こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は292話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
292話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ある噂②
いつの間にか窓の向こうが暗くなった。
もう少し働こうとしたのが、気がつけばこの時刻だ。
私は執務室の机の上に置かれた書類を見下ろす。
アトランシアとの交流問題に関する内容だった。
う一ん・・・、思ったより仕事がはかどらない。
使節団の接待は成功的に終えたが、まだ不安な部分が多かった。
グンヒルドが人魚の海域を通ることを許してくれたのは、予想よりも大きな成果だ。
しかし、まだアトランシアと私たちが公式に同盟になったわけではない。
ナディアの話では、人間との交流問題で、アトランシアの方でも口数が多いという。
どうして人間などと交流できるのかと。
ふぅ、両方ともまだまだ先が長い。
アトランシア側のことで頭が痛い中、また別の悩みがあった。
まさにブランシュの誕生日プレゼントだ。
ああ、これをどうすればいいのか。
子供を私一人で産むわけでもないし。
どうしても夫婦関係はセーブルにとって大変なことだろう。
私はしてもいいし、しなくてもいい。
セーブルがどんな選択をしても、彼が傷つかない方向で過ごせたらいいのに。
「王妃様、今、話せる?」
しばらく他のことを考えていたところ、鏡からベリテの声が聞こえてきた。
全身鏡を見ると、慣れたながらも見慣れない顔が見えた。
「大丈夫だよ。ここに来る?」
「うん。ちょっと待ってて」
ベリテはその言葉が終わると同時に前に一歩を踏み出した。
すると、水から出てくる人のようにベリテがずるりと鏡から抜け出した。
「ああ、本当にうらやましい。私もその魔法を学びたい」
ベリテは鏡から出た後、使える魔法に変化が生じた。
まさに空間魔法だ。
鏡に空色の魔力を注入する場合、ベリテは鏡をドアにして移動が可能だった。
体が通過できる大きさなら。
「私もいつかはそんな魔法を学ぶことができるかな?」
魔力が2種類もあるなんて、うらやましい、本当に。
ベリテは私をなだめるように言った。
「それでも私と接触していれはアビゲイルも移動できるよ」
「お?そうなの?じゃあ東部にもすぐ行けるの?」
「うん。今度また海に行きたい。ブランシュも一緒に・・・」
ベリテのつぶやきに私はにやにや笑ってしまう。
この友逹、もうデートの計画を立てているんだね。
片思いをそばで見ているのが楽しいし、気の毒でもあった。
私がベリテにたくさん助けてもらったから、私も助けてあげられたらいいのに。
少なくともお悩み相談を間いてあげることができるのではないか。
私はしばらく悩んだ末、口を開いた。
「ベリテ。実は私があなたに言わなかったことがあるの」
「何?」
「君が鏡に閉じ込められた時のこと。実は君の呪いが誰の口づけを受ければ解けるのか調べていたんだ」
その言葉にベリテは慌てて頭をもたげる。
顔に狼狽がいっぱいだった。
「じょ、条件は何だったの?」
「それが・・・」
私はしばらくためらった後、小さくひそひそと話した。
「愛する人との口づけ」
私の言葉が赤い絵の具でもあるかのように、ベリテの顔が一瞬にして赤くなる。
「うそ!?」
「嘘じゃないんだけど」
「わ、私は・・・」
「あなた・・・、ブランシュが好きでしょう?」
「ウアアア!」
ベリテは短く悲鳴を上げた後、ソファに飛び込んでクッションに顔を埋めてしまった。
「ブランシュが好きでしょう?そうなのでしょう?」
しばらく顔を打ち付けていたベリテが、こっそりと頭をもたげる。
「うん・・・」
それから隠れたいのか、また顔をクッションに埋めた。
「私はブランシュが好き」
あら、あら、正直でもあるよ。
隠し切れなかった耳が赤く染まっていた。
「好きなの?どれくらい?」
「世界で一番好きなくらいに・・・」
きゃああっ!よしよし、そうなんだ?世界で一番好きなんだね?
思わず頬骨が昇天するのが感じられた。
「と、とにかく!私は、用事があって来たの!」
「そうなの?どうしたの?」
「ちょっと良くないことだよ」
しばらく平和を楽しもうとしたが、休む暇がないね。
ベリテは立ち上がり、きちんとソファに座った。
「最近、宮殿の雰囲気が少し良くない気がして。この種族に関連して反応が良くない」
「もしかして、セイブリアンが異種族に国を売ろうとしているという人がまだいるの?」
「うん。思ったより簡単には消えないね。さらには、備えを呼び出さなければならないのではないかという話も聞こえてくる」’
私は静かにため息をついた。
事が簡単に解決しないことは覚悟していたが、少し残念だ。
人魚と交流をするのは間違っているのかな?
私の欲にセーブルの王権まで脅かされるようで気がよくなかった。
ベリテも少し憂鬱な表情で話を続ける。
「そして詳しくは聞けなかったが・・・、アビゲイルが入ってきた後、変なことがたくさん起きるという反応もあるし」
「なるほどね」
私が生き返ったばかりの時も色々な噂が流れた。
その中の一つは、アビゲイルが魔女ではないかという噂だ。
あの時はただ笑って済ましたが、今は状況が変わった。
私が実際に黒い魔力を持っているから。
「宮に回る噂を早く掴めるといいんだけど、前ほど見ることができなくて・・・、ごめんね」
ベリテが鏡を出すようになっていろいろと利点が生じたが、短所も一つあった。
ヴェリテは鏡に閉じ込められている間、寝たり食べたりもしなかった。
そのため、一日の大半を監視にだけ注き込むことができた。
しかし、鏡を出るようになると、それ以上はできなくなった。
ベリテは肩を落として小さくつぶやく。
「いっそ鏡にまた入ろうか・・・」
「ベリテ、そんなこと考えないで」
私は飛び起きて、ベリテに近づいた。
「あなたがやってくれることがどれだけ多いか。あなたは今までやり過ぎなほど犠牲になったわ。もうそうしなくてもいい」
「でも・・・」
「あなたは今も十分に多くの部分を助けている。あとは私とセイブリアンができるから、あなたのことは心配しないでね。分かった?」
前にセーブルが言った言葉を思い出した。
私はやっぱり子供を犠牲にしてまで強くなる国なんてほしくない。
ベリテは感謝と申し訳なさが混じった瞳で私を見つめている。
私はベリテの頭をそっと撫でた。
「それからあなたも外にいたほうがいいじゃないか。ブランシュと美味しいものも食べられるし」
「・・・うん」
ベリテは少し照れくさそうな顔をしてうなずいた。
ああ、こう見るとこの子もただの子供なんだね。
少し雰囲気が和らいで、私はにやりと笑った。
ベリテはそんな私を見てためらいがちに口を開いた。
「ねえ、王妃様は私がブランシュ好きだと嫌なの?」
「あ、いや。嫌じゃないんだけど」
私はベリテが大好きで、それだけベリテはいい人だ。
私の反応にベリテの顔に花が咲いた。
「じゃあ、私がブランシュと結婚してもいい?」
この友逹、もう結婚まで考えていたの?
「それは私が決めることじゃない。ブランシュが選ぶことだよ」
政略結婚なら私たちが決めるが、私たちはブランシュに結婚を強要するつもりはない。
結婚したくなければ、一生非婚で暮らすのも悪くない。
いい相手ができて、心が通じれば会えるし。
私の役割はベリテのお悩み相談まで。
その後はブランシュの役割だった。
「そうだよ。ブランシュが選ぶことだ」
ベリテは私の言葉に納得したようにうなずいた。
そうするうちに、両拳をぎゅっと握りしめ、元気な口調で話した。
「だから私、ブランシュにすごく良くしてあげる。王妃様が邪魔したりすることはないでしょう?」
「別に君が悪いことをしているのでなければ?」
「ブランシュにそんなことしない!毎日笑わせてあげるって!」
予備婿の点数を10点差し上げます。
そう、私の娘を毎日笑わせてあげないと。
ベリテはたくましく立ち上がった。
「じゃあ、私はブランシュのところに行ってみる。何かあったら呼んでね!」
「よし、よし」
ベリテは鏡の中にさっと姿を消した。
その姿が微笑ましくもあり、一方では心配にもなる。
ブランシュはベリテをどう思うだろうか。
今見るにはただ仲の良い友逹のように見えるが。
以前から結婚にあまり関心のない子でもあったし。
まあ、とりあえず明日から解決しよう。
今日はセーブルとブランシュの妹の問題で話をしてみよう。
彼がショックを受けるのではないかと、私は恐怖で立ち上がった。
鏡を通じて、どこにでも行けるのは素晴らしいですね!
子供に関して、セイブリアンは何を思うのでしょうか?