として髪の毛と瞳の色を変える薬を持ってきた。
「好きな色を思い浮かべながら飲めばいいそうです。日が暮れる頃には色が戻ってくるそうなので」
私はブランシュとセーブルに薬を渡す。
二人は少し緊張した様子で紫色の薬を飲んだ。
すると紙に落ちたインクが広がるように徐々に変化が始まった。
ブランシュは不思議な目で鏡をのぞき込んだ。
「うわぁ、本当に変わりましたね!不思議です!」
ブランシュの黒髪はいつの間にかチョコレートのように柔らかい茶色に、青い瞳は新緑のような緑色に変わった。
注意深く見なければ、ブランシュだということが,分からないような気がする。
もちろん私は分かるけど!
ところでセーブルは何色に変えたのかな。
ブランシュと同じ茶色?
私は横をちらっと見た。
「あら、殿下。赤でお選びになりましたね」
黒タンビの毛のように黒くてつやのある髪の毛が華やかな赤色に変わっていた。
瞳は私のと同じ紫色。
普段は落ち着いたイメージだったのに、こう見るとなんだか派手な感じがするね。
これもそれなりに・・・。
確かに色が変わるからイメージが変わるんだね。
ところでセーブルは無彩色系が好きだと思ったのに。
「赤がお好きなんですね」
「赤色が・・・、好きになりました」
好きなんじゃなくて好きになったって?
ちょっと変わった答えだね。
セーブルはしばらく躊躇った後、手で口元を隠く。
「あなたが好きだと言ってたので・・・」
「私がですか?いつですか?.」
「以前、黒より赤の方がいいとおっしゃったじゃないですか」
それを聞くと、後になって記憶が浮かんだ。
セーブルとレイブンの中でどっちが好きかという時、私が赤が好きだと言ったよね。
ずいぶん前のことなのに覚えていたの?
そして私が好きな色に変えたの?
本当に人がここまで可愛くてもいいのか。
私の顔色をうかがっているセーブルを見ると、思わず照れてしまった。
「ご、ごほん。殿下、実は私は赤が一番好きではありません」
「それでは、どんな色が好きですか?」
「私は・・・」
私はこっそりセーブルに近づいて彼の耳元で囁く。
「私はセーブルが一番好きです」
色も、人もセーブルが一番好きだ。
セーブルは私の答えに目を見開いた。
彼はビうしていいか分からずに私の手をぎゅっと握っでささやいた。
「キスしてもいいですか?」
「だ、だめです!子供が見てるじゃないですか!」
「やっばりそうでしょうね。でもビビが可愛すぎて・・・」
彼は深いため息をついていた。
こっそりとあたりを見回すと、ブランシュが目を輝かせている。
「キスされるんですか?」
「し、しません!」
いくらなんでも子供の前ではちょっとね。
普段なら残念そうな顔をしていたセーブルもうなずいて退いた。
「それでは気をつけて行ってきてください。私も一緒に行けたらいいのですが・・・」
どうしても3人が一緒に通えばもっと目立つはずだ。
そして、何かあるかもしれないから、一人ぐらいは宮に残っていたほうがいいだろう。
「では行ってきます、お母様。ベリテ、私犯人を捕まえてくるから」
変装を終えた2人はローブを着て、出発の準備をした。
そんな中、セーブルが立ち止まり、私をちらりと見る。
「殿下?何かあったんですか?」
「えっと・・・」
彼は私に近づき、軽く首を横に傾けた。
それから私の頬にキスをした。
「行ってきます、ビビ」
ああっ、ああっ。予告なしにやめて!
「気をつけていってらっしゃい」
私もセーブルの頬に口付けをし、ブランシュにも頬にキスをしてあげた。
ブランシュは静かに笑って喜んだ。
「あ、それと情報部に頼んだことは」
「はい。お手紙をお伝えしました」
よく伝わったね。
それでは今すぐ私がすることはないようだ。
とりあえず待てばいいんだね。
ブランシュの変装!
探偵風のブランシュは絶対に可愛いですよね!
ヴェリテもたじたじのようです。
犯人の消息を掴むことはできるのでしょうか?