こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は291話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
291話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ある噂
書斎は日光と書籍でいっぱいだった。
いつもなら静寂も一緒に留まっているはずだが、今日はブラッシングの音と小さなささやきが代わりになっている。
「最近、王妃様と国王殿下、本当に仲がいいですよね」
サイドテーブルを拭いていた下女が楽しそうな声で話した。
他の女中たちも忙しく掃除をしながら、小さく囁いている。
「そうだね。最近、お二人が一緒にいるのを見るたびに、私が恥ずかしくなるわ」
「以前とは比べ物にならないわよね。殿下が亡くなった時はどうしようと思ったのに」
切ない国王夫妻の姿にメイドたちは毎日が楽しかった。
遠くから彼らを見ているとなんとなく胸がむずむずする。
幸せを見守るだけでもピンク色に染まるようだった。
その時、活気に満ちた空気の間から、やや不安そうな声が聞こえてきた。
「だけど・・・、ちょっとおかしくない?」
埃を払い落としたおかっぱ頭の下女がこっそりと口を開いた。
低く沈んだ声に女中たちが皆彼女の方を振り返る。
「何が?」
「王妃様が生き返った後、おかしなことがたくさん起きているじゃないか」
急に日が雲の後ろに隠れたように、書斎の中が暗くなった。
おかっぱ頭の下女が少し不安そうな顔で周囲を見回す。
「王妃様が生き返った後、性格が完全に変わったじゃない。お姫様と殿下も急に王妃様が好きになって。まるで魔法のように」
魔法という言葉がとても陰惨に間こえた。
女中たちは肯定も否定もせず、黙って髪を短くした女中の言葉に耳を傾ける。
「その後、変な服もたくさん作って、海から人魚を連れてきて、それに死んだ殿下まで蘇らせた。おかしくない?」
斬新な服が変な服に変わるのはあっという間であり、奇跡は怪談に変質した。
居心地の良かった書斎まで陰惨に変わったようだ。
薄暗く見慣れない森の真ん中に落ちたような気分に、みんなが口をつぐんでいた。
しばらく沈黙した末、ある下女が口を開く。
「・・・確かに何かちょっとおかしいよね」
「私も召使たちから変な話を聞いた。殿下が人魚に国を渡そうとするという・・・。もしかして王妃様が何かしたのではないだろうか?」
虫が本をかじっているように、小さくささやく声が積み重なっていく。
その時、キーッとドアが開く音が聞こえると、下女たちが短く悲鳴を上げた。
「どうしたの?」
「ノ、ノマさん。何でもありません」
中に入ってきたのはノマだった。
女中たちはその顔を見て、少し安堵した様子だ。
女中たちが恐縮しているかのように頭を下げる。
ノマは無愛想な表情で視線を一度与え、書庫に近づいた。
アビゲイルがお使いを頼んだ本を選んだ後、彼女は特別な挨拶を残さずにすぐに立ち去る。
再びドアが閉まると、下女たちはやっと我慢していた息を吐いた。
「ああ、王妃様かと思った」
「そういえば、ノマ様が王妃様を一番長く祀った侍女だよね?もしかしてノマさんも・・・」
「まあ、見た目は魔女みたいだよね」
緊張が解けると、小さな笑いが沸き起こった。
ひょろひょろした背丈に老眼、鷲鼻まで童話の中の魔女に似ていた。
「他の侍女たちはクビになっていくのに、ノマ様だけ最後まで耐えたじゃないか。本当に魔女なんじゃないかな?」
「そうだね。私の考えでは、王妃様が嫉妬するような顔ではなく、送らなかったようだけど」
貴婦人や令嬢の中では、わざと自分より醜い女を下女として連れている場合もある。
それは一種のアクセサリーで、自分の外見をさらに強調するためだった。
メイドたちのきしむ音が静かに戸の隙間から漏れる。
ドアの向こうに誰がいるのかも知らずに。
ノマは門の前に立って黙々とその言葉を間いていたが、足を運んだ。
表情はただ静かだった。
彼女は噂話が始まったばかりの頃からドアの前に立っていた。
アビゲイルが怪しいと囁いた小さな声。
とっくに飛び出してきて、どこで王妃様の悪口を言うのかと腹を立てることもできたが、そうしなかった。
女中たちが言った言葉のほとんとは事実だ。
自分もアビゲールが怪しいと思っていたから。
また、アビゲイルが外見を引き立たせるために、自分をそばに置いたのも事実。
しかし、ノマは何の不平も言わなかった。
黙って廊下を歩いていると、彼女は鏡を見てしばらく立ち止まる。
鏡の中の顔はただ愛嬌なく索漠としていた。
老眼に、美形と見るには難しい外見。
「王妃様が私を依然としてそばに置いているのも、自分を引き立たせようとしているのか分からない」
先ほど、下女たちが自分に向かって吐き出していた悪口を思い出したが、彼女はその記憶を無視しようと努める。
そんな中、廊下の端から人の気配が感じられた。
そちらを振り返ったノマが慌てて挨拶をする。
彼がいつそこに立っていたのか見当がつかなかった。
いつもなら挨拶を受けるなり通り過ぎるストーク公爵だが、今日はなぜか席を離れなかった。
「ああ、ノマさん。ちょうど話をしたかったのですが、このように出会えて嬉しいですね」
公爵は偶然だと言ったが、気の利くノマはそれが偽りであることを直感する。
(わざと私を待っていたようだが。ところでどうして?)
公爵は席を移そうというようにじっと目配せした。
ノマは躊躇いながら、その後を追う。
人の出入りがよくない建物の裏側に足を運んだ。
「最近、王妃様とはお元気かな?」
そっと探る声は平然としていたが、目つきだけは隠すことができないほど鋭かった。
最近、顔が憔悴しきったため、さらに不気味な雰囲気が漂っている。
「はい、ちゃんと仕えています」
「まったく君も苦労が多いね。王妃様の性格はとても気難しいからね。以前から君が苦労するのが気の毒だったよ」
「・・・」
ノマは否定も肯定もしなかった。
ストーク公爵はにこやかに笑いながら続ける。
「他でもなく、今度は君の家を訪問しようと思ってね。君のお父さんと話したいことがあって」
ノマとしては当惑するような通報だった。
彼女の家は子爵家で、ストーク公爵と向き合うほどの地位のない家だ。
しかし、なぜ訪問するのか聞き返す度胸はなかった。
ストーク公爵はただにっこり笑った。
「その時会えるといいね」
「私もその時お会いするのを待っています」
ノマは深く頭を下げる。
後ろを向いては公爵からは分からない風が漏れており、何か尋常でない雰囲気を察知した。
それは杞憂ではなかった。
公爵邸への帰途、公爵の顔には不気味な気運が漂っていた。
彼は歯ぎしりをした。
「宮殿の空気が変わりつつある。このままじっとしているわけにはいかない」
雷雲が押し寄せる匂い、嵐が染み込んだ空気。
同じ場所で長い間生きてきて、天災地変を経験してきた人だけが激動の匂いを嗅ぐことができる。
そして、その公式は宮殿にも適用された。
今ストーク公爵は自分に向けられた風に刃が立ったことに気づいていた。
「王妃が海に行かなければならなかったのに。それとも死ぬか」
邸宅に戻った公爵はソファーにどっかりと座り込んだ。
自分を仰いでいた貴族たちの視線も、もはや以前のようではなかった。
国王の寵愛が去ると、寒波で裸で捨てられたような気分だ。
彼は明らかに危機に瀕していた。
「ギデオンがくれたその物を利用すれば、流れを変えることができるかもしれない」
彼は立ち上がって本棚の奥に隠しておいた箱を取り出す。
それはギデオンが以前に残した物だった。
手紙一枚とともに。
[アビゲイル王妃はいろいろと怪しい点が多い人です。生き返った後、彼女が繰り広げる紀行を見てください。魔女と言っても遜色がありません。私が苦労して手に入れた品物が一つあります。この品物を上手く利用すれば・・・]
「お父様、入ってもいいですか?」
ドアの外からカリンの声が間こえた。
ストーク公爵は箱を片付けた後、ドアを乱暴に開ける。
カリンは突然開いたドアに驚いたが、すぐに落ち着いて頭を下げた。
「急用があると聞いて来たのですが・・・、どうかしましたか?」
「カリン。私がプレゼントであげた服は気に入った?」
「・・・はい」
「そうだよ。外国で流行中という服だから、君が着たら殿下も注目されるだろう」
「そんなはずがない」と反論しようとしたが、カリンは口をつぐんだ。
父親がせいぜい服の話をしようと呼んだのではないことを直感的に悟ったためだった。
ストーク公爵はひどくこわばった顔で、自分の娘を見下ろす。
「あなたに最後のチャンスを与えよう」
ノマは今もアビゲイルに不満を持っている?
ストーク公爵の動きも不穏ですね。
そして、やはりギデオンは生きているようです。